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プロフィール

カチーダ・マーハ
即興詩人。京都市左京区出身。A型。動物占いはライオン、星座は水瓶座。趣味として映画鑑賞と読書を少々。猫、特に茶トラの野良猫をこよなく愛する四十路間際の女。

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ルチルの 気まぐれ日記

カチーダ・マーハの日記

髙村薫のデビュー作を井筒和幸が映像化。大阪にあるメガバンクの地下に保管されている240億円相当の金塊を強奪する男達のアクションムービー。
グループのリーダーはトラック運転手の北川(浅野忠信)。浅野忠信は、いつの間にこんな立派なオッサンになったのか。顔も身のこなしも、ビートたけしに見えて仕方がない。北川の昔からの友人で、犯罪者相手の調達屋をしている幸田に妻夫木聡。いかにも訳ありの暗い男なんだけど、それが何なのかは最後まで分からず。そして、チャンミン。このチャンミンはどう見たって可愛いだろ。愛称なんてモモだし。チャンミン演じるのは、北朝鮮の元スパイで、今は祖国の裏切り者として、実の兄にまで命を狙われる爆弾のエキスパート。あの、戸惑った感じ、ちょっとぎこちない話し方。モモに「鯖の寿司、食ってみたかったな」って言われたら、幸田じゃなくても持っていくだろ、鯖の寿司。でも、計画の実行前に、あっけなく死んでしまった。死んだといえば、どうして北川は、わざわざ人目につく時間帯に幸田の死体を川に沈めたのか。
Posted at 2012.11.21 in 映画・本
奥さんをひき逃げされて以来、復讐心と喪失感に苛まれる日々を送っている町工場の経営者、中村(堺雅人)。堺雅人の演技はいかにもスゴイが、しかし、いくら心に闇を抱えているとはいえ、普段からあの状態は、どう見ても危ないじゃないか。プッチンプリンを飲むように食べて、包丁持ち歩いて、ポケットに奥さんのブラジャーしのばせて、いつ通報されたっておかしくないよ。あんな経営者で、なんで商売ができるのか。一方、ひき逃げしといて、罪の意識のかけらもない非道な男、木島に山田孝之。「勇者ヨシヒコ」山田には、いまいち狂気が感じられない。田口トモロヲをいじめたところで、なんだかなー。今回の綾野剛の役はドンピシャだったな。これで波岡一喜を超えたか。そんな問題じゃないか。最近の新井浩文は背広の役が多いな。
予告編でも観た、中村と木島が対峙するクライマックスシーン。中村の「たわいのない話が出来たらなーと思って」ってセリフ、あれ、人に言われた言葉そのままパクリだったのか。
Posted at 2012.11.19 in 映画・本
2012.10.29
殺し屋稼業から足を洗い、バイク屋で働く健(新井浩文)。新井浩文主演ってだけで、キャー。実際の新井浩文は、ゲームが好きで、AKB劇場とかメイドカフェとかにも行く人らしいが、それはそれ。ケンカが強くて、ぼそぼそ声で、汚いつなぎがよく似合ってる。健の兄貴分で、健に執拗につきまとうアキラ役の村上淳。ルックスもセリフ回しも、ダウンタウン松本のコントみたい。てことは、いかにも視力が落ちそうな髪型の新井は浜田か。チバユウスケがバイクを修理に持って来て、ライブに誘うシーンはまるで劇中劇。なんだ、この妙に緊張した空気は。ケンカにバイクにロックにハーモニカ。2012年の作品とは思えない懐かしい世界で、唯一、今っぽい風情なのが、健を殺しに来た少年役の新居延遼明君。「爆弾ジョニー」ってバンドのボーカリストで、ニワトリみたいで可愛いぞ。あ、永瀬正敏が久しぶりにカッコいい。ちょっとしか出てないけど。
Posted at 2012.10.29 in 映画・本
始まって数分後には、もうボカッ、ドカッの乱闘シーン。アメリカ女子総合格闘技界のスター、ジーナ・カラーノが、映画初出演にて初主演。ヒロイン、マロリーは、世界を飛びまわるフリーランスのスパイ。元恋人で雇い主でもある民間軍事企業の経営者、ケネス(ユアン・マクレガー)や政府関係者の陰謀により、無実の罪で追われるハメに。真相究明と復讐に立ち上がるマロリーが強い、強い。ジーナ・カラーノは、この役を特撮なし、スタントなしで快演。派手な特撮に慣れた目には、生身の乱闘シーンやカーアクションが新鮮。楽しみにしていたアントニオ・バンデラスは、最後にちょっとだけ出演。それにしてもこんなにちょっとだとは思ってなかった。
日本でこの映画撮るなら、マロリーはやっぱり吉田沙保里だな。顔の輪郭でいえば伊調馨だけど、ここはやっぱり国民栄誉賞のサオリーナ。安心戦隊ALSOKなんて最高だし。ところで、サオリーナのオフィシャルブログ「さおりフォルダ 夢追人」は、行間がやけに広い。「行間を読め」ってことなのか、ただ、広いだけなのか。そんなサオリーナは今月5日で30歳に。おめでとう。これからも大好きだ。
Posted at 2012.10.10 in 映画・本
舞台は1987年のハリウッド。当時のヒットナンバーをてんこ盛りにしたロックミュージカル。
ガンズ・アンド・ローゼズやデイヴィット・リー・ロス、ボン・ジョヴィ、トゥイステッド・シスター、フォリナー、ジャーニー、ホワイトスネイクなど、一世を風靡したアーティストのカバー曲が次々に披露される。
見どころは何といってもトム・クルーズ。成功に溺れたカリスマロックボーカリストを演じているのだけど、これがぱっと見、気持悪いと思いきや、あれ、ちょっとカッコいい。歌はてっきり吹き替えだと思っていたら、ちゃんと自分で歌ってるそうで、実際、トムは4オクターブの音域が出せるらしい。すごい。
お話は、ハリウッドでの成功を夢見る若いカップル、ドリューとシェリーの、どっかで観たような分かりやすい恋物語。ロック命のこの世界では、ポップスがちょっとバカにされていて、途中、無理やりポップミュージシャンにさせられたドリューのファッションに思わず失笑。でも、確かに当時、こんな格好の人達がいたよな。「ビバリーヒルズ高校白書」のデビッドが、ちょうどこんな感じじゃなかったか。そういえば、トム・クルーズ演じるステイシーをインタビューするローリングストーン誌の記者、コンスタンスはアンドレア風だったな。あー。久々、ブランドンの八の字眉毛が見たくなった。
Posted at 2012.09.29 in 映画・本
ほぼ全身整形のトップモデル、りりこ(沢尻エリカ)。その美しいルックスを維持するには、高額なメンテナンスが必要。それが、メイクしたまま、意識あるまま顔に針? なんちゅー手術。耐えられるりりこがスゴイ。彼氏を寝とられたり、犯罪の片棒を担がされるなど、りりこに翻弄されるマネージャーの羽田ちゃんに寺島しのぶ。原作の羽田ちゃんは、すっぴんで肌がきれいな23歳なんだけど、すっぴんってとこは採用して、後は別キャラに仕立ててあるようだ。羽田ちゃんの彼氏に綾野剛。私は綾野剛の魅力がまだ分からない。りりこを「タイガー・リリィ」と呼び、追い込んでいく検事の麻田さんに大森南朋、その同僚に鈴木杏。麻田さん、原作では「ツイン・ピークス」のクーパー捜査官を連想させるイケメン。鈴木杏、寺島しのぶに付き合ったのか、すっぴん風。鈴木杏って、まだ25歳なんだ。意外に若い。そして、りりこのメイクを担当するキンちゃんに新井浩文。きゃー。メイクさんって顔じゃないけど素敵。ラスト、後輩モデルの吉川こずえが、ロケ先で偶然、りりこに会うのはメキシコだったはず。予算が足りなかったか。それにしても女子高生ってやかましいな。
Posted at 2012.08.22 in 映画・本
2012.05.10
ここのところ毎日テレビで見る小栗旬と岡田将生。今日も「徹子の部屋」(…によると、岡田将生はこれまでアルバイトをしたことがないんだそうだ)に出てたし、この映画、すごく宣伝に力入れてるな。小栗旬のムッタ、いいな。一挙一動、面白くて目が離せない。岡田将生も、映画の中では、ちゃんとヒビトだけど、こうやってトーク番組に出ると、パシリキャラが否応なしに露見する。本人も別にそれでいい感じだけど、何でしょう、この薄い感じ。顔は似ててもミゲル君の方がずっと頼れそうだ。宇宙飛行士選抜試験の受験生役で新井浩文が出てる。新井浩文、やな奴やらせたらバッチリだもんな。でも、パイロットの顔じゃないよな。1969年のアポロ11号の乗組員で、月面に足跡を残し、星条旗を立てた伝説の宇宙飛行士バズ・オルドリン氏が本人役で登場。ヒビトの乗る宇宙船の打ち上げをムッタとともに見送るが、宇宙オタクであるはずのムッタは、目の前の英雄にどうして気付かないのか。ラスト、めでたく兄弟で宇宙へ発つことになった二人。あれ、この演出は「アルマゲドン」ですか? いっそエアロスミスのあの曲流したらウケるのに。
Posted at 2012.05.10 in 映画・本
2010年マンガ大賞、手塚治虫文化賞短編賞をW受賞したヒットマンガ待望の映画化。主人公のルシウスは、古代ローマ帝国の浴場設計技師。どういうわけか現代の日本にタイムスリップして、日本特有の風呂文化にカルチャーショックを受ける。主演の阿部ちゃんは、もうルシウスそのもの。体格も立派だから、全裸シーンもまんま、ルシウスだ。先着100万人限定の入場者プレゼント「テルマエ・ロマエ 特別編」では、ルシウスと阿部ちゃんが共演。ロケ地の銭湯で一緒にラムネを飲むエピソードが収録されている。阿部ちゃんはじめ、市村正親や北村一輝など濃い顔の俳優が古代ローマ人を演じる一方、上戸彩や笹野高史、いか八朗、菅登未男が、平たい顔族を好演。上戸彩、えらく平たい顔に撮ってあるが、こんなんじゃCMの仕事が来ないよ。いか八朗と菅登未男、78才と81才の天然オールドパワーが炸裂。この人達に比べたら、笹野高史なんて、まだまだヒヨっこ。それにしても笹野高史、今年でまだ64才って、老け顔にも程がある。
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Posted at 2012.05.07 in 映画・本
2012.04.20
第84回アカデミー賞でフランス映画初の作品賞を受賞。その他、監督賞や主演男優賞など、最多5部門を受賞した話題のモノクロサイレント映画。舞台は1927年のハリウッド。サイレント時代の大スター、ジョージと、新人女優ペピーのラブストーリー。「女優を目指すのなら目立つ特徴がないと」と、駆け出しのペピーにアイライナーで唇の上にほくろを描いてあげるジョージ。私もその昔、薬師丸ひろ子の泣きぼくろを真似して描いてたな。バカだな。その後、トーキー時代の幕開けとともに、ペピーはスター街道まっしぐら。一方、サイレントにこだわるジョージは、映画が大コケ、奥さんに家を追い出され、運転手のお給料も払えないほど落ちぶれる。このジョージ、もたついた中年体型も、ダボダボのさえないスーツ姿も、どこかチャーミングで、ペピーじゃなくても守ってあげたくなる。そんなジョージには、いつも愛犬アギーがそばにいる。演じたのは2002年生まれのジャック・ラッセル・テリア。1歳半で映画デビューしたというベテランスター犬で、この映画では、第64回カンヌ国際映画祭パルムドッグ賞を受賞したらしい。筋肉質の体型と、コロンと見せるお腹が愛嬌たっぷり。何か分かってるような顔つき、芸達者で健気で忠誠心があり、ジョージと一緒に映画館で映画を観ちゃったりもする。賢い、可愛い。そりゃ人気でるよ。ジャック・ラッセル・テリアは、実際は扱いにくい犬種らしいから、アギーもスゴいがトレーナーがきっとスゴ腕なんだ。そんなアギーは今月末、ホワイトハウスを訪問するらしい。オバマ大統領の愛犬、ボーとの対面が楽しみ。人気絶頂のアギー。しかし、近々、老後をゆっくり過ごすために引退するとか。見事な引き際。カッコいいぞ、アギー。
Posted at 2012.04.20 in 映画・本
京都もいよいよ桜が見頃。今日は暑いくらいの晴天で、西山の「花の寺」勝持寺へ。桜の木が100本余りある境内の中心には、西行が植えたとされるしだれ桜(三代目)がある。今は上の方が満開で、しだれの部分はまだ蕾。西行といえば、今回の大河の藤木直人。清盛の親友、容姿端麗で歌や馬術にも秀でたエリート武士、佐藤義清(のちの西行)。「義清散る」の回で、待賢門院璋子への叶わぬ想いを断ち切るように出家したが、璋子の首を絞めたり、幼い娘にいきなり蹴りを入れたり、かなり壊れてた。そして、ドラマチック過ぎる断髪シーン。この回の藤木は、いい意味でも悪い意味でも、魅せまくってた。境内には、義清が出家の際、鏡代わりにして頭を剃ったといわれる鏡石が残っているが、これに姿が映る義清がすごい。そういえば、義清が飼ってた三毛猫。リハーサルで松ケンにおしっこをひっかけてたあの子、もう出ないのかな。義清の藤木は楽しかったが、「ウコンの力」のCMの「どうです?」の藤木は、なんかちょっと嫌だ。
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Posted at 2012.04.16 in 映画・本
2012.03.23
渋谷区円山町のラブホテル街で起きた猟奇的殺人事件。雨漏りするボロボロの木造アパートに放置された、マネキンと接合された死体は誰のものなのか。
えー、いきなり水野美紀の全裸。初のフルヌードが、こんな「たまたま出ちゃいました」みたいな出され方でいいのか。ちゃんと家庭を持ちつつ、夫の後輩と不倫している刑事・和子(水野美紀)。その不倫相手がアンジャッシュの児嶋で、これがキモい。どうした、和子。いくら性的倒錯のなせる業でも、この男はないよー。
売春婦という裏の顔を持つエリート助教授、美津子(冨樫真)と、人気小説家の妻で、なにかが無性に「したい」と、満たされない日々を送っている専業主婦のいずみ(神楽坂恵)。セックスの世界の奇妙な師弟関係。「私のとこまで堕ちて来い!」「はいーっ(涙)」…って。いずみ、こんなに素直に何でも受け入れていいのか。美津子と出会う前のいずみが、騙されてAV出演してしまった後、全裸でソーセージの試食販売の練習をするシーン、泣かせる。この人、人のせいにしない人なんだ。この、いずみの売るソーセージが、後に特大になるのはスーパーの店長のセクハラだろう。とにかく、冨樫真と神楽坂恵の体当たり演技に圧倒される映画。
死体の身元と犯人が分かって、エンディングは爽やかな朝。水野美紀が、出しそびれたゴミ袋を両手に持って、ゴミ収集車を追い掛ける。走る、走る。そうそう、水野美紀はこうでなくちゃ。
Posted at 2012.03.23 in 映画・本
ヘヴィ・メタル界の帝王、オジー・オズボーンのドキュメンタリー。ドキュメンタリーって、多少退屈だったりするけれど、オジーのドキュメンタリーはそれが一切なし。走り抜けるようなスピード感で、あっという間に終わってしまった。私がオジーを知ったのは、兄の影響で、小学生か中学生の頃。当時は今ほど簡単に情報が得られなかったから、オジーといえば「コンサートでハトを食べた」(実際はレコード会社の記者会見でハトの首を喰いちぎった)とか、歌に影響された子供が自殺したとか、漠然とダークなイメージを抱いていた。そしてその容姿から、もうかなり中年のおじさんだと思っていたが、それほどでもなかったんだ。

インタビューに応じるランディ・ローズ。何、この感じの良さ。今更ながらハートを射抜かれる。水玉模様のフライングV、憶えてる、憶えてる。ギター少年だった兄は、学生でありながらギブソンのエクスプローラーやフライングVを持っていたし、そのうちギター工房へ出入りして、自分で作ったりもしていた。兄のギターに触ると怒られたし、兄が中三の時には「(ジョン・レノンを意識した)長髪を切らないと、修学旅行に連れて行かない」と担任が家に説得しに来ていた。後に私はその先生を呼び捨てにしたのが耳に届いてしまい、校庭で往復ビンタを喰らわされた。出席簿で何回もしばかれ「お前は人間の顔をしたブタだ」とも言われた。今、振り返ると、そこまで怒ることじゃないよな。  ブラック・サバスのトニー・アイオミのインタビューで、オジーとは同じ学校に通っていたが、「ウザイ奴」であり、最初はメンバーに入れたくなかったとか(オジーが当時高価なPAを持っていたのが加入の決め手となったらしい)、トミー・リーが語る、高級ホテルでの規格外のラリッぷり(ニッキー・シックスとプールサイドでおしっこして舐めあったり、部屋の壁にうんこを塗りたくったり)など、当事者でしか語れない裏話がじゃんじゃん出てくる。それにしても、常にお酒やドラッグでフラフラのオジーを見守ってきた奥さんのシャロンはすごい人だ。一度は殺されかけてもいるのに、この肝っ玉ぶり。そして、オジーの体力も相当なもの。ここまで無茶して、今もステージに立ってる。普通ならもう死んでるよ。で、これに注目した科学者がいて、オジーの遺伝子を調べたらしい。その結果、オジーの遺伝子は、アルコールや覚せい剤の吸収に、過去に前例のない、とりわけ強い性質を持っているそうだ。この遺伝子を「オジー・ゲノム」と呼び、更なる解明が進められているとか。科学者にまで興味を持たれるオジー。さすがスケールが違う。
Posted at 2012.03.15 in 映画・本
2012.02.24
全ての人間が25歳で成長がストップ。時間が通貨であり、25歳以降は余命時間を稼いでは消費する、常に死と隣り合わせの生活を送るスラムゾーンの人々。一方、富裕ゾーンでは、永遠に近い時間を所有した人々が、ゆったりと贅沢な時間を過ごしている。スラムゾーンに暮らすウィル(ジャスティン・ティンバーレイク)は、富裕ゾーンからやってきた男に116年の時間を譲り受けるが、同じ日の夜、母親をたった1秒足らずで亡くしてしまう。不条理なシステムに怒りを覚えたウィルは、世界を変えようと富裕ゾーンに単身で乗り込む。そこで出会った大富豪の娘、シルビア。シルビア役のアマンダ・セイフライドは、顔がずっと同じでレプリカントみたいだ。ウィルもウィルのお母さんも、シルビアもシルビアのお母さんもお婆さんも、ここでは皆が見た目25歳。であるが、そう見えない人もいる。ウィルを執拗に追跡する時間監視局員のレオン(キリアン・マーフィー)は、どうみてもいいオッサンだ。キリアンは実際36歳だし。ウィルとは敵対する立場にありながら、時に心が揺れ、けれど職務を全うして死ぬ、日本映画だったらおいしい役なんだけど、この、なんともいけ好かなく仕上がったルックスが、感情移入の邪魔をする。日本でこれと同じ映画を撮るなら、ウィルに25歳の市原隼人、シルビアには同じく25歳でレプリカントっぽい香椎由宇だな。レオンには、キリアンと同い年のアンタッチャブルの山ちゃんでどうだ。皮のコートとか好きそうだし。無駄に熱い映画になるな。
Posted at 2012.02.24 in 映画・本
「バイオハザード」監督最新作。奥さんのミラ・ジョヴォヴィッチは二重スパイの悪女ミレディ役で登場。初めの方に「バイオハザード」をパロったシーンあり。アリスもそうだが、ミレディも強い。そして死なない。オーランド・ブルームがバッキンガム公爵役で初の悪役。三銃士のひとりと若干ルックスがかぶってて、うちの母ならきっと見分けがつかない。その母がチラシを見て「鹿賀丈史か?」と聞いた若きダルタニアン役のローガン・ラーマン。どこが鹿賀丈史かと思ったが、似ている瞬間が確かにあった。ローガン・ラーマンって、ユマ・サーマンの蛇女くらいしか印象に残らなかった「パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々」でパーシー役やってた子なんだけど、今回はちゃんと印象に残った。田舎臭くて子犬みたいなダルタニアンを好演。可愛かった。可愛いといえばおバカなルイ13世もお肌スベスベで可愛い。三銃士といえば剣の決闘シーン。そして、剣といえば「シュレック2」に登場して以来、主役のシュレックをしのぐ人気の茶トラ猫、長ぐつをはいたネコ。そのスピンオフムービーが、来年春、3Dで公開される。やったー。メチャクチャ楽しみ。ちなみにネコの名前は「プス」。声は引き続きアントニオ・バンデラス。イェイ。
Posted at 2011.11.04 in 映画・本
2011.10.07
面白くって、あっという間に終わってしまった。セカンド童貞の草食系男子、藤本幸世に訪れた二度目のモテキ。主人公幸世に森山未來、幸世が想いを寄せる全開イケてるガールみゆきに長澤まさみ。そうか「セカチュー」って、もう7年も前なんだ。歌あり、ダンスあり、テンション高めの軽薄エンターテインメント。それにしても森山未來、ダンスうまっ。パフュームと一緒に踊っちゃってる。5才の時からやってるんだ。大江千里の「格好悪いふられ方」とか橘いずみの「失格」とか、懐かしいJ-POPサウンドも聴ける。エンディングロールは「今夜はブギー・バック」。シングルCDまだ家にあるよ。去年のオザケンの復活ライブ、行きたかったな。
サブカルオタクの幸世、ピエール瀧と緊張の対面。オタクといえば、元電気グルーヴのまりんはYMOオタクで、その昔「カルトQ」で優勝してた。まりんの可愛い様子は今もYou Tubeで観られる。みゆきの友達で、幸世に想いを寄せるるみ子に麻生久美子。重い女具合がリアル。幸世の会社の怖い先輩に真木よう子。怒り顔が板についてる。欲を言えば、新井浩文をもっと観たかった。
Posted at 2011.10.07 in 映画・本
アナログ放送が終わった。94年製の私のテレビ。電化製品には当たり外れがあるけれど、これまで何の故障もなく来たこのテレビは当たりだったと思う。お疲れさま、ありがとう。
物語は1979年の夏。日本でいうと徳光さんの「ズームイン!!朝!」が始まった年。主人公の少年、ジョーは14才。お母さんを工場の事故で亡くして以来、保安官のお父さんと二人で暮らしてる。ジョーには一緒に8ミリ映画を作ってる仲間がいて、そのボス的存在が親友のデブのチャールズ。珍しくデブが幅を効かせているパターンだ。仲間の男の子達は、誰ひとりぱっとする子がいないんだけど、個性はやたら強くて、特に火薬好きの子が面白い。ゾンビの演技も板についてる。そして、宇宙から来た未知の生物との出会い。このエイリアン、人間を襲うだけじゃなくて、食べもするし、かなり凶暴。なのに、ジョーのか弱い説得で、いとも簡単に、襲うの、止め。顔、よくよく見たら、あれ? E.T.か? エイリアンはその後、すっごい立派な宇宙船を作って故郷の星に帰って行く。こんなすごい奴、今までどうやって拘束してたんだろ。

ああ、終わってしまった。さみしいな。最終話のヴォルデモートは、これまでよりうんと表情豊か。スネイプ先生、やっぱりいい人だったんだ。ロンの上半身裸がやたら白くて眩しかった。
Posted at 2011.07.29 in 映画・本
「大日本人」も「しんぼる」もしんどかった。なら観に行かなきゃいいのだけど、そういう訳にもいかない松ちゃん映画。今回は時間が短いから嬉しい。刀の鞘しか持たない侍、野見勘十郎は、ひとり娘のたえと旅を続けていたけれど、無断で脱藩した罪で捕らわれの身に。お殿様から、母親を亡くして以来笑わなくなった若君を、30日間、一日一芸で一度でも笑わせることが出来たら無罪放免、失敗したら切腹という「30日の業」を言い渡される。お殿様役は國村準。この人、板尾さんの映画にも出てたよな。こういうの好きなのかな。たえ役の子、毎度毎度セリフに力が入っていて不自然なんだけど、私は好きだ。笑った顔、可愛い。もう一人の子役、若君。なんか、すごいの見つけて来たな。この子のプライベート写真とか見てみたい。松ちゃん映画の笑いって、普段のトークやコントと違って、ベタで大味で、ほとんど笑えない。そういう冗談なのかな。最後の歌のシーンで「消臭力」のCMが重なった。ラーラーララーラ、ララララララー。あのCM好きだ。

ティム・バートンがベタ褒め。タイ映画で初のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞。死期の迫ったブンミおじさんのもとに、19年前に亡くなった奥さんと、数年前に行方不明になった息子が現われる。息子はなんと赤い目の類人猿だ。王女様が滝壺でナマズと戯れたり、予期せぬシーンでドッペルゲンガーが起こったり、エンディングの音楽がやけにミスマッチだったりと、分からないこと満載なんだけど、自然の森の空気感を伴う、不思議に心地よいファンタジー。エンディングロール中に聴こえたタイ語、あれは何と言ってたんだろ。字幕プリーズ。そして、タイではあれが一般的なのか、お葬式の電飾祭壇には驚いた。
Posted at 2011.07.01 in 映画・本
ナタリー・ポートマンがアカデミー賞最優秀主演女優賞を獲った話題作。ナタリー・ポートマン扮するニナは、「白鳥の湖」のプリマドンナに選ばれる。いい子ちゃんのニナは、白鳥のパートは問題なく踊れるが、悪の化身である黒鳥を魅力的に踊ることが出来ない。ワニ顔の監督(ヴァンサン・カッセル)はセクハラまがいの無茶を言うし、過保護な母親は重圧的。更に黒鳥役にぴったりのライバル、リリーが登場し、ニナは精神的に追い詰められていく。ニナの幻覚シーンはほとんどホラーで、母親がらみのあるシーンでは、不覚にも椅子から飛び上がってしまった。ニナに主役の座を奪われ、引退させられた元プリマ(ウィノナ・ライダー)も怖い。一番の見どころは、やはりクライマックス。ブラックスワンに変身したニナだ。デーモン小暮メイク、まん丸に見開いた赤い目。羽根の生えた腕をバサバサさせているところはコントのようでもあり、志村けんを思い出した。

こんなんで続編やるんだ。タッタは何故、年を取らないんだ。エンディングはX JAPAN。何故なんだ。
Posted at 2011.06.01 in 映画・本
松ケンが結婚してしまった。しかし、よりにもよって、どうして小雪なんだ。そして、いつの間にそんなに太ったのか。もはや藤井隆より、杉村太蔵に近づいている。売れっ子松ケンに太る暇などないはずだし、来年の大河主演に向けての役作りなんだろうか。去年、六波羅蜜寺を訪れ、平清盛坐像と対面した松ケンは、肉体改造についてコメントしたそうだ。松ケン、これからどうなるのか。 で、GANTZの二作目。一作目の方が断然、面白かった。今回はネギ星人とか田中星人みたいな面白い星人が出て来ないし、しかも、結局、何も分からないまま終わってしまった。黒幕は何者で、あの中のオッサンは誰で、星人はどこから来て、何のための戦いなのか。漫画を読めば分かるのだろうか。ニノは相変わらず可愛らしいし、吉高由里子とのほのぼのした恋愛も、いかにもニノで頬が緩む。私も大学生になって、ダボダボの服を着て、スケッチブックを持って、ニノにつきまといたい。
Posted at 2011.05.02 in 映画・本
臓器提供のためにこの世に生かされたクローン人間が主役。設定はSFなんだけど、どちらかといえば心に残る人間ドラマ。70年代イギリスの片田舎。普通とはちょっと違う寄宿学校ヘールシャムで、少女キャシーは同年代の少年、トミーに想いを寄せている。トミーはナイーブで難しい子なんだけど、キャシーには心を開いていて、思いやりもあって、ふたりはとってもいい感じ。なのに、それに嫉妬したルースが割って入って、どうしてだかあっさりトミーと恋人同士に。複雑な想いを抱えるキャシー。18才になった3人はヘールシャムを出て、コテージでの共同生活を始める。少年時代のトミーは可愛かったのに、大人になったトミーは、たまにJOYにも関根勤にも見える、微妙なイケメン。内向的なのか、ただ、どうでもいいだけなのか、ルースが怖いのか、デリカシーがあるのかないのか、分かりにくい不思議君。そんなトミーへの想いを静かに募らせるキャシー。健気だ。大人になったルース役は「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイ。こんなに怖い顔だったかな。クローンといえばソメイヨシノもクローン植物。哲学の道もいよいよ見頃。

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Posted at 2011.04.11 in 映画・本
仲良しペベンシー4兄妹も、長男ピーターと長女スーザンは前作でナルニアを卒業。今回は、やたら問題を起こす次男エドマンドと、いい子ちゃんの末っ子ルーシー、これにいとこのユースチス少年が加わり、3人でナルニアへ。このユースチスが、すごく分かりやすくこまっしゃくれていて、相手が誰だろうが構わず悪態をつくし、船では食料を盗もうとするし、島では財宝に目がくらみ、挙句の果てドラゴンになってしまう。しかし、最初は嫌いだったねずみの騎士リーピチープとの友情が生まれる辺りから、徐々に良い子に。それにしてもユースチスとリーピチープ、どちらも言いにくい名前だな。邪悪な影に脅かされるナルニアを救うためには、アスランのテーブルに、7本の魔法の剣を並べなくてはならない。そこで一行は、魔法の剣を探す旅をするんだけど、これが結構、簡単に見つかる。時には3本まとめて見つかったりする。ところでアスラン。私は一作目からのファンだけど、二作目と今作は、おいしいとこだけ、しかもちょっとだけしか出て来ない。まるで24時間テレビの加山雄三だ。こんなことではリーピチープに人気を持っていかれるぞ。大冒険の末、ナルニアからリアルな世界に戻って来た3人。で、髪型のせいか、エドマンドが老けてる。あれ? そういう話じゃなかったよな。今回も白い魔女は忍成修吾に似ていた。
Posted at 2011.03.11 in 映画・本

山ピーは好きだけど、天涯孤独でハングリーなジョー役は難しかったみたい。力石が亡くなったシーンで「力石ーっ」て叫ぶ声は、まんまジャニーズだった。力石徹に、「龍馬伝」で高杉晋作役が恐ろしくカッコ良かった伊勢谷友介。うちの母もこれで伊勢谷友介を覚えたもん。力石のバタ臭い感じがよく出てる。臭いといえば、ちょっと昔、ロッテのガム、ACUOのCMで、息がべらぼうに臭い役を演じてた。口臭で彼女にふられたり、鮫を撃退したり、本当に臭そうだった。さすが伊勢谷。丹下段平に香川照之。ビジュアル的にしっかり作り込んで、なりきって演じてた。山ピーも、どうせならジョーの、あのカラスのくちばしみたいな髪型だけでも作り込めば良かったのに。

なんかいろいろ詰まってて、面白かった。原作マンガも読んでみたい。でも、上映前に松ちゃんの三作目「さや侍」の宣伝やってたから、星人は「大日本人」の獣に、ガンツのあるマンションの一室は「しんぼる」の部屋にと、松本ワールドのイメージが重なってしまった。「大奥」では観客をひっくり返らせたニノだが、この映画では、ちゃんとニノ的な魅力を発揮。いろんな表情、どれも可愛い。原作の絵を見たら、もっとイケメンだったけど、それをいったら松ケンだって同じ。吉高由里子がちょっと不思議ちゃんな女子大生役。漫画がものすごく上手くて、彼女が描いたニノは、びっくりするくらい爽やかなイケメンだ。さて、今夜は日本アカデミー賞発表。

Posted at 2011.02.18 in 映画・本
2011.02.14
原作を読んでないドラマファンの私は、山田孝之と綾瀬はるかの「白夜行」の方が良かった。あの、どうしようもなく暗くて、救いようがなくて、やるせない感じ。綾瀬はるかが時折見せる悪い顔も楽しみだった。そうそう、超チョイ役で向井理が出てたし、やたら酷い目に遭わされる役が多い田中圭は、ここでもしっかり酷い目に遭ってた。とはいえ映画も面白い。昭和な感じも懐かしかった。乱行パーティーで亮司と知り合う薬剤師役、粟田麗の雰囲気、顔は、まんま昭和だし、雪穂(堀北真希)のさえない友人、川島江利子(緑友利恵)の、とってつけたようなそばかす、聖子ちゃんカット。確か、緑友利恵って細木数子の命名。何かのバラエティー番組で観た記憶がある。堀北真希の引き立て役演じてる場合じゃないぞ。ドラマ版で柏原崇がやってた、ダンス部のイケメンOB篠塚に姜暢雄。OBとはいえ、なんだ、このえらく老けた感じは。篠塚と結婚した後、気に食わない義妹、美佳を亮司に襲わせる雪穂。で、傷ついた美佳を、何故か服を脱いで慰める(凄む)。何故、脱いだのか。最後、刑事の笹垣(船越英一郎)の、亮司に対する熱い語りは、あまりにも唐突過ぎる。亮司に対して、いつの間にそれ程の父性愛を抱いてたんだ。亮司もそれにズッコケてビルから落ちたんじゃないのか。亮司の切り絵、クオリティー高過ぎ。
Posted at 2011.02.14 in 映画・本
80年代後半に出版された超ベストセラー小説の映画化。村上春樹自身による、あの赤と緑の装丁も話題になった。主題歌はもちろんビートルズの「ノルウェーの森」。日本映画でビートルズのオリジナル楽曲の使用許可が下りたのは極めて異例のことなんだそうだ。
主人公のワタナベに松ケン。ワタナベが想いを寄せる直子に菊池凛子。菊池凛子が、精神を病んだ直子をとても上手く演じている。が、スカパーCMの影響で、ふいに森山中の黒沢が重なる。ちょっと似てないか? だから、直子が「濡れる、濡れない」だの言ったり、屋外でいろいろやっちゃうと、黒沢が悪ノリしてやっているようで、ちょっと楽しかった。松ケンも菊池凛子も良かったけど、初音映莉子のハツミさんも良かった。レストランでワタナベを怒るハツミさん、感情の揺れがすっごく伝わってきた。チョイ役で、大学教授に糸井重里。最初、森本レオかと思った。そして、ワタナベがバイトしているレコード屋の店主に細野晴臣、直子のいる療養所の門番に高橋幸宏。教授は忙しかったのか。
Posted at 2011.01.24 in 映画・本
キムタク主演の「宇宙戦艦ヤマト」。今では名作中の名作アニメも、放映当初は裏番組の「アルプスの少女ハイジ」に圧されていたらしい。キムタクはやっぱりキムタクで、黒木メイサはやっぱり黒木メイサ。西田敏行の徳川機関長と緒方直人の島が良かった。艦内医の佐渡先生(高島礼子)が連れてる茶白猫のミーくんがとても可愛い。訛りのきついブラックタイガー隊員は、百恵ちゃんの息子だそうだ。乗組員はみんなお酒好きのようで、結構飲むシーンが出てくるんだけど、水を飲んでるみたいで、全然、おいしそうに見えない。松本零士マンガの登場人物って、みんなおいしそうに飲むのにな。ストーリーは原作とはちょっと違ってて、スターシャもサーシャも出てこない。デスラーも、誰が顔を青く塗って登場するのか楽しみだったのに。しかし、アナライザーには驚いた。で、最後は「アルマゲドン」ですか。
Posted at 2011.01.11 in 映画・本
シリーズ第一作の「賢者の石」が2001年の公開。そりゃみんな大人になるよ。今回は屋敷しもべ妖精のドビーが大活躍。こんなにデキる奴とは知らなかった。でも、死んじゃう。せっかくハリーとの絆が深まったのに、せつないな。それに、白フクロウのヘドウィグ。彼もハリーを助けようとして死んじゃった。PART2でなんとか復活してくれないだろうか。そういえばマッド・アイも今回亡くなってるんだけど、主要キャラクターにも関わらず、その経緯が省略されててちょっと気の毒だ。スネイプ先生は出番が少ないが、相変わらず片山さつきっぽくて好きだ。前作で命を落としたダンブルドア。いくらもうお墓の中だからといって、ヴォルデモードが狙ってる死の秘宝のひとつである杖を、あんなにも分かりやすく持っていていいのか。もうちょっと隠したらどうか。最終作は来年の7月15日公開。祇園祭の頃。
Posted at 2010.12.27 in 映画・本
ボロボロ泣いた。ひとりで観に行って良かった。若い頃、ジャズバンドを組み、あと一歩で脚光を浴びようかというときに、ハンセン病にかかり、夢を断念。恋人とも別れ、隔離された療養所で50年もの月日を過ごした貴島健三郎(財津一郎)78才と、それまで「祖父は死んだ」とばかり聞かされていた孫の大翔が、健三郎の昔の仲間を訪ね、果たせなかった夢を実現するロードムービー。大翔役には、照英を10才若くしたような関西顔の鈴木亮平。健三郎の息子に陣内孝則。陣内は、何度も泣きそうになったり、泣いたりしてたけど、なんだか本当に泣いてるっぽい。健三郎が息子の陣内に「抱いていいか」と聞いた時、陣内と同じくらい私も泣いた。言葉数が少なく、頑固でマイペース。壮絶な過去を静かにしまい込んだ、太刀打ちできない強さ。財津一郎、超ハマり役。かつてのバンドメンバーには、犬塚弘、佐川満男、藤村俊二。神戸の老舗ジャズクラブ「ソネ」のオーナーに渡辺貞夫。セッションにも参加してる。楽器が出来るっていいな。そうそう、藤村俊二演じるユキオが経営しているピアノ会社のシーンは、タケモトピアノで撮影されたらしい。なるほど。
Posted at 2010.12.22 in 映画・本
DVD買ったら御子神さんの生写真が付いてた。当たり前だけど、映画版はドラマより展開が早くて、ストーリーも微妙に違う。茶トラのマンチカン子猫、コムギのシーンで始まる映画版。BGMはハワイアンだ。ここでも間瀬垣(カンニング竹山)は、気弱でうだつの上がらないタクシー運転手なんだけど、ドラマよりちょっと大胆。「やっぱり猫が好き」室井滋演じる、ねこババァの家で御子神さんを見つけたと思ったら、あんまり悩む風でもなく、しかもコムギまで一緒に連れて帰る。前のカゴに御子神さん、左手にコムギを抱きながら自転車に乗るなんて、運動神経もかなりのものだ。間瀬垣の家族も、タクシー会社の同僚の沼尻も丹羽も営業所長も、更には保健所の宗形(内藤剛志)もそのお母さんも、みんないい人。どら焼き屋に行きたかった若者(塚本高史)も、怒ってたけど、おそらくいい人だ。現状から一歩踏み出す勇気や、自分や人を信じることの大切さを、ほんわか伝えるやさしい映画。後半、コムギが大きくなってて、それもまた可愛い。
Posted at 2010.11.25 in 映画・本
「かもめ食堂」「めがね」「プール」を手がけたスタッフが、キョンキョンを起用して、京都を舞台に作った新作。キョンキョンはコーヒーのおいしい店を営むタカコさん役。他は、ウイスキーしか出さないバーのセツコに小林聡美、豆腐屋のハツミに市川実日子、銭湯の主人オトメに光石研、家具屋のヤマノハに加瀬亮。そして、もたいまさこがいつもの不思議なおばさんと、代わり映えのしない面々。目新しいのは瑛太の弟くらいか。大した事件が起こる訳でもなく、お決まりのゆるーい時間が流れて行く。最後にちょっとしたオチがあったそうだけど、途中で寝てしまって見過ごした。それにしても、コーヒー屋もバーも豆腐屋も銭湯も、いつも暇そう。それなのに、みんなどうしてこんなにのんびり構えていられるんだろ。ゆったりもいいけれど、もっと世間に目を向けるべきだ。もたいまさこが八百屋で買い物をするシーン。店の人は、おそらく本当にその八百屋の人。もたいとの言葉のやりとりに、素人の緊張感がビンビン伝わってきて、こっちまで緊張。退屈なストーリーに程良いスパイスを効かせてくれている。
Posted at 2010.11.16 in 映画・本
2010.10.12
男だけがかかる疫病が流行して、男女逆転の世となった徳川の時代。3000人の美男を集めた女人禁制の男の園、大奥。女将軍吉宗(柴咲コウ)の寵愛を得るために競い合う、才色兼備の男達(…なんだそうだけど、大奥一の美男、松島(玉木宏)以外は、みんなあんまりパッとしない)。見た目の華やかさとは裏腹に、陰謀渦巻く闇の世界、大奥。そこに足を踏み入れた、貧乏旗本出身の水野は、美しく、剣術に長けた男。その器量の良さと武士道精神で、見る見る出世を遂げていく。その水野役が嵐のニノ。私は、困ったうさぎのような顔や、永遠の帰宅部中学生体型が、ニノの魅力だと思っている。なのに、どうして男気溢れる美男子役をさせられているのか。吉宗初の大奥お目見えのために仕立てた黒い裃。どうして黒なのか。余計に小さく見えるじゃないか。これじゃ、大人の中にひとり交じった中学生だ。吉宗が水野に目を留めたのは、水野が美しいからじゃない。小さいからだ。柴咲コウの女将軍も、和久井映見の御用取次も、佐々木蔵之介の大奥総取締も、阿部サダヲの目がやけに色っぽい古参も、堀北真希のいつもな感じも、脇役はみんなしっくりきてるのに、どうしてニノだけが。これこそ何かの陰謀だ。
Posted at 2010.10.12 in 映画・本
深津絵里がモントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を獲った話題作。出会い系サイトで知り合ったOL佳乃(満島ひかり)を殺してしまった土木作業員の祐一(妻夫木 聡)と、その後に出会った紳士服販売員の光代(深津絵里)の逃避行劇。車に乗せた佳乃を暗い山道に置き去りにする高級旅館の御曹司、増尾に岡田将生。増尾は薄っぺら~くキレた、卑劣な男なんだけど、岡田将生の新しいキャノンPIXUSのCM、あの異様にテンションの高い笑顔も結構キレている。今まで築いた実直な新入社員のイメージをすっかり払拭。岡田はこれからどこへ行くのか。松尾スズキが悪徳商法の嫌なおっさんを演じている。とても自然だ。笑顔を封印した金髪の妻夫木は、その暗さがちょっと魅力的。最後の笑顔は若い頃のよっちゃんみたいだったが。祐一と光代が最後に身を寄せた灯台は、長崎県の五島列島の東端にある大瀬崎灯台。眺めがすごくいい。ここ、行ってみたい。

楽しみにしていたシリーズ4作目。で、え、もう終わり? 短っ。オープニングの渋谷のシーンで中島美嘉に襲われるおっさんの顔が面白い。
Posted at 2010.10.04 in 映画・本
2010.09.13
宅八郎ヘアーで思いっきりイケメンな水嶋ヒロ、スピッツ草野な佐藤健、金髪で表情が今ひとつ分かりにくいが上半身裸の向井理、キレたパフォーマンスが板についてる桐谷健太と、ビジュアルだけでも魅力的な絶妙キャスティング。ライブシーンもすごくカッコいい。一方、BECKの躍進を阻むギタリストやビジュアル系タレント、音楽プロデューサーは確信的にキモい。帰国子女兄妹の竜介と真帆の英語のやり取りは不自然に分かりやすく、劇中劇のようだ。カンニング竹山がすごくいい人役で登場。役名は斎藤さん。「伝染るんです」と同じだ。で、竹山は別として、南光、有吉、品川、竹中直人、もたいまさこと、せこい笑いを狙ったちょっとだけ出演が多い。それだったら、サンキ・リーがやったアメリカ音楽業界のドン、レオン・サイクス役を出川哲郎にやらせて欲しい。バンド名にもなった犬のべックであるが、どうも特別可愛がられている訳ではなさそうだ。そもそも、どうして盗んだのか。
Posted at 2010.09.13 in 映画・本
2010.09.02
結婚20周年記念の夫婦旅行で遭難し、夫とともに無人島に流れ着いた43才の主婦、清子(木村多江)。その後、島に16人のフリーターが流れ着き、役立たずの夫は崖から落ちて死亡。男16人、女1人の、清子の女王様的無人島生活が始まる。清子が2番目の夫にした暴君的なカスガベは、トキも知らないバカな奴。このカスガベも何者かによって殺されてしまう。やがて6人の中国人密航者が流れ着き、フリーター達には到底及ばないサバイバル能力を発揮。一方、清子は3番目の夫、GMと暮らし始めるが…。「おまえみたいな年増の娼婦」と、清子に唯一、敵意をむき出しにする変人、ワタナベに窪塚洋介。窪塚、すっごく楽しそう。いくら豚肉をむさぼっても、木村多江はきれいでエルメスのスカーフが似合うし、フリーター達も、カスガベ以外は妙にあっさり草食系。性欲も飢餓の苦しみも危機感も悲愴感も不思議なくらい感じられない。平成って、こうなのか。もし、昭和にこの映画を作ったら、もっとドロドロ、エロエロして、死人もたくさん出たと思う。清子役には五月みどりや烏丸せつこを推したい。中国人のリーダー、ヤンは長身の金髪の男だが、この金髪がいつまでもきれいな金髪で、10年後もそのままってどういうことだ。中国人はそんな優れた染髪料まで開発したのか。そのくせ服はボロボロ。髪に気を使うなら、服もなんとかするべきだ。
Posted at 2010.09.02 in 映画・本
寺島しのぶがベルリン国際映画祭で銀熊賞最優秀女優賞を獲った話題作。あの熊のトロフィー、可愛いい。「キャタピラー」って芋虫のこと。寺島しのぶ演じるシゲ子は、戦場から帰って来た夫、久蔵の姿を見て愕然とする。四肢を失い、顔に火傷を負い、口も上手くきけない久蔵は、芋虫のようだった。勲章を貰い、新聞にも取り上げられ、村人から「生ける軍神」と称えられる久蔵であるが、食欲と性欲がものすごくて、シゲ子はうんざり。ある意味、自由を奪われた「軍神の妻」の複雑な心境の変化を、すっぴんの寺島しのぶが、いろんな表情で見せてくれる。「龍馬伝」の乙女姉やんもいいけれど、こんな、理不尽な運命に翻弄されながらも、時にコケティッシュで、時に割りきった昭和の女、シゲ子もいいな。久蔵の困った人間性は、戦場での過酷な体験が作り上げたものかと思っていたら、どうやら出兵する前から、結構嫌な奴だったみたい。戦争が終わって、シゲ子が解放されて本当に良かった。
Posted at 2010.08.26 in 映画・本
イギリスの児童文学「床下の小人たち」をベースにしたジブリ最新作。アリエッティは、古いお屋敷の床下で暮らしている小人の少女。お屋敷に忍び込んでは、必要なものを借りてくる「借りぐらし」の生活で、「借り」とはいいながら、返す意思はなさそうだ。アリエッティは父ポッドと母ホミリーとの3人暮らし。もし人間に見つかったら、引っ越さなければならないという掟があるんだけれど、ある日、病気療養のためにお屋敷にやってきた少年、翔に見つかってしまう。翔も、お屋敷の主である貞子おばさんも、実は小人に好意的なんだけど、アリエッティ一家にはそれが伝わらない。そんな中、お手伝いのハルさんが、ホミリーを見つけて捕まえてしまう。更にハルさん、「他にもいるはず」と、ネズミ駆除業者を呼ぶ始末。このハルさん、とことん悪い人ではないはずなのに、この不快感は何だろうと思っていたら、ポニョを思い出した。この妙なはしゃぎっぷりと、トラブルメイカーぶりは、ポニョやメイと同じ。おばさんでありながら、末っ子的キャラクター。そりゃ最強だ。ラスト、翔との別れのシーン。翔の指先の大きさに対して、アリエッティが小さ過ぎないか? 猫のニーヤがいい奴だった。
Posted at 2010.07.27 in 映画・本
前作から7年。青島は係長に昇進してワニっぽくなった。話は湾岸署の引っ越しに始まり、金庫破りやバスジャック、青島やすみれの拳銃盗難、その拳銃を使った殺人事件、新湾岸署占拠事件へと発展していく。スリーアミーゴスはいつも通りの平和な感じ。この3人といえば、アフラックのCM。所長が歌う「ララララ~♪」に「ニャーニャー」と、合いの手を入れる三匹の猫の可愛いこと。よく見たら「にゃらん」こと、みー太郎がいる。偉いな、賢いな、可愛いな。今回、青島との絡みが少なかった室井だけれど、がんもどき顔は健在。ラストは「へっちゃまげな」と謎の東北弁を残して去った。犯人グループの主犯格ノライヌは、テレビドラマ(1997年スタート)の第1話に登場した男の子で、また、別のドラマ「お金がない!」では、織田裕二の弟役だった。ブタの貯金箱を大切に持ってた、あの小さい男の子が、いつの間にか23才。後半はキョンキョン、キョンキョン、キョンキョンで、新しい映画を観た気がしない。警視正の一倉(小木茂光)がやたら短気だ。
Posted at 2010.07.20 in 映画・本
2010.06.16
予告編、松たか子の「ドッカーン!」は、集客力アップにかなり貢献してると思う。昨年度の本屋大賞、ベストセラー小説「告白」の映画化。物語は、終業式後の1年B組のホームルーム、ひとり娘を生徒に殺された女教師、森口(松たか子)の告白から始まる。犯人はAとB、二人の少年。森口は、少年法に守られたこの二人を、自らのやり方で処罰することを宣言。AとBの牛乳に、HIVウイルスに感染した亡き夫の血液を混入したり(本当はしなかったのかも)、後任の熱血KY教師ウェルテル(岡田将生)を利用して、家に引きこもったBを更に追い込んだり、最後はA自らが作った爆弾で母親を殺させたり、巧妙な遠隔操作で復讐を遂げる。Aを演じた西井幸人君が可愛い。卓球の愛ちゃん似。笑った顔は中川家のお兄ちゃんだ。1995年6月14日生まれ。私はどうも双子座少年に弱い。Bを溺愛する母親役に木村佳乃。で、また殺された。木村佳乃って、よく殺される。「キラー・ヴァージンロード」では「死にたい女」を演じていたもんな。
Posted at 2010.06.16 in 映画・本
西原理恵子のマンガの映画化。主演は菅野美穂。監督は「クヒオ大佐」を撮った吉田大八。舞台は高知の漁師町。町で一軒しかない美容室「パーマネント野ばら」で、パンチパーマの母まさ子(夏木マリ)と一緒に店を切り盛りする、出戻り娘のなおこ(菅野美穂)。なおこの幼なじみで、フィリピンパブを経営しているみっちゃん(小池栄子)は、旦那の浮気に頭を悩ませ、もう一人の幼なじみであるともちゃん(池脇千鶴)は、ギャンブルに溺れて行方不明になった旦那の帰りを待っている。猫のポン太の亡骸に顔をうずめて泣くともちゃん。大人しくて、貧乏くさくて、男運がないともちゃん。この、なんともいえない幸薄感、池脇千鶴は見事。子供時代のともちゃんは、更に幸薄オーラ全開。いい子役を見つけたな。なおこは高校時代の恩師であるカシマ(江口洋介)と秘かに付き合っているのだけれど、たまに辻褄が合わないことがある。で、えー、そういうことだったの。なおこが公衆電話でカシマに訴えるシーン、「なんでうちこんなにさみしいが?」にやられた。悲しい、せつない。ところで、土佐弁っていいな。私も「龍馬伝」を観て勉強しよう。
Posted at 2010.05.25 in 映画・本
主人公のプレシャスは、ハーレムに住む16歳の女の子。女の子とはいえ、小錦級に太っていて、たまにおじさんに見える。生活保護を頼りに働かない母親との二人暮らしで、この母親がとんでもない。ちょっと気に入らないことがあると、とめどなく罵声を浴びせ、フライパンで殴りかかるくらいの暴力は、もう日常茶飯事。プレシャスは父親に性的虐待を受け、二度も妊娠してしまうのだけれど、何がどうしてそういう考えになるのか、この母親は、亭主を責めるどころか、娘のプレシャスにジェラシーを感じてる。プレシャスが二人目の赤ちゃんを連れて帰って来た日には、赤ちゃんを床に投げ出し、憤りを露わに。プレシャスが赤ちゃんを連れて階下に逃げると、上からテレビをガシャーンと落とす。ひどい。ひど過ぎる。プレシャス、よく今まで生きて来られたな。悲惨な状況の中でも、希望を失わないプレシャス。フリースクールの先生や仲間達との出会いを経て、自らの未来を切り開いていく。プレシャスを担当するソーシャルワーカー役に、黒髪ノーメイクのマライア・キャリー。出産に立ち会った看護師ジョンに、レニー・クラヴィッツ。プレシャス役のガボレイ・シディベは、この作品でデビューを果たす前は、電話オペレーターをしていたという27歳のシンデレラガール。ニックネームはガビー。日本ではガボちゃんというらしい。
Posted at 2010.05.13 in 映画・本
主人公の亮は、東北の田舎町に住む高校生。お母さんは入院中で、古い借家でひとり暮らし。アルバイト先のコンビニで、レジのお金をごまかしたり、お弁当やおにぎりを盗んで、なんとか生計を立てている。しかし、とうとう悪さがバレて、バイトはクビ。更にお母さんが亡くなって、滞納してる入院費や、葬儀代を請求され、八方ふさがりに。悲惨な状況を生きる少年、亮を演じたのは、17歳の新人俳優、小林優斗。亮になり切るために、撮影中は携帯電話を取り上げられ、メロンパンやカップラーメンしか食べさせてもらえなかったらしい。この優斗君、どこか懐かしい感じがすると思ったら、「金八先生」の加藤優の面影が。「オレはオレンジなんかじゃない」直江喜一。懐かしくなって画像検索してみたら、思ってたほど似てなかった。更に大人になった直江喜一は、全くの別人。優斗君、ごめん。ちなみに直江喜一は今、建設会社の営業所長さんらしい。父との再会を果たし、またしても救いのない現実と向かい合った亮。奇跡の起こらないラスト。これから亮はどうしていくのか。坂道をふらふら上って行く姿が思い出されてならない。

「人間失格」主人公の青年、葉蔵(生田斗真)は、美しい容姿と繊細な雰囲気で、周りの異性も同性も魅了する…のだけれど、やたら年増のお相手が出てくる。三田佳子とのシーンは、もう冗談としか思えない。こういうのは、わざわざフレッシュな生田斗真を起用しなくても、ジャニーズの先輩、吾郎ちゃんでいいと思う。
Posted at 2010.04.13 in 映画・本
「大日本人」や「しんぼる」を観た後と同じ疲労感。シュールとかストイックとか、こういう世界はしばらくもういいや。最後にクスッと笑えて、多少さわやかな気持ちになれるが、それまでが長い。板尾さん演じる鈴木は、脱獄しては捕まり、また脱獄を繰り返す不可解な男。どうして脱獄するのかは後半で明らかになる。これが拍子抜けするような健気な理由。鈴木が獄中で突然歌い出す中村雅俊の「ふれあい」。この歌、「大日本人」でも使われていたよな。松ちゃんや板尾さんの世代って、この歌、好きなのか。芸人仲間でカラオケに行ったら、誰か一人は歌うのかもしれない。千原せいじに始まり、キム兄、宮迫、オール巨人、ぼんちおさむ、松之助師匠と、吉本の芸人が続々出演。そんな中、役柄も関係しているのだろうけど、國村準がとても出来た人に思えた。こんな形でファンになるとは。
Posted at 2010.01.26 in 映画・本
2009.12.03
北海道警の婦人警官が殺された。その子と前に付き合っていたという理由だけで、証拠もないのに殺人容疑をかけられ、更には射殺命令まで出されてしまう気の毒な警官、津久井に宮迫。しかし、なんで宮迫。大げさ過ぎるSATの出動シーンは、宮迫を狙っているというだけに、なんだか「リンカーン」のドッキリ企画のよう。どうせならSATのリーダー役は浜田にして欲しかった。中盤から、実はこいつが悪い奴、ついでもこいつも悪い奴、いっそこいつも悪い奴…な、どんでん返しの大安売り。最後、ジャズバー「ブラックバード」の全員集合シーンはどういう意味だったんだろ。松ケンがちょこっとだけ友情出演。松ケン、ブラックバードのマスター役の大友康平と、過去に「リターンマッチ~敗者復活戦~」というテレビドラマで共演しているが、たった5年前の作品とは思えない古くさい空気感は、大友康平の力によるところが大きい。ちなみに松ケンのライバル役は小栗旬。必見とまでは言えないが、ちょっとお宝な作品である。

おまけ
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ロームのクリスマスイルミネーションは今年もきれい。
Posted at 2009.12.03 in 映画・本
2009.11.19
ペ・ドゥナ演じる「空気人形」が、きれいでいじらしくて痛々しい。ラスト、「タイタニック」みたいなシーンでちょっと泣いた。大阪弁のさえないファミレス店員、秀雄(板尾創路)は、下町の古いアパートで、5,980円で買った型遅れのダッチワイフと密やかな生活を送っている。ダッチワイフの名前はのぞみ。食事の相手からお風呂、公園デートと、まるで人間の恋人扱い。そんなある日、のぞみが心を持ってしまう。心を持ったのぞみは、メイド服を着て街に飛び出し、レンタルビデオ店で働く純一(ARATA)に恋をする。前髪を下ろしたARATAはミスチル桜井風で、何がそんなに悲しいのか、常にテンションが低いが親切。てっきりいい人かと思いきや、「空気を抜かせて欲しい」などと、訳のわからない要求にがっかり。そして、かなり気の毒な最後。板尾さんが、はまり役というより板尾さんそのもの。まるで板尾さんがセリフを考え、セルフプロデュースしたのではないかと思えるくらい、板尾さん板尾さんしている。「のぞみぃ~」ってのも、やたら耳に残ってる。

おまけ

瑠璃光院の紅葉ピークはまだ少し先のよう。洛北蓮華寺は銀杏の絨毯
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Posted at 2009.11.19 in 映画・本
生粋の日本人なのにアメリカ人に成り済まし、女性から多額のお金を騙し取っていた実在の結婚詐欺師、クヒオ大佐(堺雅人)。父はカメハメハ大王の末裔、母はエリザベス女王の妹の夫のいとこ、自らは米空軍パイロット。入籍すれば軍から五千万円支給されるだの、ダイアナ妃のドレスを手掛けたデザイナーにドレスを発注するだの、嘘八百で女を騙す。つけ鼻に、とってつけたような片言の日本語は、まるでコント。こんなんで、よく騙せたもんだ。実際、つけ鼻の堺雅人は、時々ウッチャンに見えていた。クヒオに騙される弁当屋の女社長(松雪泰子)の、どうしようもない弟(新井浩文)が、途中からやけに魅力的になってくる。どうせならこっちに騙されたい。

おまけ

ミス・シャポーに買って来てもらったイベチャンTシャツ。「だまし絵」展の最終土曜日は入館50分待ちの大盛況だったそう。

Posted at 2009.11.02 in 映画・本
原作は芥川龍之介の「藪の中」。黒澤明監督の「羅生門」の原作でもある。名門畠山家の二男直光(小栗旬)は、地位や財産には執着がなく、幼なじみの亜古と結婚して、平和に暮らせさえすればいいという欲のない男。そんな直光が、幼少より兄弟同然に過ごしてきた桜丸と、桜丸を慰み者として可愛がる将軍足利義政との陰謀により、家を追われる羽目になる。直光と亜古が藪の中で出会ったのが、世間に名をとどろかす大盗賊の多襄丸。この多襄丸を松方弘樹が演じているのだけれど、やけにご機嫌、ノリノリだ。そんな多襄丸を斬り、その名を受け継いだ直光。後で分かることだが、多襄丸は極悪人というほどの人ではなく、単にふざけ過ぎが命とりとなったようである。やべきょうすけが出てきた辺りから、流れは「クローズZERO」に。やべきょうすけ率いる盗賊、というより愉快な仲間達の、あの「うんどこどっこい~」とかなんとかいう踊りは、黒木メイサのライブシーンみたいなもんか。
Posted at 2009.10.06 in 映画・本
親であれ、仲間であれ、掟を破ったものは徹底的に制裁を受ける忍の世界。抜忍であるカムイ(松山ケンイチ)は、常にかつての組織に追われる身。残忍な殺戮や罠といつも隣り合わせで生きてきたカムイが、心を開いた相手が漁師の半兵衛(小林薫)。この半兵衛、妙に楽観的で、妻のスガル(小雪)や子供達との生活のためなら何でもする勢いなんだけど、だからといって、漁の仕掛けを作るために、わざわざ危険を冒して藩主(佐藤浩市)の馬の脚を切り落とさなくてもいいだろ。他の馬ではどうして駄目だったのか。カムイに想いを寄せる半兵衛の娘、サヤカ(大後寿々花)がやたら可愛い。「グラン・トリノ」に出てたス―役の子もなんだけど、こういう顔の若い子に私は弱い。実は抜忍のスガル(小雪)が、カムイに対して終始怖い顔をしているのも良かった。カムイが身を寄せたがために、漁村の民は虐殺され、その他の抜忍も、カムイと対決した追忍も、たくさんの人が命を落とす。カムイが抜けたところって、どういった組織なんだろう。見せしめとはいえ、カムイ一人に対してこれじゃ、かなり効率悪くないか。
Posted at 2009.09.29 in 映画・本
イラストレーターのハル(星野真里)は猫ストーカー。朝早くから住宅街を徘徊し、猫を見つけては近づいて話しかけたり、写真を撮ったりしている。ハルがアルバイトをしている古本屋にもチビトムというキジトラ猫がいて、ある日、このチビトムがいなくなってしまう。それにしてもハルの暮らすこの町はすごい。猫がみんな太っている。しかも、ほとんどがメタボの域。この映画に出てくる猫は、チビトム役のタラオのみがタレント猫。つまり、この町の猫は、飼い猫であろうが、野良猫であろうが、とにかく食べる物には全く困っていなさそうである。江口のりこが途中からいきなり片桐はいり的な存在感とスピード感を発揮。古本屋の常連客で、ハルに想いを寄せる鈴木さんを、宮崎あおいの兄の宮崎将が演じている。彼はおそらく塩谷瞬や河相我聞(最近では山田親太朗も)と同じグループに属する人なのだろう。空気が読めなくて、ちょっと分かっていない感じの鈴木さんを好演している。ハルに猫と仲良くなれる方法を伝授される鈴木さん。猫の目線に合わせて腹這いになり、パチパチ瞬きをしながら、指を忙しく動かす鈴木さん。怖い。このカメラアングルは罪だ。私が猫なら一目散に逃げ出すよ。

「20世紀少年」、カンナのあの前髪はいかん。視力が落ちる。ケンヂの歌、カレーとかコロッケとか出てくるやつ。あんなんであんなにたくさんの人が集まるものだろうか。

「大日本人」を観てるから「しんぼる」に対してはちょっと覚悟が出来ていた。けど、やっぱり疲れた。松っちゃんの普通に撮った映画が観たい。
Posted at 2009.09.24 in 映画・本
みうらじゅんの自伝的青春小説を田口トモロヲが映画化。主人公の乾純(黒猫チェルシーの渡辺大知)は、ボブ・ディランが好きな仏教系男子高校(東山高校がモデル)の一年生。ロックな世界に憧れるものの、優し過ぎる両親(リリー・フランキーと堀ちえみ)に育てられ、反抗期を迎えることもなく、理想とは程遠い平凡な毎日に悶々としている。気弱なオーラが全身から出てる文科系男子。同世代だったら嫌だけど、堀ちえみと同世代の私は、おかん視線で見てしまうから、素直で、控え目で、高校生にしては結構大人な気遣いも出来る純に、おかん心を奪われた。決して快活でも利発でもないが、やりやすそうな「いいお子さん」である。みうらじゅんもきっとそうだったんだな。お年寄りにすっと席を譲ってそうだもん。堀ちえみのおかんはやけに可愛く、リリー・フランキーのおとんはやけに老けていた。安藤サクラと山田ゆきが、いかにもいそうなブス二人組を好演。「フリーセックスの島」=隠岐島のユースホステルの撮影は、天橋立のユースホステルで行われたらしい。ひとり一泊2,950円。二段ベッドの相部屋なんて、クラブの合宿みたいで楽しそうだ。

スネイプ先生、そりゃないよ。ダンブルドアが古田新太に見えてきた。そうなると余計にその死が惜しまれる。次回作ではもう会えないのかな。

おまけ
中国料理の「鳳舞」が、この8月31日で閉店してしまう。創業42年。料理はもちろんおいしいが、建物も素敵だった。あの焼きそばはもう食べられないのか。惜しい。
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Posted at 2009.08.20 in 映画・本
ニューヨークのワールド・トレード・センターのツインタワーで綱渡りをした、とんでもない大道芸人、フィリップ・プティとその仲間達が、その「史上、最も美しい犯罪芸術」を成し遂げるまでのドキュメンタリー。1974年8月。高さ411メートル(ちなみに京都タワーが131メートル。京都タワー3つ分よりまだ高い)、地上110階。当時、世界一の高層ビルだったツインタワーに、鋼鉄のワイヤーを渡して、命綱なしでその上を歩く。歩くだけじゃなくて、ワイヤーの上に寝てみたり、ひざまずいたりのパフォーマンスまで。しかもこれ、公のイベントじゃなくて、勝手にやっちゃってる。つまり犯罪。フィリップ達は工事関係者やビジネスマンになり済ましてツインタワーに潜入。一夜のうちにワイヤーの設置をやってのけ(警備員の目をかいくぐりながら、だ)、翌朝、見事にパフォーマンスを成功させる。フィリップはもちろんすごいが、仲間達もすごい。こんなミッション・インポッシブルな世界、私なら怖くて逃げ出すよ。音楽が心地よく眠気を誘う。ラストはなんだかやるせなく、ちょっとした喪失感に襲われる。
Posted at 2009.08.06 in 映画・本
手塚治虫の生誕80周年を記念して「禁断の傑作」と言われる「MW―ムウ―」を映画化。狂気の犯罪を重ねる美しきモンスター、結城美智雄に玉木宏。その凶行を懸命に阻止しようとする幼なじみの神父に山田孝之。原作ではこの二人はホモセクシュアルな関係にあるらしい。それにしても山田の神父はむさ苦しいな。ちょっと痩せ過ぎで、たまに加藤あいに見える玉木宏。タイで誘拐殺人に及ぶ時は、サングラスに付け髭で変装するも、嫌でも人目につく真っ白なスーツ。そんな結城を追う刑事の沢木(石橋凌)は、国外だから羽目を外していいとでも思ったか、かなり空回りなひとりカーチェイスを断行。タイの市場の人に迷惑だ。頭脳明晰で、何でもいとも簡単にやってのける結城。クライマックスでは、米軍基地に潜入し、国家機密レベルの神経ガスをすんなりゲット。米兵はいったい何をやっていたのか。そういえば、沖乃真船島でヘリから攻撃してきた米兵も、なんだかアホっぽかった。結局二人を取り逃がしてるし。そしてエンディング、こんなロックが流れるのね。
Posted at 2009.07.28 in 映画・本
2009.07.07
テレビドラマでハゲタカ鷲津(大森南朋)が好きになった。今回、鷲津は海外にいて、かつての盟友の芝野(柴田恭兵)が会いに行くんだけど、ビーチにデッキチェアに昼間からのお酒。こういうパターンって、映画でよくあるよな。日本の大手自動車メーカー、アカマ自動車を買収する、中国系巨大ファンドの赤いハゲタカ、劉一華(リュウ・イ―ファ)に玉山鉄二。謎の残留日本人孤児三世で、インテリで嫌味な感じがよく出てた。しかし後半、鷲津に「おまえは何者だ?」みたいなことを言われてから、いきなり腰砕けのバンビちゃんに。鷲津に催眠術でもかけられたのか。アカマ自動車の社長に遠藤憲一。追いつめられた感を涙目で表現。というか、この人はだいたいいつも涙目だ。劉に騙された若者が、ジャンパーのポケットにお札を詰め込むシーン。あんな詰め方では全然駄目。詰め放題の達人のおばちゃんに学ぶべきだ。松田龍平が抱いてる茶トラ猫がとても可愛い。日本ペットモデル協会所属のチャーちゃんという7歳の女の子らしい。エンディングロールはいかにもNHKっぽい。
Posted at 2009.07.07 in 映画・本
キムタクがキリストってこと? この映画のキムタクは、若くて、やけに可愛い。これが初キムタクだったら、きっとファンになってたな。海外の人にはどんな風に映ってるんだろ。イ・ビョンホンがマフィアのボス。このボス、しくじった部下を容赦なく殴り殺したり(それ専用の薄っぺらい寝袋みたいなのがある)、ホームレスの犬を無意味に殺したりする冷酷非道な男なんだけど、そういう時、いつもうっすらと涙目。そんな目になるんだったら、酷いことしなきゃいいのに。涙目ボスが溺愛する女性、リリを演じているのは、トラン・ヌー・イエン・ケー(実生活ではこの映画の監督の奥さん)。表情の出し方が微妙で、キムタクを心配して取り乱した時も、イ・ビョンホンの背中で泣いている時も、見ようによっては笑っているように見え、それはそれで面白かった。殺人鬼を殺した過去を持つ、元刑事役にジョシュ・ハートネット。その友人役に「インファナル・アフェア」シリーズで、トニー・レオンの若い頃を演じたショーン・ユー。「香港の波岡一喜」みたいなのがチョイ役で出てくる。
Posted at 2009.06.25 in 映画・本
江口洋介の五右衛門はじめ、大沢たかおの才蔵(若き日の才蔵は佐藤健だ)、中村橋之助の織田信長など、ルックス良しで魅力的な男のオンパレード。要潤のロン毛の石田三成は「パタリロ」のバンコランのようであり、ナンバー1ホストのようであり、これもまた素敵。寺島進の服部半蔵も良かった。広末涼子は宇宙人みたいできれいだったし、佐田真由美の横顔演技もいつも通り決まってた。それにしてもゴリは気の毒。壮大なスケールの映像美と分かりやすいストーリー。遊園地のアトラクションのような楽しい映画だ。これを観て、にわか信長ファンになり、本能寺へ。あいにく本堂は工事中。宝物舘にある「三足の蛙」の香炉が可愛い。

ウルトラでミラクルなラブストーリーだから、これでいいのか。「そりゃそうだ」。津軽弁って外国語みたいだな。松ケンいいな。「カムイ外伝」も必ず観るからね。
Posted at 2009.06.11 in 映画・本
クリント・イーストウッドが監督・主演。主人公のウォルトは息子夫婦にも孫にも敬遠されてる偏屈じいさん。奥さんに先立たれた後は、愛犬デイジーと暮らしてる。隣はアジア系移民のモン族の一家。ウォルトはこの一家が気にくわない。モン族のへなちょこ少年タオは、いとこのチンピラグループに執拗に迫られ、ウォルトの宝物であるグラン・トリノを盗みに入る。グラン・トリノはウォルトが自動車工時代に手掛けた自慢の一台で、新車同様にピカピカ。チンピラグループのみならず、いけ好かない孫娘も「おじいちゃんが死んだ後は…」と狙っている(明らかに嫌われてるのに、期待してるところが驚きだ)。で、いろいろあって、ウォルトとタオの間に友情が芽生え、ウォルトはタオを守るためにチンピラグループと対立。このチンピラ達がよく分からない。いとこなのにタオ一家を襲撃。更にタオのお姉さんのスーを強姦。そこまでするか。で、そんなチンピラの中の一人が、胸元に「家庭」ってタトゥーを入れてたりする。漢字のニュアンスが微妙に間違ってないか。ウォルトに「童貞」呼ばわりされながらも、根気強く懺悔を勧める若い神父がいいボケ具合。初対面で親しげに「ウォルト」と呼びかけるも、馴れ馴れしいと怒られる。その後も何度となく「ウォルト」と呼び続け、ようやくウォルトが心を開いたところで「コワルスキーさん」と改まる。おちょくっているのか。とにかく、ウォルトの骨太ぶりがカッコいい。年季が入った毒舌は軽妙で痛快だ。
Posted at 2009.05.26 in 映画・本
小栗旬はいいなぁ。足が長いなぁ。髪の毛バサバサでも、くくっても、何しても似合うもんな。今回、髪色が変わったリンダマンは、70年代風の赤毛のデカいおばちゃん。髪といえば高岡の金髪スタイルは、がっちりセットされ過ぎていて、まるでズラ。暴れて、汗かいて、やっといい感じになった。桐谷が頭に巻いていた、あの黒い紐は何だろう。途中でキャラが変わるのは「『ROOKIES』の桐谷もよろしく!」ってことか。例えが古いが、男オリーブ少女(「オリーブ少年」でいいのか)みたいな子もいた。黒木メイサの「なんだかひと昔前風」な影響力は健在。この子がステージで歌えば、ライブハウスの空気もぐっとひと昔前風に。高橋ジョージや三船美佳が来店しても知らないぞ。やべきょうすけ、病室での涙ながらの説得シーンは、ガッツ石松の顔真似を見ているようだった。売れっ子波岡一喜はやっぱりこんな役。

「鴨川ホルモー」を観て以来、濱田岳が気になる。予想外だ。ファンからは「ガックン」と呼ばれているらしい。あ、そのままか。火野正平の息子疑惑もあるという。スキャンダラスな男である(火野正平が)。
Posted at 2009.05.12 in 映画・本
若きイケメン君主の孫権は、今回もいいとこなし。その代わり、妹の尚香が型破りな行動に出る。男になりきり、敵の曹操軍に入り込んでのスパイ活動。そこで孫叔材っていうひとりの青年兵士と出会い、友情を育むんだけど、この子がびっくりするくらい純朴なお人よし。尚香(孫に対して「デブ助」と名乗る)が伝書鳩を飛ばしたシーンに出くわしても、「鳥を逃がしてたんだ」と言われて鵜呑みにし、「やさしいんだなぁ」…って。そして、戦場での最後の言葉が「デブ助、また肩車してやる」。いったいいくつぐらいの年齢設定なんだろ。なのに曹操は、この子を蹴鞠が上手いという理由だけで千人隊長に抜擢。千人の身にもなってみろ。曹操、追い詰められた時の顔が、さまぁ~ず三村。トニー・レオンの周瑜、冬至のだんごを一気食いするところが、バラエティ番組の罰ゲームのようだった(中村獅堂はスプーンで食べていた)。関羽の活躍がもっと観たかった。張飛、生きてたんだね。
Posted at 2009.04.21 in 映画・本
ヴァンパイアと人間の少女との禁断のラブストーリー。美男子ヴァンパイア、エドワード・カレンに「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」で、ハリーのライバルを演じてたロバート・パティンソン。この子が今、すっごい人気らしい。エドワードと恋に堕ちる少女べラは、ちょっとシガニー・ウィーバー風。ヴァンパイアを惹きつける特別な香りを漂わせている。吸血鬼映画というよりも、現代の乙女目線のファンタジー映画。コウモリも十字架もニンニクもなし。森の奥のお洒落な家で暮らしているカレン家は、浮世離れしたセレブな雰囲気。年長のドクター・カレンの顔の白塗りが若干浮いて見えるのはご愛嬌。エドワードがべラに自分の本当の姿を見せようと、太陽の光に身をさらした時なんて、肌がダイアモンドみたいにキラキラ光る。普通、獣に変身したり、肌がただれたり…そっちだろ。カレン家と敵対する流浪のヴァンパイアが3人。その中のヴィクトリアって女ヴァンパイアが、バーン!とした存在感でカッコいい。一方、転校生のべラを好きになる、おちょけのクラスメートが濱田岳似。こういうポジションは日米共通なんだ。
Posted at 2009.04.14 in 映画・本
2009.03.24
映画館は中高生でほぼ満席。宮川大輔の「ディズニーランドにもスーツ」(丸首Tシャツにジャケット、腕まくり)な時代を懐かしく思い、カリスマ不良(には見えなかったけど)の彼女にしては、えらく地味な本仮屋ユイカから「はぐれ刑事純情派」の小川範子を連想し、藤田まことのことを考えていたのは、たぶん私だけだろう。水嶋ヒロの魅力はよく分からなかったが、上地雄輔が男前だった。白いタオルが眩しい。鳶職の嫁になりたいと思った。しかし、とってつけたような、あの展開はないだろう。ルパン役の芸人、ピースの綾部がちょっと可愛かった。河本がまた太ってた。
Posted at 2009.03.24 in 映画・本
ハワイの田舎町、ホノカアの映画館で働くウエンツ似の青年レオ(岡田将生)と、町の人々との出会いと別れの物語。風を映し出したきれいな映像に、レオの草食男子ぶりと、喜味こいしのさっぱりとした枯れぶり。南国というより、どこか涼しい町の映画みたい。レオが好きになった女の子、マライアの彼氏が、唯一、汗臭さの感じられる人物。しかし、ほんとのチョイ役で、横顔の印象しかなく、それすら薄い。レオに毎晩ご飯を作ってくれるイタズラ好きのおばさん、ビーに倍賞千恵子。割り箸鉄砲や、うんこの落書きなど、可愛らしいイタズラから、ピーナッツアレルギーのマライアにピーナッツ入りの料理を食べさせるという本気のイタズラ(イタズラじゃないか)まで、淡々とやってのける。マライア、きれいな子なのに、たまにテンションがコギャルでがっかり。ビーもこれにイラッときたのではないか。ビーの死に方というか、いなくなり方は、せつなく、ファンタジック過ぎる。後に残った黒猫が心配である。

えらく可愛い深キョンのドロンジョ。声が通っていなくても、それはそれで可愛いということか。深キョンもいいけど、当初のオファー通り、アンジェリーナ・ジョリーのドロンジョも見てみたいし、日本人なら松雪さんなんて、いかにもプロな仕事しそうでいいんじゃないか。生瀬勝久のボヤッキーは完成度が高い。阿部サダヲが考古学者役で登場。後半、いかにも「阿部サダ劇場」な見せ場あり。
Posted at 2009.03.19 in 映画・本
レコード会社の契約社員かんな(宮崎あおい)が、ネットで見つけたイケメンパンクバンド「少年メリケンサック」。そのぶっとんだライブ映像に、社長も好感触。ぜひ契約をと交渉に向かったものの、実はそのライブ映像、25年も前のもの。しかし、ネット上でバンドの人気が爆発。後に引けないかんなは、元パンクのおっさん4人とライブツアーを決行することに。
宮崎あおいがキム兄にうんこを投げつけられる。うんこと言えば、中年ボーカルのジミーを演じた田口トモロヲは、ライブでの脱糞パフォーマンスでも知られる人だ。脱糞パフォーマンスといえば「デトロイト・メタル・シティ」のデズム。DMCは最近7巻が出たところ。相変わらずクラウザーさんは面白い。ユースケ・サンタマリアがユースケ・サンタマリアのテンションのまま、レコード会社の社長を演じてる。「ギラギラ」でホストの秀吉やってた佐藤智仁が佐藤浩市の息子役。懐かしい烏丸せつこも出てきた。田辺誠一のガクトのパロディも良く出来ていたが、ピエール瀧がデ・ニーロに似ていると思ったのは私だけだろうか。
Posted at 2009.02.24 in 映画・本
最近、花粉対策のマスクをつけているが、結構、息苦しい。だから、この「ともだち」やってる人は、かなり息苦しいに違いない。トヨエツのオッチョがやたら強くてカッコいい。それに引きかえ、藤木直人って何なんだろう。イケメンと認知されているのに、どこかトホホな感じ。このトホホ感、ちょっとネタが古いが、定岡に通じるものがある。定岡がとんねるずにいじられて、バラエティの道が開けたように、誰か、藤木を上手くいじってやってはくれないだろうか。
「銭ゲバ」の茜がものすごく弾けてる。あっちではマツケンに耳をふさがれ「顔を見るのも嫌ズラ」とか「大嫌いズラ」とか、さんざんひどいことを言われている。その反動か。神父役の六平直政の登場時の顔が怖い。後半は力が抜けたのか、普通の顔に戻ってた。この映画を観てから、パソコン画面上の指さしマークがどうも「ともだち」マークに見えてしまう。第3章はこの秋公開予定。早く観たい。
Posted at 2009.02.17 in 映画・本
「大好きだから、さようなら」ってコピーだけで、もう胸がきゅんとなる。野生のきつねと少女の、出会いと別れの物語。舞台はアルプス。四季折々の風景がとにかくきれいで、スケールがでかい。春の高原なんて、まんまハイジの世界だし、少女が普通に登ってる山が、冗談みたいに高い。このリラって少女が可愛い。赤毛でそばかす、紫色の服がよく似合ってる。リラと友達になったのが、きつねのテトゥ(「おちびちゃん」て意味)で、目の表情がたまらない。この映画、きつねをはじめ、野生動物がたくさん出てくる。テトゥがオオヤマネコに追われるシーンや、巣穴の中とか、どうやって撮影したんだろ。最初は警戒していたテトゥが、だんだんリラと仲良しになっていく。一緒に遊んだり、そばで眠ったり。そして、悲しい事件。で、手当てはしなくていいの? え、生きてたの? ホッとしたものの、ラストはせつなくほろ苦い。
Posted at 2009.01.22 in 映画・本
「真木栗(まきぐり)」っていうのは主人公の名字。真木栗(西島秀俊)は、古いアパートに住んでる売れない小説家。仕事がない上に泥棒に入られ、踏んだり蹴ったりのところに舞い込んだ官能小説の依頼。書けずに悩む真木栗は、部屋の壁に穴を見つける。
ある日、隣の部屋に若い女が引っ越してきた。真木栗は、女の部屋を覗いては、イマジネーションを膨らませ、ペンを走らせた。真木栗の小説は大好評。しかし、やがて妄想が現実となり…。
昭和の匂いのする映画だけれど、現代の話。「IT」なんて言葉が出てきたし。そして途中からホラー。置き薬の営業マン、細見君を演じていたのは「パッチギ!」のチェドキであり、「ROOKIES」の今岡でもあった尾上寛之。もっと早く気づけば良かった。
「ポニョ」では別に食べたくならなかったチキンラーメンが、この映画ではちょっと食べたくなった。しかしチキンラーメンどんぶりではなく、袋めんが好みだ。エースコックのワンタンメンなら、なおさらそう。この二大ロングセラー商品は、袋めんが断然おいしいと思う。
Posted at 2009.01.13 in 映画・本
「夢をかなえるゾウ」が面白い。深夜にひとり声を殺して笑っている。私もガネーシャと暮らしてみたい。そのガネーシャこと古田新太の映画初主演作品。「ゾウ」の網田もちょっと出てる。古田新太演じる小森課長はパッとしない中年男。家では子供にバカにされ、会社では部下になめられ、さえない日々を送っている。勤務中に携帯いじってばっかりのおバカな新入社員に忍成修吾。この子が笑うと「ヒョヒョヒョ」と聞こえるのは私の心の副音声だけか。で、小森課長。通勤電車で、自意識過剰で身の程知らずの女に、ちかんの濡れ衣を着せられる。実はこの女、こういうことの常習犯。頭にきた小森課長はその女をホームに突き落とす。それから小森課長の中で何かが目覚めた。拳銃を手に入れ、「タクシードライバー」のデ・ニーロ気取りで、世の中の悪に対峙していく。古田新太の顔演技が満載。妻役に有森也実。このヌメヌメ感はなかなかのものだ。
Posted at 2008.12.26 in 映画・本
ハンサムスーツはミシュランマンみたいな着ぐるみだった。ブサイクな塚地がこのスーツを着てハンサムな谷原章介になる(同様に温水は中条きよしに)。谷原章介がアホで可愛らしくてちょっと好きになった。これが映画初主演だとか。そして佐田真由美がきれい。塚地と森三中の大島美幸。この二人は双子のようだ。「カッコいいけど車椅子」役の池内博之。私はいまだ「ロマンス」や「人間の証明」(ジョニー・ヘイワード役)の印象が強く、彼がカッコいいという設定にはいまいちのれない。その彼女役の本上まなみのロックなファッション。あれには何か意味があったのか。渡辺美里の「マイレボリューション」がやたら流れる。エンディングロールでは塚地が気持ち良さそうに歌っていて、それが妙に憎たらしい。

おまけ
青蓮院門跡のライトアップ。夜の暗い庭に無数の青い光が浮かび上がる。まるで夜光虫が海の底でチラチラ光っているようだ(見たことないけど)。
Posted at 2008.11.20 in 映画・本
「傷だらけの男たち」のトニー・レオンと金城武が主演。三国志をもとにした話で、昔NHKでやってた「人形劇 三国志」を思い出した。紳助竜介がナビゲーターで、細野晴臣の作ったエンディングテーマが好きだった。テレビにラジカセをくっつけて録音した覚えがある。各国でオープニング記録を出した大作なのに、いきなり拍子抜けする日本語の説明。でもこのおかげで分かりやすかった。
劉備軍の3人の武将がメチャクチャ強い。ガチンコ竹原似(中井貴一にも似ている)の趙雲は、赤ちゃんをおんぶしたまま戦を切り抜けるし、ヒゲ面で熊みたいな張飛(眉毛も素晴らしい!)は、大声もひとつの武器。体当たりで敵を倒す。そして関羽。この人が一番カッコいい。並はずれた度胸と忠誠心。とにかく嘘のように強い。トニー・レオン扮する周瑜が仕える孫権はなかなかの美青年。しかし、ピエール瀧に似ていると気づいた途端、もうピエールにしか見えなくなってしまった。
壮大なスケールの映像の連続で、あっという間に終わってしまう。続きは来年4月。早く観たい。
Posted at 2008.11.06 in 映画・本
劇団ひとりで始まり、劇団ひとりで終わるが、最近「篤姫」効果でうちの母もお気に入りな松田翔太が主演。翔太の仕事は「逝紙(イキガミ)」の配達。「国家繁栄維持法」により発行される逝紙を受け取った若者は、24時間以内に死んでしまう。国民に限られた命の大切さを知らしめることが国家繁栄につながるという政府のもくろみ。それに疑問を抱く翔太。翔太はルックスが小ぎれいにまとまっているからか、人間臭さが滲み出ない(唇を梅干みたいにすぼめてはいたが)。この役、中井貴一なんかがやればいいと思う。逝紙を受け取った3人の青年のドラマ、ちょっと泣かせようとし過ぎだ。成海璃子の桜のシーンは、そのままdocomoの春の宣伝に使えそう。笹野のおじいも結局悪い人ではなかったが、あの「待つ」というのは、本当に「待つだけ」だったんだ。もうひとつドラマがあるのかと思ったのに。で、最後はしり切れトンボに終わる。「世にも奇妙な物語」じゃないんだから、普通、もうちょっと何かあるだろう。

「容疑者Xの献身」って、なんとなく80年代っぽいタイトルだな。堤真一が「演技しました」って映画。ダンカンがいい人だった。
Posted at 2008.10.23 in 映画・本
構想26年、撮影4年。蝶の形のサンゴ礁に浮かぶ島、海を泳ぐ像、青とオレンジと白のコントラストが眩しい砂漠、突然原住民が出現する緑の森など、インパクトのある映像が次から次へと出てくる。世界遺産ショットも多数アリ。
少女アレクサンドリアは左腕を骨折し、ロサンゼルスの病院に入院している。ある日、撮影中に橋から転落したスタントマン、ロイと知り合い、仲良しに。ロイが即興で作ったおとぎ話に夢中になるアレクサンドリア。それをいいことに、ロイはアレクサンドリアを利用して、自殺のためのモルヒネを手に入れようとする。
ロイの作り話には、総督オウディアスに復讐を誓う6人の勇者が出てくるのだが、北京オリンピックの石岡瑛子が手掛けた衣装がそれぞれカッコいい。私はトリコロールの毛皮を着ていた英国の博物学者、チャールズ・ダーウィンと、その相棒の猿のウォレスが好きだ。ウォレスが撃たれて死んでいくシーンはたまらなかった。そして不思議な力を持つ森の霊者。登場シーンも面白かったし、その強さにも驚いた。しかし何ゆえカツラだったのか。
Posted at 2008.10.14 in 映画・本
思春期の女の子が女の子に恋するフランス映画。15才のマリーは、親友のアンヌ(天地真理風)が出場するシンクロの発表会で、花形選手のフロリアーヌにひと目ぼれ。「何でも言うことを聞く」という条件で練習の見学を許される。フロリアーヌは周囲から「男性経験が豊富」と中傷されるような、きれいで色気のある女の子。マリーはフロリアーヌと一緒にいるうちに、フロリアーヌのナイーブな一面にも触れることになる。面白いのはアンヌ。「セックスは早いけど初キスは済ませたいの」と、男目線を意識した、あれこれ的外れな行動に出る。やたら胸元が開いた服、パーティーでの一人ダンスは失笑ものだし、何のおまじないか、お目当ての男の子、フランソワの家の庭にブラジャーを埋めていた。更に半裸の男の子がいっぱいの男子更衣室にずんずん入って行って、プレゼント(口に入れて万引きしたネックレス)を渡したり。そんなアンヌがフロリアーヌよりも先に初体験を済ませることに(ブラジャーのおまじないが効いたわけではないと思うが)。3人の多感な少女に比べて、性欲で突っ走るフランソワはかなりの薄っぺら野郎。海パンマスクがお似合いだ。
Posted at 2008.10.07 in 映画・本
2008.09.19
大手企業の鬼の人事部長、鬼塚(大杉漣)。新入社員研修では、若い女の子たち相手に「新卒じゃない=『バツイチ』」だと言い切るし、家庭でも妻やひとり娘にいまいちやさしくない。この堅物さがカッコ良くもあるが。そんな鬼塚が、公園の片隅に捨てられた子猫と出会い次第に変わっていく。鬼塚に拾われた子猫、トラはたれ耳のスコティッシュフォールド。コロコロしてて可愛い。トラはこの映画の撮影後、本当に大杉家の子になったそうだ。猫といえばもたいまさこ。やっぱり不思議で不気味な存在感。ネットショッピングでヒマラヤンの子猫を希望した鬼塚を騙し、デカい雑種猫を押し付ける(しかも高齢)。鬼塚に「ヒラマヤン」と適当に名付けられたこの猫、その後どうなったのだろう。
Posted at 2008.09.19 in 映画・本
いきなりマーティ・フリードマン。DMCにも出てたな。主役の麻子さん(キョンキョン)似の髪型で抜擢されたのか。麻子さんが淡い思いを寄せる青年役の加瀬亮。公園での初登場シーン、不自然にでかい声が印象的だ。しかし細いな。アシスタント役の上野樹里がやっぱり元気。手術前の麻子さんを励ますために、恋敵の女子高生まで巻き込んでチアガール隊を結成。麻子さん、グーグーを公園に連れて行くのはいいけれど、リードはつけないのか。のん気に草の上に寝転んで、空見上げたりしてるけど、どっか行くよ、猫は。案の定、グーグーがいなくなって、みんなで猫捜し。迷惑な人だ。スポンサーの「ニャンとも清潔トイレ」が全然さり気なくなく出てたな。私はアメショーより茶トラがいいや。次は「ネコナデ」。
Posted at 2008.09.16 in 映画・本
楽しみにしていたDMC。公開まで本当に長かった。ローソンでナビゲートDVD(テレビでやった特番とほとんど同じ内容だったけど)付き前売り券を予約し、タワーレコードでうちわを貰い、ビームスのTシャツを買おうとした(これはやめたけど)。オープニングのほのぼのシーンからちょっと嫌な予感。映画だからって何も「いい話」にしなくていいのに。宮崎美子演じる母や、加藤ローサ演じる相川さんの「いい人ぶり」がDMCの毒を薄めている。松ケンのクラウザーさん、カッコいい。「メタルっていいな」って思ってしまう。松雪さんの女社長はやっぱりぴったりだったし、鈴木一真もちゃんと嫌な感じに仕上がっていた。残念なのはジャギとカミュのシーンが少ないこと。ジャギのラルク聴きたかったし、コンパのエピソードも入れて欲しかったな。デズムやクラウザーⅠ世の実写版も見てみたいし、ぜひ続編作って欲しい。
Posted at 2008.09.02 in 映画・本
日曜の夜、観客3人。映画館を贅沢に使えて嬉しいが、みんな「俺たちフィギュアスケーター」を観てないんだろうか。おバカで泣ける傑作コメディ「俺たちフィギュアスケーター」の大ヒット(…してなかったんだろうか)に続く「俺たち」シリーズの最新作。主演のウィル・フェレルは今回、バスケで大暴れ。一発屋ミュージシャンのジャッキー・ムーン(ウィル・フェレル)は、その印税でABAの弱小チーム、フリント・トロピックスを買収。選手兼監督兼宣伝マンを務め、試合よりお笑いで楽しくやってるんだけど、ABAがNBAに吸収されることになり、リーグ解散、チーム消滅の危機に。でも、上位4チームはNBA入り出来る。弱小チームを率いるジャッキーは、あの手この手で4位入りを目指す。相手選手を惑わす目力アップのアイライン、集客のため熊と対決…。バカバカしくて楽しいシーンがいっぱい。一方、選手兼コーチでチームを勝利に導いてくれる元NBA選手(実は補欠だった)モニックスに「ナチュラル・ボーン・キラーズ」「マネートレイン」のウディ・ハレルソン。この人の顔って迫力あるよな。目力ならぬ顔力。アイラインも必要なし。唯一、他チームから引き抜きのかかる実力選手、クラレンスが後半カッコいい。この人がチームに戻ってきた辺りから、感動(…って程でもないけど)のクライマックスへ。「俺たち」シリーズ万歳!
Posted at 2008.08.19 in 映画・本
ポニョが人間になるなんて知らなかった。「となりのトトロ」のメイとか「火垂るの墓」の節子とか、末っ子的なキャラクターにイラッとする私。ポニョがまさかのそれだったとは。崖の上の家で暮らす5才の男の子、宗介。お父さんは船長さんで、家を留守にすることが多い。お母さんは介護施設で忙しく働いている。宗介は両親思いのやさしい男の子なんだけど、親を「耕一」や「リサ」などと呼び捨てにするのはいかがなものか。呼ばせる親も親である(でも「クレヨンしんちゃん」は好きだ)。ポニョのわがままのせいで海が荒れ、宗介の住んでいる町は海に沈んでしまう。でも、この町の人がみんなのん気。救助船に乗っている人達は、どこかお祭り気分だし、ボートに乗った赤ちゃん連れの若夫婦など、デートしているみたいで悲壮感がない。で、話がいまひとつ分からないままエンディングへ。5才の宗介は自分が約束したことの意味をちゃんと理解しているのか。これから先ずっとポニョでいいのか。
Posted at 2008.07.29 in 映画・本
30年前に松田優作のために書かれた脚本を、藤原竜也主演で撮ったハードボイルド作品。藤原竜也がハードボイルド。変なパーマをかけても、口ひげを伸ばしても、いい子ちゃんはいい子ちゃん。可愛い藤原竜也はどこをいじっても、全然、汚れた感じがしない。そして、極めつけのでっかいサングラス。似合っているのか、似合っていないのかさえ、分からない。藤原竜也演じるのは、グループ詐欺で生計を立てているゴーロ(伍郎)。その過去は謎に包まれている。カメレオンのようにいくつもの表情を持つ…らしいが、ぜんぶ可愛い顔だった。最後、敵役の豊原功補(コウスケってこんな漢字だったんだ)に向かってひょっとこみたいな顔をしたが、あれも可愛かった。塩谷瞬がお得意のダメダメ君役で登場。これが奴の素の姿なのではないかと思えるくらい、ダメぶりが板についている。ゴーロと詐欺仲間たちは、ある日、ホテルの地下駐車場で、政治家と癒着する裏組織RCAによる拉致現場を見てしまう。以来、RCAに追われる身となり、仲間が次々に殺されてしまう。そして、恋人の水川あさみが撃たれたとき、ゴーロは復讐の鬼となった。それからのゴーロはメチャクチャ強い。敵陣に入り、あっという間に仲間の仇を討つ。ゴーロの強さもたいしたものだが、それよりも、特筆すべきは水川あさみの生命力である。確か、海辺で何発も撃たれていたはず。で、ずずーっと引き摺られていって、RCAに収容されて、焼却する予定で放置されてたんだよな。しかも、愛するゴーロがやってくるまで数日経っているはず。なんで生きてんの?
Posted at 2008.07.22 in 映画・本
この映画でも市原隼人は叫ぶ。「ROOKIES」仕込みの「うるせぇーっ!」が出た時は、「そんなの関係ねぇ!」(前フリに小島よしおが出演)よりも嬉しかった。市原はおバカな兄と優秀な弟という双子を演じ分けているのだけれど、次第に弟もおバカになっていくので、二人のキャラの差があまり感じられなくなった。
主役はおバカな兄の方。弟の代わりに参加した物理学のゼミで、天才少女のサラカと宇宙の創造の研究に関わることになる。サラカは人工授精で生まれた孤独な女の子なんだけど、だからといって何故自分のことを「僕」というのか。あの話し方はおかしいぞ。サラカ役に「映画が盗まれている」海賊版撲滅キャンペーンの谷村美月。あの黒い涙にはうんざりしてたけど、こうして見るときれいな子だな。サラカの母親役に若村麻由美。道を外した役が見事に似合う。
サラカは次第に暴走。自身の研究によって開発された超巨大加速器「むげん」をジャックして、本当に宇宙を創り出そうとするんだけど、そうすると、今、存在している宇宙が壊れてしまう。そこでおバカな兄の出番。「むげん」はものすごく大がかりな建物で、谷村美月が出てた「魍魎の匣」がオーバーラップする。そこに乗り込む兄。何故だかギターを背負っていて、極限状態のサラカの前でギターをかき鳴らし、歌う(サラカに何が伝わったのだろうか)。更に飛び降り自殺をしようとするサラカに寿司(タッパーに入れて持ってきた!)を食べさせる。ムチャクチャだ。が、とにかくハッピーエンドだったし、市原隼人の叫びもたくさん聞けたという点で、私は大いに満足だ。
Posted at 2008.07.01 in 映画・本
主人公は「第一章 ライオンと魔女」から引き続き、ペベンシー家の4人兄弟。そして、サブタイトルにもなっているカスピアン王子。前作で魔女との戦いに勝ち、ナルニアの4人の王となった兄弟だけれど、今は現実世界のイギリスに戻り、普通の生活を送っている。一方、4人不在のナルニアには1300年もの歳月が流れ、今は戦闘民族であるテルマール人の支配下にある。テルマールの王位継承者であるカスピアン王子は、王位を狙う叔父ミラースの手下に暗殺されかけるが、なんとか森へ逃れる。カスピアン王子は魔法の角笛を吹いて伝説の4人の王を呼び寄せ、テルマールに戦いを挑む。で、カスピアン王子役のベン・バーンズなんだけど、加藤雅也というか草刈正雄というか、古いタイプの男前。4人兄弟よりはるかにルックスがいいのに、この映画では全く魅力的じゃない。長女スージーのことがちょっと気になってて、長男ピーターがミラースと対決している間、こっそり抜け出して助けに行くところなんか、いかにもアホ王子。背の高さや体格の良さも、彼の「役立たず感」を目立たせるだけ。今回、4人兄弟はそれぞれに大活躍。前作で魔女にお菓子で釣られ、兄弟を売ろうとした、とんでもない次男も今回はがんばっている。それなのに、カスピアン王子…。ま、カスピアン王子はさておき、今回もライオンのアスランがカッコいい。吠えるだけで長年眠っていたナルニアの民を目覚めさせるし、洪水も起こす。勇ましい顔あり、憂い顔あり。その表情の豊かさといったら、スクリーンから目がはなせない。アスランをはじめ、ナルニアではライオンとかトラとか、ネコ科の動物がカッコよく描かれている。だから剣の名手のネズミ、リーピチープ(小さいくせに見せ場が多い)も、どうせならネコにして欲しかった。私の中では最高位にかわいい猫種である茶トラ猫が、あんな笑いのワンシーンにのみ使われるなんてあんまりだ。ナルニアは魔法の国であるから、一言で「ナルニアの民」といっても、ミノタウルス(涙の大活躍)や小人、フォーン、セントール(上半身が人間で下半身が馬)、花の精などバラエティ豊か。後半は「木」が予想を超えた大活躍。あんなに強いとは驚き。というか、強すぎるんじゃないか。
Posted at 2008.06.04 in 映画・本
第10回みうらじゅん賞受賞作。フィギュアスケートの世界チャンピオンの座を争うチャズとジミーは犬猿の仲。チャズは挑発的で暑っ苦しい氷上のロックスター。お腹も胸毛もご立派な、お酒大好き、本気のセックス依存症。一方、氷の神童ジミーはちょいアホ顔のブロンド青年。神経質で恋に奥手。孔雀の衣装(右手が孔雀の頭になってる)を着て氷上を舞う恥ずかしい奴だ。そんな二人が世界選手権で同点1位に。表彰台の上で喧嘩して、スケート界から追放される。しかし、ある日ジミーのストーカー(気持ち悪いけどいい奴)から思いもよらない情報が。二人が出場できないのは男子シングルスのみ。ペアでなら出場できるのだ。史上初の男子ペアで世界選手権を目指す二人。予選は勢いで通れたものの、大会を制覇するにはズバ抜けた新技が必要。そこでコーチが提案したのが、失敗したら頭部が吹っ飛ぶ恐怖の技、アイアン・ロータス。そして二人は…。後半、ちょっと泣きかけた。不覚。
Posted at 2008.03.13 in 映画・本
主人公の少年ジェスは、足が速くて絵が上手いんだけど内向的な性格で、学校で毎日のようにいじめに遭ってる。隣の家に引っ越してきたレスリー(「チャーリーとチョコレート工場」でブルーベリーになったブロンドの子)は、両親が作家の裕福な家の子で、可愛いし、垢抜けてるし、走るのも速いし、文才もあるけど、風変わりだから馴染めない。そんな二人が心を通わせて「テラビシア」という空想の王国を創り上げていく。ジェスはあまり理解のない両親と5人兄弟の貧乏暮らし。学年レースで一番をとるために、テープで補強したボロボロのスニーカーでトレーニングしてる。にも拘らず、母親は「みっともない」とそのスニーカーを捨て、姉のおさがりのピンクのラインの入ったスニーカーを履いて行けと言う(これだってみっともない)。父親は父親で、幼い妹には甘い(それがなんだか気持ち悪い)が、ジェスにはてんで無関心。誕生日には欲しくもないレールカーを買ってきたり(しかも不良品。スニーカーを買ってやれよ)、何かといえば「働け」と言う。そりゃ、ジェスも心を閉ざすよ。学校にはいじわるな上級生がいて、そのボス的な女の子が飛び抜けてデカい。トイレの前に陣取って使用料を徴収。スクールバスでジェスにパンを投げつけたり、わざとこけて「足を引っかけられた」と濡れ衣を着せたりと、なかなかのいじわるぶり。レスリーも最初は目をつけられていたけど、さすがレスリー。ある日、トイレで大泣き(動物のようだ)しているデカい子を心配し、話を聞いて心の痛みを分かってやる。デカい子は改心。現実世界では、ジェスをいじめた男の子の鼻っぱしを殴って仕返ししてくれるし、テラビシアでは巨人となって登場(これは笑う)。ジェスはレスリーと過ごすうち、だんだん心を開いていくんだけど、ある日、レスリーが死んでしまう。最後、ジェスは妹をテラビシアの新しいお姫様として迎えてやるんだけど、この妹、小生意気な上に、たまに見せる表情がデカい子に酷似。あんなに素敵なレスリーの代わりが巨人とこの妹なんて、せっかく心を開いたジェスが可愛そうだ。

土曜日にLこと松ケンがMOVIXで舞台挨拶する。もう一度観るか、どうしようか。飛行機内でウイルスが猛威を振るう終盤。高嶋政伸、生きてたのか。工藤夕貴も目から血、流してたよな。抗ウイルス剤を打っただけで、すぐに普通に歩けるんだったら、壮絶な死に方(くどいくらい苦しんでた)をした鶴見辰吾が気の毒だ。細川茂樹、声だけの出演。彼はどうも東幹久ロードを歩んでる気がしてならない。心配だ。そしてもっと心配なのがナンチャンだ。
Posted at 2008.02.21 in 映画・本
デンゼル・ワシントン演じる影の麻薬王フランク・ルーカスも、ラッセル・クロウ演じる麻薬特別捜査班の刑事リッチー・ロバーツも、実在の人物らしい。1968年のニューヨーク。ハーレムを仕切っていた黒人ギャングのボス、バンピーが心臓発作で死亡。彼の運転手をしていたフランクは、これまで学んだ教訓をもとに、バンピーでさえ成し得なかった大規模な麻薬ビジネスを確立、巨額の富を手にしていく。混ぜ物を加えた麻薬が普通に取引される中、フランクが扱うのは純度100%の麻薬。自らタイのジャングルに出向いて将軍(サントリーの黒烏龍の人に似てる)と直接交渉。米軍パイロットを買収し、軍用機でアメリカまで運ばせる。届いた麻薬はハーレムの団地の一室(ここで働いている女の人はほとんど裸。彼女らが麻薬を盗まないように)で袋詰めされ、安くて質のいい麻薬「ブルー・マジック」として市場に出回る。フランクは成功しても目立たないよう、ビジネスマンみたいなスーツばかり着ているが、それが却ってスタイリッシュに見える。一方、リッチー。バカ正直な仕事人間だが、私生活がだらしないリッチーは、お腹も少々出てるから、何を着ててもトホホな感じ(但し、軍用機の取り調べにやってきた時の地味なスーツ姿はカッコいい)。見た目という点では、リッチーが仕切る麻薬特別捜査班の面々もしかり。ワイロを一切受け取らない優秀な人材ばかりを集めたというが、いかにも喜んで受け取りそうな風体ばかり。どちらかといえば麻薬密売者っぽい。フランクはリッチーに逮捕されるんだけど、それからの二人が急に仲良くなり過ぎ。悪徳警察官を片っ端からやっつけたいという意見が一致したからって、そんなに打ち解けてどうする。
Posted at 2008.02.20 in 映画・本
アメリカ史上最高に愛された犯罪者、ジェシー・ジェームズを背後から撃った男の話。ブラピ演じるジェシーは、強盗や殺人を何度もやってる重罪人なんだけど、何故かヒーロー的扱い。ロバート・フォード(ボブとも呼ばれているからややこしい。どうしてロバートがボブなんだ?)は、ジェシーに憧れてグループの一味になったんだけど、一緒に過ごすうち、いろんな感情が積もり積もって、とうとうジェシーを暗殺。アメリカ一卑怯な男として語り継がれることになる。多額の懸賞金をかけられたジェシーには、いつも緊張感が漂っていて恐い。仲間と笑っていても心からは笑っていないし、裏切りを感じた相手は容赦なく殺す(ジェシーだって仲間を背後から撃っているぞ)。寝る時も銃を手放さないし、蛇なんか平気で殺す。そんな殺すか殺されるかの関係なのに、みんな結構、家族を巻き込んでのお付き合い。ジェシーは裏切りを疑いながらもロバートとロバートのお兄さんを自分の家に住まわせてたし(結局、そこで殺された)、ロバートに殺されたジェシーのいとこなんて、実家に泊めてあげた仲間に父親の後妻を寝取られ、その文句を言いに来て殺された。メチャクチャな話だ。ジェシーに誘われて旅に出たロバートの兄、この人はいつも笑ったり、おどけたり、本当に気の毒なくらい無理してる。夜、寝ているところを起こされて「話を聞け」と言われ、ショッキングな内容にすっかり目が覚めると「少し眠れ」なんて無理だよ、ジェシー。ロバートはジェシーを暗殺した後、舞台に立ってその時の状況を観衆の前で何度も演じる。普通しないだろ、そんなこと。

主人公は謎の笛吹き男、ジャガーさん。要潤が「星の王子さま」みたいな衣装で登場。ちょっとカッコいい。週刊少年ジャンプの人気漫画の実写版らしい。ジャガーさんやハマー(おぎやはぎの小木)、カリスマバンドのジュライのパフォーマンスなど、面白さ満載なのだが、ストーリー自体は大して面白くない。ピヨ彦のエアギターシーン、妙にムカつく。
Posted at 2008.02.05 in 映画・本
髭を剃りに行ったら、カミソリで喉を切られて地下の調理場へ。ミンチ肉にされてミートパイに。「シザー・ハンズ」「チャーリーとチョコレート工場」に続くジョニー・デップの白塗りシリーズ第3弾。19世紀のロンドン。最愛の妻と娘とともに幸せな日々を送っていた理髪師ベンジャミン・バーカーは、彼の妻にひと目惚れした悪徳判事の手によって無実の罪で投獄される。数年後、彼は悪魔の理髪師スウィーニー・トッドとなってロンドンの街に舞い戻り、復讐を企てる。悪徳判事役に「ハリポタ」のスネイプ先生(この人、字幕でいつも自分のこと「我輩」って言ってるよな)ことアラン・リックマン。お付の役人にこれまた「ハリポタ」のワーム・テール、ティモシー・スポール。スウィーニーの共犯者となるミートパイ屋の女主人役へレナ・ボナム=カーターも「ハリポタ」で悪役やってたし、いかにもダークな面々が揃ってる。そして、女主人を慕う少年の顔のすさんでいること。ちっとも可愛いと思わせないところがすごい。一方、スウィーニーの娘と駆け落ちする若い青年は、ユマ・サーマン似のきれいな顔をしているのだが、間の悪さと能天気さで、ひとりだけバカみたいに見える。こういう奴が結局生き残るんだよな。
Posted at 2008.01.29 in 映画・本
荒廃した近未来のニューヨーク。そこにはウイルス感染により闇の住人と化したミュータントの恐怖が。このミュータント、暗闇でしか行動できないけど、強いし知恵もあるから手強い。暗いビルでの登場シーンはかなり不気味だ。ウィル・スミス演じるロバート・ネビルは、たったひとりの生き残り。どこかにいるだろう生存者に向けて、毎日無線でメッセージを送り続けているけれど、返事はなし。愛犬サムと孤独な日々を送っている。ネビルは有能な科学者で、危険を冒してミュータントを捕まえ、正常な人間に戻す血清開発に取り組んでいる。絶望的な状況にも拘らず、だ。そんな素晴らしいネビルに対して、あの親子は何だ? 自分の誕生日に愛犬サムを亡くして(ミュータント化したサムを絞め殺す時のネビルの顔はちょっと面白い)自暴自棄になったネビル。あえてミュータントが活動できる夜に戦いを挑んで窮地に追い込まれる。そんなネビルを救ったのが、無線を聞きつけてやって来たこの親子(母親と幼い息子の力でどうやってミュータントを退けられたのか不思議だ)。負傷したネビルを家に運んでくれたのはいいが、結果、ミュータントに後をつけられ居場所を知られてしまう。母親はネビルが寝ているうちに、気を利かせたつもりか、朝食を用意。ネビルが大切に残していたベーコンを「ベーコンがあるなんて奇跡」と言って使ってしまう。厚かましいアホ。奇跡と言うならその貴重さが分かるだろう。息子、愛嬌がない。人の家で勝手に、しかもつまらなそうに「シュレック」を観るな。ラスト、体を張って血清開発に成功したネビルが死んで、この親子が生き残る。不条理だ。
Posted at 2008.01.10 in 映画・本
ジム・キャリー扮する主人公のウォルターは、2月3日の誕生日のお祝いに、奥さんから「ナンバー23」という本を貰う。それは23という数字にとり憑かれた果てに恋人を殺してしまったある人物の手記。ウォルターはこれを読み進めるうち、自分との共通点を見い出し、次第に23の魔力に拘束されていく。「不思議の国のアリス」の白うさぎみたいな案内役が、墓守の飼い犬ネッド。車が突進してきても動じない腹の据わった犬だ。ウォルターの奥さんは、きれいで愛情深い人。息子がこれまた超いい子で、挙動不審になった父親に全面協力(普通は嫌になると思う)。発言からして、どうもウォルターが数日かけて読んだ本を、一晩で読んだっぽい。頭もいいのだ。で、最後はミステリー映画らしからぬ、「家族愛」な感じで終わる。私、数学が得意でなくて良かったな。もし人生にこんな謎解きが用意されていても、きっと解けないし、第一、気付かないもの。
Posted at 2007.12.19 in 映画・本
「宿泊料、イノチ」。道に迷って辿り着いた片田舎のモーテル。離婚の危機に迫られた夫婦が、離婚どころじゃない生命の危機に晒される。その前兆ともいえる無言電話、隣室からのノック音。このノックが半端じゃなくて、ものすごく恐い。再生したビデオには、部屋で行われた殺人の記録が。ゾンビとか地球外生物との戦いじゃなくて、人間対人間の戦い。アナログなところが却って恐い。でも、この夫婦、がんばったよな。クライマックスには妻が大奮闘。旦那の生命力には疑問が残るが、ああいう終わり方で良かった。でないと悪い夢を見そうだもの。

受刑中の天才ピアニスト、ジェニーが暴れまくる。看守を殴る、鏡を割る、ガラス窓に突進する。いくら過去に辛いことがあったからといって「そこまでやるか?」というくらい暴れる。少女という設定だが、たまにアル中のおばさんに見える。刑務所にピアノ教師としてやってきたクリューガー(この人も殴られる。恩師なのに)はジェニーの才能を見抜き、開花させようとする。刑務所にはミュッツエっていうさえない看守がいて、クリューガーを慕ってる。このミュッツエが卑屈な男で、子供を使ってクリューガーの気を引こうとしたり(それが全く効果なし)、ジェニーが暴力事件を引き起こす陰謀を企てる。確かにミュッツエは以前、ジェニーにボコボコにされている。だから気持ちは分かる。でも、やり過ぎ。ジェニーの父親もトホホな奴だし、ぶっちぎりの女二人に対比させたのか、この映画、男の登場人物がなんだかとっても情けない。 音楽、良かったな。また聴きたいからサントラ買ったもの。ジェニーの演奏シーン、もっとたくさん観たかった。しかし、最後の演奏…あれは、いいのか?
Posted at 2007.11.27 in 映画・本
アンブレラ社の施設から逃走して数年。一緒にいたジルやアシュフォード博士の娘はどうなったんだろう。前作から引き続き登場のカルロス。見た目からおっさんだとばかり思っていたが、前作でなんと21才の設定だった。アメリカの21才はあんなに老けているのか。ミラ・ジョヴォヴィッチのアリスは強くてカッコよくてきれい。妊娠中の太ったミラより、断然こっちのミラがいい。エンディングに倖田來未の歌。映画の余韻、台無し。エンディングロールの後、アリスからメッセージがあると聞いていたから最後まで聴いたけど、肝心のメッセージがよく聴き取れなかった。我慢し損。こういう余計なアレンジは本当にやめて欲しい。

ジェイソン・ボーンはやっぱり死なない。「グッド・シェパード」のマット・デイモンは抑圧された感じでパッとしなかったけど、「ボーン…」のマット・デイモンは魅力的だ。しかしボーンはどうして変装しないのだろう。「オーシャンズ13」の時のつけ鼻なんてつけてくれたら最高なのに。
Posted at 2007.11.15 in 映画・本
小栗旬がいい。キレてる顔から可愛い顔まで、ケンカのシーンもそうでないときも、見ていて飽きない。さすが下積みが長いだけある。もう「花より男子」のことは忘れよう。一方、アンソン高岡。一応、強い役だったんだけど、吊るされてたし…。「パッチギ!」のときに感じた貫禄みたいなものが、何でだろう、まったく感じられない。昭和な顔は平成の物語には向かないのか。金髪も似合わん。
同じ昭和顔でも、今回の山田孝之はイケてた。貧乏人という設定の割に、他の不良よりずいぶん垢抜けて見えたし(眉毛がきれいに整ってたし、色も白かった)、ケンカのシーンは効果音が入っているから、本当に強そう。ギリギリセーフな半眼演技もがんばってたし。
クライマックスのケンカシーン、映像のトーンがガラッと変わって「大日本人」を思い出した。そろそろDVDが出るのかな。端役だけど2年の杉原誠こと「マコ」のルックスに意義あり。マンガでは唯一彼女が出来た男前。それが、この映画じゃまるで「リンカーン」に出てた「練マザファッカー」のD.O君だ。どうしてあんなルックスに仕上がったのだろうか。誰か教えてくれよ、メーン。
Posted at 2007.11.08 in 映画・本
睡眠薬とお酒の過剰摂取(「オーバードーズ」というらしい)で、ぶっ倒れたフリーライターの女の子が主役。気がつくと精神病院の隔離部屋。ヱヴァンゲリヲンの監督の人とか、引越しのサカイのおっさんが医師役で出てくる。非情な看護婦にりょう。この人、蛇か? 宇宙人か? 過食症の元AV女優に大竹しのぶ。根性腐り切ってる嫌な奴で、もしかして大竹しのぶ自身もこんなんだろうかと思えるくらい板についてる。ハリセンボン箕輪さん、素で病んでるっぽい。でかい鼻水も普通に吸い上げてたし。エンドロールに近藤さんの名前。後で調べたら友達役で出てた。主役の内田有紀も、拒食症の蒼井優も、看護婦の平岩紙も良かったな。テンポもいいし、面白い。最後、恋人の情けもなく、甘いハッピーエンドじゃないところがリアルでいいな。救いがたい状況なんだけど、なんか吹っ切れてるし、爽快。

「ヒートアイランド」主役のアキは、たった6人で渋谷のチーマー達を仕切ってる(…ようには全く見えないんだけど)「ギルティ」ってチームのリーダー。喧嘩も強いし、毎週ファイトパーティーを主催してお金儲けもしてる。で、アキ役の城田優、この間「はなまるマーケット」に出てて、見てたら謙虚でとてもいい子。スペイン人のお母さんに厳しく育てられたらしい。この先入観が災いして、全然、強い奴にも頭が切れる奴にも見えなかった。「ワルボロ」でも喧嘩が苦手な役だったし。「パッチギ!」のアンソン、高岡蒼甫が小者役で登場。「クローズZERO」は期待してるよ。
Posted at 2007.10.30 in 映画・本
リュック・ベッソン監督の最新作。10才のアーサーはお祖母さんと二人暮らし。冒険家のお祖父さんは4年前に失踪。両親は遠くで働いていて、息子の誕生日にさえも帰って来られない。家はお金に困っていて、電話も電気も止められ、いよいよ立ち退きを迫られている。アーサーはお祖父さんが残した宝物を見つけに、体長2ミリのミニモイ族が住むミクロの世界へ。

実写と3Dアニメの融合作。マドンナ、デイヴィッド・ボウイ、ロバート・デニーロと吹き替え陣も豪華。3Dアニメのセレニア王女は、まるで「フィフス・エレメント」のミラ・ジョボビッチ。あの顔の引っ掻き傷みたいなのは何だろう。お祖母さん役にミア・ファロー。「カイロの紫のバラ」の人だよな。若い。窮地に立ってもどこか明るくて、孫の前では悲壮感を出さない、とてもいいお祖母さんだ。アーサーの両親、全く貧乏そうに見えない。むしろ裕福で楽しそうに見える。何故?

で、もちろんハッピーエンド。エンディング、どっかで見たような…と思ったら「シュレック3」。黄緑って奴の色だよな。



「パンズ・ラビリンス」は2本の映画を併せて観たような、ヘビー級の見ごたえ。何かの紹介記事で「ダーク・ファンタジー」と称してあった。夢溢れるファンタジーじゃなくて、ダーク・ファンタジー。明るいシーンといえば最後の最後だけ。主人公のオフェリアは、身重のお母さんと一緒に、新しい父親となる冷酷残忍なビダル大尉のもとにやってくる。このビダル大尉がとんでもないファシストで、他人の命なんて屁とも思っていない。産まれてくる子供は勝手に男の子だと決めつけ、母親の体調が悪化すると「母体より子供の命を優先しろ」なんて平気で言ってのける。とことん自己中心的で、最後にはオフェリアに銃を向ける。拷問シーンも恐いし、何度ファンタジー映画であることを忘れたか。

で、ファンタジーの世界。こっちはこっちで奇妙で暗い怪物ばかり出てくる。妖精に変身するナナフシに、老木の中に住みついてる巨大なカエル、ぶっちぎりで奇妙なのが子供を食べるペイルマン。目玉が顔になくて手のひらにあるから、顔の前に手のひらをかざして周囲を見る。このシーン、面白い。マンドラゴラの根、「エコエコアザラク」に出てたよな。黒井ミサ、懐かしい。そして、オフェリアを導く牧神パン。いい奴なんだけど、見た目も態度も全然いい奴っぽくなくて、途中何度も「こいつ本当は悪者ではないか?」と疑った。

とにかく現実、ファンタジー、どちらの世界も悲しいくらいに暗い。救いといえば、オフェリアをずっと気にかけてくれる使用人のメルセデス。この人はいい人。最後に助かって本当に良かった。
Posted at 2007.10.16 in 映画・本
2007.10.11
なにもかも分からないままだった。
ここはどこの島なのか、登場人物が何者なのか、もたいまさこ演じるサクラさんが、どうしてみんなに絶対的に好かれているのか。市川実日子(役名忘れた)が主役のタエコ(小林聡美)に対して、どうしてずっと喧嘩ごしなのか。
「かもめ食堂」のスタッフとキャストが再集結して作った映画。独特の空気感が「ゆるい」とか「癒し」という言葉で好意的に評価されているけれど、映画そのものも「ゆるい」。携帯電話の通じない南の島の海はとてもきれいで、登場人物がゆったりとしていて、「たそがれる」ことを楽しんでいる。食べ物もおいしそう。確かに素敵な世界ではある。だけど、その「何かいい感じ」とか「くすっと笑える感じ」ばかりで、ちょっとあざとい。サクラさんのメルシー体操も素直に笑えない。で、たいした盛り上がりもなく終わる。レストランに入って、オーガニック野菜の前菜をたて続けに出され、メインディッシュもご飯も、もちろんデザートなどないままお勘定、そんな感じ。
「かもめ食堂」は見終わった後、気分が良かった。爽やかないい映画だった。
こっちは、ただゆるい。
Posted at 2007.10.11 in 映画・本
最初に香取慎吾が出てくる。
こういうのをサプライズ出演と言うらしいが、悪い意味でのサプライズ。随所に笑いの要素がちりばめられた映画ではあるけれど、慎吾は毛色が違う。何でも出ればいいってもんじゃないし、草薙が慎吾の映画に出るのとは訳が違う。なんならその勢いで「HERO」にも出れば良かったのに。キムタクのお許しが出ればの話だけど。

佐藤浩市の清盛率いる赤の「平家」と、伊勢谷友介の義経率いる白の「源氏」の戦い。
泣き笑い顔俳優の堺雅人が赤の方にいて、さぞかし切れる参謀役かなと思いきや、結構アホな役。キャシャーン伊勢谷の義経はすごくスタイリッシュ。弁慶でなくても惚れる。小栗旬は一人だけ妙に爽やか。桃井かおりは後半きっちりおいしいところを持っていった。で、主役の凄腕ガンマンが伊藤英明なんだけど、一度もカッコいいと思えなかった。主役なのにその背景があまり語られないし、だからって謎めいた魅力がある訳でも何でもない。途中、奴の存在自体、忘れてた。主役離れした主役。そういう意味ではすごいよ、伊藤英明。ちなみにタイトルの「ジャンゴ」も伊藤英明のことではない。香川照之、ちょっとくどい。

「ミス・ポター」。ピーターラビットの作者であるビアトリクス・ポターの物語。
イングランドの湖水地方の美しい景色も見どころ。ビアトリクスに「ブリジット・ジョーンズの日記」でも「シンデレラマン」でも良かったレニー・ゼルウィガー。この人にクシュって笑われたら、男の人は何かしらの運命を感じてしまうんじゃないだろうか。幸せな人だ。あっという間の90分。
Posted at 2007.09.25 in 映画・本
中三で遅咲き不良デビューしたコーちゃん役に松田翔太。
「花より男子」ではパッとしなかったけど、「ライアーゲーム」と「女帝」で好きになった。
あの矢印の鼻とおちょぼ口で、不良の格好をしても、乱暴な口を利いても、全然「ワル」にも「ボロ」にも見えない愛い奴だ。喧嘩のシーンも迫力なし。
でも、今をときめく翔太だから、それもアリ。翔太に限らず、コーちゃんの不良仲間のほとんどが、どうも不良っぽくない。「現代の子が昔の不良を演じてます」感が出てる。唯一、板についてたのが親友のヤッコ役の子。カッコ良かったな。ハンカチ王子にちょっと似てる。でも、不良役で良かった子って、それ以外の役を見るとガッカリする。「パッチギ!」のアンソンもそうだったし。コーちゃんのヤクザな叔父さん役に中村トオル。なんか「龍が如く」の岸谷五朗を思い出した。過剰な演技って、観ているこっちが恥ずかしいから、いらん。ザ・クロマニヨンズの主題歌「ギリギリガガンガン」、耳障りと思いながら、つい歌ってる。私はザ・ハイロウズの「Relaxin' WITH THE HIGH-LOWS」というアルバムが好きでよく聴いている。いいな、青春。

「HERO」、印象に残るシーンも、感動も、特になし。出演者、無駄に多くないか?
贅沢なキャスティングといえば聞こえがいいが、これは役者の無駄遣い。新境地を開いた人もいないし。イ・ビョンホンもわざわざ出て来なくてもいい。大物政治家役でタモリが出てきた時には、フジテレビの特番を観ているような気になった。ま、タモリが小さいということが改めて分かったからいいけど。
テレビといえば「ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序」。最後の「つづく」の文字にはビックリした。これ、映画だよな。テレビじゃないよな。
Posted at 2007.09.20 in 映画・本
古臭いタイトルだな。ちなみに原題は「傷城」。あのメチャクチャ面白かった「インファナル・アフェア」の監督の作品。「インファナル…」同様、ハリウッドでリメイクが決まっているらしい。主演は「ディパーテッド」の涙目演技がまだ記憶に新しいレオ様。今度はどっちの役するんだろ。で、「傷だらけ…」。面白かったけど、「インファナル…」の、あのドキドキハラハラ感を期待していただけに、ちょっと物足りなかった。しかし香港の街は洗練されているな。クリスマスのシーンなんかとてもアメリカナイズされていて、日本じゃ考えられない。

金城武が刑事「ポン」、トニー・レオンがその上司の「ヘイ」。ポンとヘイ…。ポンは超がつくお人好し野郎。クリスマス、別れようと思っていた恋人が自殺。彼女は妊娠していた。その痛手(別れようと思っていたのに、だ)から、刑事を辞めてアル中探偵に成り下がる。このアル中演技が悲しいくらい下手くそで、深刻な事態が伝わってこない。彼女は浮気をしていて、お腹の子供も浮気相手の子。ポンは浮気相手を見つけ出すものの、交通事故で意識不明の入院中。そして、どうしてだか介護しているポン。最後は新しい恋人とハッピーエンド風に終わるが、この恋人がとにかく安っぽくて、彼女の外面、内面、どこに惹かれたのか全く分からない。妥協するにも程がある。トニー・レオンは初の犯罪者役。金城の役よりこっちの役の方がいろいろあって面白いんだけど、今回のトニー・レオン、何故かあんまり格好良くない。あの眼鏡のせいなのか。石坂浩二か、八嶋智人か。エンディングの浜崎あゆみの歌、びっくりするくらいインパクトなし。

金城武といえば懐かしの「不夜城」。これはたまらん。原作が面白かったし、早くから並んでいい席を取った。しかし上映開始30分もしないうちに、山本未来のはなくそ演技に怒りがこみ上げた。金城の演技もしかり。上映中ずっと怒ってた。しかし、ホームレスとして身を隠していた椎名桔平が現われるシーンで「許そう」と思った。これは笑えた。観る価値がある。
Posted at 2007.08.02 in 映画・本
タイトルは「シュレック3」だが、私にとっての主役は「長靴をはいた猫」である。二作目でこの猫を知って以来、三作目も絶対に観ると決めていた。茶トラで雄というだけで、もうパーフェクト。怪傑ゾロのいでたち、アントニオ・バンデラスの吹き替え、小さくて可愛くて意地悪で…素晴らしい。DVDを買って何回も観た。で、今作。

タイムスケジュールは、子供仕様なのか紀香効果なのかどうなのか、吹き替え版がメインで字幕版は日に二回しかない。光浦さん(ロンハーの格付けランキングが当たったのは、最初に梨花をこき下ろして流れを作った光浦さんの功績が大きいと思う。光浦さんは頭のいい人だ)の髪長姫にも惹かれるが、やはりバンデラスの字幕版でしょう。

前作同様、ドドーッと流れるような展開で、ずっと面白かった。しかし、前作ほど猫の活躍がなくてちょっとガッカリ。私はシュレックやフィオナ姫(どちらかというとフィオナ姫は嫌いなくらいだ)、そしてそのベビーなんかにはあまり興味がなく、猫だけのスピンオフができたらいいのにと思った。しかし、猫の小ささ、可愛らしさを表現するためには、無駄に図体のでかいシュレックが必要で、賢いところを引き立てるためには、間抜けなドンキーが必要だ。ともすれば、四作目…ないだろうな。3で終わった方がキリがいいし。

帰りにトランプを買った。エースは主役のシュレックで、キングとクーンはそれぞれシュレックとフィオナ姫、2から10までの札は登場キャラの集合カットである。そしてジャックは猫。シュレックやフィオナ姫同様のピン扱い。一作目からのドンキーを差し置いての起用である。これが猫の実力。さすが猫。
Posted at 2007.07.12 in 映画・本
面白かったー。もう一回観たい。
祗園だけじゃなくって、平安神宮や寺町通りも出てくる。いつロケしてたんだろう。見たかったな。阿部サダヲ演じる鬼塚公彦は、修学旅行で迷子になり、舞妓さんにお世話になって以来の熱烈な舞妓ファン。東京の食品会社で働いているのだが、カップラーメンのかやくだけを作っている京都支社に左遷される。京都といえば舞妓。彼女ともあっさり別れ、意気揚々とやってくるのだが、当然、一見さんお断りシステムに阻まれる。その後の鬼塚の活躍がすごい。
まるで作り話のよう。作り話だが。
Posted at 2007.07.10 in 映画・本
猿のジャックが賢くて可愛い。きっと作りものだよな。不死身とはいえ大砲で飛ばされてたし。
チョウ・ユンファ(友達は観る直前まで「ユン・ピョウが出る。懐かしいなっ!」と勘違いしていた)やキース・リチャーズも出てた。ジョニー・デップ扮するジャック・スパロウは、やっぱりハチャメチャで面白かったけど、最後はウィル・ターナーがおいしいところを持っていった感じ。ウィルはいかにも女の子ウケする甘~い顔をしていて、それでいて強いし、誠実に愛を貫いたりする。けれど、オーランド・ブルーム…私はどうも「トロイ」のへなちょこ王子パリスの印象が強い。奴がしでかしたアホなかけおちのおかげでトロイ対ギリシアの戦いが勃発。男一対一の対決で敗れると、兄のヘクトル王子にすがる。で、私が密かに胸をときめかせていた兄のヘクトル王子(俳優の名前は忘れてしまった)は、ブラピ扮するアキレスとの対決で命を落としてしまう。トロイは陥落。最後はアキレスを弓矢で射止めるのだが、これが大きなお世話。だから、この映画がどう終わろうと、私はウィルを信用していない。逃げるよ、奴は。
そして、長いエンドロール。最後にどんでん返しがあるのだろうと期待したが、大したオチはなかった。そうそう、おいしいところといえば「スパイダーマン3」も、最後は親友ハリーが格好良くなって、おいしいところを持っていった。
あのボールみたいな武器が何よりすごいのだった。
Posted at 2007.05.31 in 映画・本
主人公は恐ろしく鋭敏な嗅覚を持った男、ジャン=バティスト・グルヌイユ(以下、奴もしくはアホ)。人間ばなれしたその才能で、ベテラン落ちぶれ調香師が悶々と考えても分からなかった香水の調合を、ほいほいっとやってのける。
偶然見かけた赤毛の少女の体臭に惹かれて近づくのだが、変質者だと思われて(実際そうだ)、逃げられ、自慢の嗅覚で捜し出したものの、誤って殺してしまう。そこで奴は悲しむのだが、それは少女を殺してしまった懺悔の気持ちからではなく、少女の死とともに、その匂いが消えていくから。開店休業同然の香水店を繁盛させ、ひと山もふた山も先にいる人間の居場所を嗅覚でつき止める。脚力も相当なもので、ニカウさんを思い出した。天才ではあるが、香りのためなら手段を選ばない。道徳も人情もない。自分勝手なアホ。蒸留器で「どんな香りも残せる」と聞けば、ガラスや鉄や猫までも入れてしまう。しかも「匂いがしない。嘘をついたな!」と怒ってみせる。アホ過ぎる。そんな奴が十数人の美女を殺して作り出した香水は、人を恍惚へと誘う素晴らしい香りで、処刑場に集まっていた見物人はその香りを嗅いだ途端、奴を「天使」扱い。娘を殺された父親までもが「息子よ」なんて言ってる。奴は処刑を逃れ、自らが生まれたパリの悪臭漂う市場へと帰る。最後は自分に香水をかけて、その香りに引き寄せられた人たちの下敷きになって消えてしまう。すごい話だ。原作はパトリック・ジュースキントって人の「香水 ある人殺しの物語」。
45ヶ国語に翻訳されている世界的ベストセラー。香りを演出した映像も見どころ。パリの市場風景からは、魚の贓物や汚物の悪臭がしてきそうだし、南フランスの香水の町、グラースのラベンダー畑は広大で美しい。

おまけ
3月26日の御所、池のほとりのしだれ桜。
3月26日の御所、池のほとりのしだれ桜。
Posted at 2007.03.27 in 映画・本
2007.03.06
「龍が如く」公開日。プレステ2のゲームソフトがベースになっている映画だそうだが、ストーリーにはあまり興味がない。北村一輝が観たい。北村一輝の、あの信用ならない顔が好きだ。もし、私が北村一輝にお茶を入れて貰っても、恐くて飲めない。もし、私の両親に北村一輝を紹介したら、「やめておけ」というだろう。私にとっての北村一輝、それはドラマ「あなたの隣に誰かいる」で演じた蟲の男。妖怪そのものだった。恐かった。北村一輝は過去に役作りのために前歯を6本抜いたことがあるそうだ。すごい。そして「夜王」で魅せたロミオのナンバー1ホスト、聖也さん。あんな悪趣味なスーツを違和感なく着こなせる北村一輝、素敵である。北村一輝はひと癖もふた癖もある役が似合う。それも悪役。で、「龍の如く」。恐ろしく強い男の役だそうだが、どうも「いい人」っぽい。しかも「母親を探す少女」なんてのがでてくる。心配だ。さて、北村一輝、蛇皮の靴で登場。パチパチ。しかし、岸谷五朗の演技に早くも嫌な予感が走る。空回り。全然強そうに見えない。母親を探す少女が野良犬を連れている。「家なき子」か? しかし、この犬、毛並みが良くて太っている。ホストクラブのオーナー役に加藤晴彦、他にいなかったのだろうか。塩谷瞬はやっぱりトホホな役どころ。松田ケイジ…最初分からなかった。まあ、そんなことはさておき、北村一輝の登場シーン、少なくないか? おいしいものを少しだけ食べるつもりが、まずいものばっかりでお腹がふくれた、そんな感じ。
Posted at 2007.03.06 in 映画・本
2月3日

「世界最速のインディアン」公開初日。バスの時間を間違えて、上映時間ギリギリでMOVIX到着。慌てて入場したけれど、そのガラ空き加減に拍子抜け。アンソニー・ホプキンス扮するバート・マンローは、ニュージーランドの田舎町で暮らす63歳、年金暮らし、持病あり。「顔にしわがあっても心は18才」で、改造を重ねたオンボロバイク「インディアン」で、アメリカのボンヌビル塩平原で行われる記録会に出場し、世界最速に挑戦する。早朝からマシンいじりで爆音を轟かせ、お隣さんの肉切り包丁でタイヤを削る。草を刈れと言われれば火をつけて、消防車を出動させてしまう始末。マイペースで人の迷惑省みず。でも憎めない。それにモテる。この映画、悪人が出てこない。唯一挙げるならモーテル前で出会った募金の女くらいか。地元の仲間も、暴走族も、旅先で出会う人も、皆、いい人。お隣さん夫婦はバートに迷惑かけられっぱなしだけど、ここの息子がまたいい子。バートがインディアンで塩平原を突っ走るシーンはハラハラだけど爽快。やさしさいっぱいの痛快ロードムービー。こんな気持ちのいい映画がガラ空きなんてもったいない。
Posted at 2007.02.19 in 映画・本