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カチーダ・マーハ
即興詩人。京都市左京区出身。A型。動物占いはライオン、星座は水瓶座。趣味として映画鑑賞と読書を少々。猫、特に茶トラの野良猫をこよなく愛する四十路間際の女。

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ルチルの 気まぐれ日記

カチーダ・マーハの日記

「アーサーとミニモイの不思議な国」「パンズ・ラビリンス」
2007.10.16
リュック・ベッソン監督の最新作。10才のアーサーはお祖母さんと二人暮らし。冒険家のお祖父さんは4年前に失踪。両親は遠くで働いていて、息子の誕生日にさえも帰って来られない。家はお金に困っていて、電話も電気も止められ、いよいよ立ち退きを迫られている。アーサーはお祖父さんが残した宝物を見つけに、体長2ミリのミニモイ族が住むミクロの世界へ。

実写と3Dアニメの融合作。マドンナ、デイヴィッド・ボウイ、ロバート・デニーロと吹き替え陣も豪華。3Dアニメのセレニア王女は、まるで「フィフス・エレメント」のミラ・ジョボビッチ。あの顔の引っ掻き傷みたいなのは何だろう。お祖母さん役にミア・ファロー。「カイロの紫のバラ」の人だよな。若い。窮地に立ってもどこか明るくて、孫の前では悲壮感を出さない、とてもいいお祖母さんだ。アーサーの両親、全く貧乏そうに見えない。むしろ裕福で楽しそうに見える。何故?

で、もちろんハッピーエンド。エンディング、どっかで見たような…と思ったら「シュレック3」。黄緑って奴の色だよな。



「パンズ・ラビリンス」は2本の映画を併せて観たような、ヘビー級の見ごたえ。何かの紹介記事で「ダーク・ファンタジー」と称してあった。夢溢れるファンタジーじゃなくて、ダーク・ファンタジー。明るいシーンといえば最後の最後だけ。主人公のオフェリアは、身重のお母さんと一緒に、新しい父親となる冷酷残忍なビダル大尉のもとにやってくる。このビダル大尉がとんでもないファシストで、他人の命なんて屁とも思っていない。産まれてくる子供は勝手に男の子だと決めつけ、母親の体調が悪化すると「母体より子供の命を優先しろ」なんて平気で言ってのける。とことん自己中心的で、最後にはオフェリアに銃を向ける。拷問シーンも恐いし、何度ファンタジー映画であることを忘れたか。

で、ファンタジーの世界。こっちはこっちで奇妙で暗い怪物ばかり出てくる。妖精に変身するナナフシに、老木の中に住みついてる巨大なカエル、ぶっちぎりで奇妙なのが子供を食べるペイルマン。目玉が顔になくて手のひらにあるから、顔の前に手のひらをかざして周囲を見る。このシーン、面白い。マンドラゴラの根、「エコエコアザラク」に出てたよな。黒井ミサ、懐かしい。そして、オフェリアを導く牧神パン。いい奴なんだけど、見た目も態度も全然いい奴っぽくなくて、途中何度も「こいつ本当は悪者ではないか?」と疑った。

とにかく現実、ファンタジー、どちらの世界も悲しいくらいに暗い。救いといえば、オフェリアをずっと気にかけてくれる使用人のメルセデス。この人はいい人。最後に助かって本当に良かった。
Posted at 2007.10.16 in 映画・本コメント(0)トラックバック(2)
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