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カチーダ・マーハ
即興詩人。京都市左京区出身。A型。動物占いはライオン、星座は水瓶座。趣味として映画鑑賞と読書を少々。猫、特に茶トラの野良猫をこよなく愛する四十路間際の女。

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ルチルの 気まぐれ日記

カチーダ・マーハの日記

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健さん久々の復帰作「あなたへ」にも登場して、最近またちょっと話題の竹田城跡。山の頂上にある石垣の城跡で、晩秋から初冬の早朝には霧が出て、まるで雲海に浮かんでいるように見えることから「日本のマチュピチュ」とか「天空の城」とか言われてる。だから、その絶景シーズンに行くのがベストなんだけど、そうなると、寒い、朝早い、でくじけそうなので、とりあえず、今行ってみた。
場所は「和田山、竹田家~具♪」の竹田。市内から9号線を西へひたすら走り、一本柳の交差点で312号線に入ってしばらく走ると案内が出てくる。山の中腹の駐車場に車を止めて、舗装された坂道をのんびり歩きで20分程。意外にスムーズに到達した日本のマチュピチュ。確かにこの山は標高353.7メートル。標高2000メートル越えの本家マチュピチュとは桁が違うもんな。どういう法則で組んであるのか、ダイナミックな石垣は、思わず触りたくなる立派さ。桜の木が何本かあって、春の眺めも良さそうだ。また、ここは離れたところからだと、トラが伏せているように見えることから「虎臥城」という別名もある。カッコいいぞ、竹田城跡。こんなの造れる昔の人ってすごいな。
Posted at 2012.09.04 in ちょっとおでかけ
連日の大盛況で開催期間が延長された「ツタンカーメン展」。今はもう落ち着いたみたいで、並んでから40分足らずで入れた。
9歳で即位して19歳でこの世を去った古代エジプト王ツタンカーメン。他殺説があったり、お墓の発掘に関わった人達が謎の死を遂げたり、そして、何より美少年だったりと、なんともミステリアスな若きファラオ。ツタンカーメンの時代って、3300年位前らしいんだけど、どうしてその頃のミイラが未だ朽ち果てず残っているのか。エジプト文明恐るべし。
舌をペローンと出したライオンがのってる化粧容器が可愛い。よく見ると支柱が敵の民族の顔を踏みつけてる。ツタンカーメンの半身像はマイケル・ジャクソン似の美少年。これぞ美女と言わんばかりの美しい頭部像は、クレオパトラと並ぶ古代エジプト三大美女のひとり、ネフェルティティ王妃。ツタンカーメンの妻アンケセナーメンは、このネフェルティティ王妃とアクエンアテン王の間に生まれた子供のひとりで、ツタンカーメンに嫁ぐ前は、父親であるアクエンアテン王の妻だったそうだ。そして、ツタンカーメンもまた、アクエンアテン王の子供だとか。あー、複雑。そして、いよいよ今回一番の見どころ、ツタンカーメンの棺形カノポス容器が登場。あれ、意外に小さい。この中にツタンカーメンの肝臓を入れて保管していたそうだ。
ツタンカーメン展はグッズ売り場も盛況。見るからに美味しくなさそうなインスタントラーメン「ツタンカーメンメン」も結構売れてる。私はクリアファイルを買って満足。これは超キレイ。

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Posted at 2012.07.10 in ちょっとおでかけ
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「陶芸の森」は初めてで、こんな広大な施設とは知らなかった。セルフサービスのパノラマカフェでピザを食べて、展覧会場である陶芸館へ。陶芸館は高台にあって、階段がちょっときついけど、その分、見晴らしがいい。会場入ってすぐにミロやピカソの作品が。ミロは信楽に来たことがあるんだそうだ。岡本太郎の「犬の植木鉢」「坐ることを拒否する椅子」、面白いなー。奈良美智の巨大な少女がドーンといたり、1,000℃以上で真っ白に焼成した雑誌が作品になってたり、本物そっくりの革靴やトランプがあったりと、陶芸作品にもいろいろあるんだな。別室に設けられた高橋治希の「春驟雨」って作品は、渦を巻いたつる植物が、空間に浮かんでる。触るとポキッと折れそうな、繊細な陶器。こんなのどうやって焼くんだろ。他にも井田照一や横尾忠則、木田安彦、日比野克彦など、多彩なアーチストの作品が。ちょっと遠かったけど来た甲斐あった。
そして、信楽といえば信楽焼のたぬき。道中あちこちの販売所で、これでもか、これでもか、と居並ぶたぬき。中にはどうやって焼いたのか分からない超巨大たぬきも。いくらなんでもあれはコンクリート製か。
Posted at 2012.07.03 in ちょっとおでかけ
ずっと前から来たかった志明院。雲ヶ畑の、人里離れた山中にあって、公共の交通機関はヤサカのジャンボタクシー、もくもく号だけ。一日二便限り、午前は8時40分北大路発。シャクナゲの見頃が過ぎたからか、今日は他に乗客なしの貸し切り状態。北山杉の景色を楽しみながら40分近く揺られたら、終点「雲ヶ畑岩屋橋」に到着。ここからは徒歩。舗装されているとはいえ、登りの山道は結構キツい。ハァハァ言いながら30分。最初、ちょっと肌寒かったのに、到着した時には汗かいてた。
神聖な山岳道場である志明院は、楼門より先は写真撮影禁止。余計な荷物を預け、身軽になって参拝。まず本堂のお不動さんにお参りしたら、龍神伝説の残る飛龍の滝へ。お社の下から流れ落ちるひと筋の滝。剣に巻き付いた龍の像がカッコいい。次に向かった護摩の岩屋がまた良くて、ひっそり暗い洞窟の中にお不動さんがおられる。洞窟の中から外を見たら、ちょっと異次元。最後は舞台造りの根本中院へ。ここの洞窟に湧き出る水は、鴨川の源流。今日は岩肌が少し濡れている程度だけど、ひしゃくが用意されているから、飲めるくらい水が湧く時もあるんだ。
志明院は宮崎駿アニメ「もののけ姫」の故郷。司馬遼太郎が、新聞記者時代に体験した宿坊での怪異現象を宮崎駿に話したことが、その誕生のきっかけになったとか。
さて、帰りのもくもく号は14時20分発。お抹茶をいただいて、長生きの鯉を眺めてゆっくりしても、まだまだ時間が余るので、タクシーを呼んでもらう。呼ぶといっても、町中みたいにすぐに来て貰えないから、山を下りる私たちと、こちらに向かうタクシー、両者「よーい、ドン!」で出発して、出会ったところで乗車する。市内だけど、ちょっとした旅気分だったな。また来たい。
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Posted at 2012.06.11 in ちょっとおでかけ
京都市動物園に、この春オープンした「もうじゅうワールド」を観に行ってきた。トラにライオン、ジャガー、そしてツシマヤマネコが間近に見られる新しい展示エリア。一昨年に生まれたトラの兄弟、オクとルイはもうすっかり大人の風貌。お母さんのアオイちゃんより大きくなってる。兄弟で生まれたのに、誕生日が一日違うってことは、アオイちゃんは日をまたいで出産したのか。今度の檻は安全な二重フェンスになっていて、わずか15㎝の距離まで接近できる。だから「おしっこに注意! おしりを向けたら要注意です!」なんだ。幸いにもおしっこはかけられなかったけど、ルイのうんこ現場に遭遇。檻の中の小さなプールにブリリ。え、そこにするの? あ、臭いもしっかり届いたよ。そんなことを言っていたら、オクはオクで、同じようにブリリてやってる。さすが兄弟。連携パフォーマンス。空中通路を下から眺めて、オクの肉球を確認。デカい。グローブみたいだ。ライオンのナイルとクリスは、相変わらず倦怠期夫婦の休日みたいな空気を醸し出してる。それにしてもナイルはよく吠える。一方、ジャガーのグランデは、昨年、愛妻のぺケーナを亡くして、ポツンと一匹、寂しそう。寂しそうといえば、ツシマヤマネコのみやこちゃんも一匹だけ。これまでに10匹も子供を産んだ10歳の女の子なんだけど、ただ寝ているのか、ナイルがうるさくて嫌なのか、体をくるんと丸めたまま動かない。絶滅が危惧される希少動物なんだから、もっと静かないい環境に置いてあげればいいのに。第一、みやこちゃん、どう見ても猛獣じゃないし。

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Posted at 2012.06.04 in ちょっとおでかけ
水玉のドレスに赤いおかっぱのウイッグ。1929年3月22日生まれってことは、今年83才。老いるどころかますますパワー漲る草間彌生の作品を観に、大阪の国立国際美術館へ。大きな南瓜を横目にエスカレーターを降り、会場に入ってすぐが、赤地に白の水玉の部屋。そこにドーンと草間彌生のポートレイト。この部屋は撮影OKだから、みんなパシャパシャやってる。白いキャンバスに黒いマーカーで即興的に描いたモノクロの作品群「愛はとこしえ」シリーズは、目玉や人間の横顔や微生物やムカデみたいなのが、キャンバスを埋め尽くすように描き込まれた作品が50点。うえー、すごい。ちゃんと理解できないけど、すごい。続いてカラーペインティング「わが永遠の魂」シリーズ。紹介映像では、キャンバスをテーブルみたいに置いて、下書きなしにグワーッって色を塗り重ねてた。絵の天地は後から見て決めてた。次に白地に赤の水玉の部屋。彫刻「チューリップに愛をこめて、永遠に祈る」が展示されている。こちらも撮影して良し、パシャ。色が変化するLED電飾がたくさんぶら下がった鏡ばりの部屋「魂の灯」では、無限に広がる空間を体験。テーマパークのアトラクションみたいだ。そして、グッズ販売のコーナーがまたすごい。草間彌生、大人気。こんなバーゲン会場みたいなのは初めてだ。エスカレーター上がって、「大いなる巨大な南瓜」を間近で観たら、そのままコレクション展へ。男根状のオブジェを貼り付けた立体作品「銀色の希死」や「道徳の部屋」など、こちらでも草間彌生作品が展示されていた。立ち寄って良かった。草間彌生って、村上龍監督の映画「トパーズ」に占い師役で出てたそうなんだけど、どんなんだったか思い出せない。島田雅彦が注射打ってたのは覚えてるのにな。

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Posted at 2012.02.14 in ちょっとおでかけ
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今年は辰年だから、いろんな龍に会いに行こうと思っている。今日は東福寺塔頭「龍吟庵」に、昭和の天才作庭家・重森三玲が手掛けた「龍の庭」を観に行った。龍吟庵には3つの庭があり、方丈の正面が、白砂を敷いただけの「無の庭」。ホントに白砂以外何もない。悟りの境地を表現しているとか。今回の公開では、庭も撮影禁止。前は撮っても良かったのにな。そして、次に来る西側の庭が「龍の庭」。白黒2色の砂と青石で、龍が天に昇る様子を表現している。

黒砂の雷雲からひょっこり顔を出した青石の龍。ちょっと可愛い。とぐろを巻いた長い体が、雲の合間から見え隠れしてる。竹垣にはラーメン鉢でお馴染みの雷文様。砂や石は全て天然の色そのままとか。いいなー、この庭。秋は紅葉もきれいだそうで、今は枯れ残ったもみじの種が、雪みたいにちらほら舞っている。最後の「不離の庭」は赤砂の庭。雨に濡れるともっと鮮やかに発色するそうだ。龍吟庵の龍の写真は撮れなかったけど、東福寺の龍といえば本堂の天井画。堂本印象がたった17日間で描き上げたといわれる龍がいる。こちらは外から拝観、撮影が自由。ありがたい。
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Posted at 2012.01.27 in ちょっとおでかけ
妙心寺塔頭、麟祥院が今、公開中。ここは、徳川三代将軍家光が、春日局のために建立したところ。方丈には、春日局のお父さんの親友だった絵師、海北友松の息子、友雪が描いた「雲龍図」があるのだけれど、これが珍しい夫婦の龍。龍の雄と雌って、見た目どう違うのかと思ってたけど、雄は眉毛ボーボー、雌は色白、ぱっちり上向きまつ毛で、なるほど違う。御霊屋には、小堀遠州作と伝わる春日局木像が。春日局といえば、この間最終回を迎えた大河ドラマ「江 姫たちの戦国」で、福こと後の春日局を演じた富田靖子が面白かった。岸谷五朗のやり過ぎ秀吉なんかより楽しめた。福の登場により、江も秀忠様も影が薄くなったし、やたらカッコ良かったトヨエツの信長なんて、回想シーンでようやく思い出したくらいだ。良くも悪くも少女漫画みたいだった今年の大河。そのフィナーレを飾る、期待のヒール、福。イケイケ、福!だったのに、最後は尻すぼみ。いい人になってしまって残念だ。できれば福のその後にスポットライトを当てて、お正月にスピンオフなんてどうか。お万の方に毒を盛るとこなんてぜひ見てみたい。さて、いよいよ来年の大河は松ケン。楽しみナリ。
Posted at 2011.12.05 in ちょっとおでかけ
お天気の良かった今日、八瀬の九頭竜大社へ。紅葉はまだ少し先のようで、近くの瑠璃光院なんかも、これからが賑わうんだろな。
九頭竜弁財天は、昭和29年11月24日に発祥されたという、まだ新しい神様。宇宙の法則に従った導きの神様であり、昭和37年と39年に阪神タイガースを優勝へと導いた藤本定義監督が、秘かにここを参拝されていたとか、日本電産の永守社長が、こちらのアドバイスをもとに井戸を掘ったら水が出たとか、会社の運気が好転するタイミングを予言してもらったなどのエピソードがある。
参拝方法が独特で、まず、手水舎で手と口を清めたら、社務所でロウソクと線香を買って奉納。本殿にお参りする際の拍手は4回。「南無九頭竜弁財天大神様」を3回と「おんそらそあていえいそあか」のご真言を7回、なのだが、覚えられない。その後、竹の棒を9本取って、本殿の周りを時計回りに9回巡拝。1周する毎に竹の棒を返すから、返し終わった時が9周終了した時。巡拝の際には、御神木や石碑、本殿裏などで礼をする決まりなのだが、私は石碑を抜かして、違う場所で礼をしていたようだ。帰ってから気付いたが、もう遅い。巡拝が終わったら、御霊水をいただき、参拝者名簿に記入して終了。そして、お楽しみのおみくじ。ここのおみくじは大吉とか凶じゃなくて、ガツンと一発、ワンアドバイス。私の場合、「油断せず 神を信じよ」。「油断」…なんか、すごく分かる。九頭竜弁財天は奇蹟を起こす神様だから、「奇蹟を以て望をかなへる」なんてのが出ることもあるらしい。いいなー。こんなのが出たら浮かれまくるよ。来年は辰年。また来よう。
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Posted at 2011.11.17 in ちょっとおでかけ


日本のモダンアートを担う気鋭作家31人の作品を集めた「ジパング展」。会場で最初に目にする池田学のペン画「ブッダ」。うえー。これはもう、恐ろしいレベルの緻密さ。気持ち悪いような、それが却って気持ちいいような、不可思議なワンダーランド。なんだ、のっけからすごく楽しいぞ。長持の中に、古い木箱や積み木みたいな立方体、そしてナフタリンで出来たうさぎのぬいぐるみが入ってる、宮永愛子の「はるかの眠る舟」。ナフタリンは揮発するから、うさぎはいずれ原型を失い、ケースの内側には揮発したナフタリンが結晶となって貼りつくんだそうだ。上田順平のキモかわ陶オブジェ「ウラシマピーターパン」「キンタウルス」「ツカイノモノ」。岡本敏子賞を受賞した際に制作した「ウラシマピーターパン」には、飛行機の翼に「TARO LINE」って入ってたり、太陽の塔がモチーフに使われていたりと、岡本太郎へのリスペクトも。「ツカイノモノ」の両腕には若貴兄弟が描かれているが、これにも何か意味があるんかな。会田誠は「大山椒魚」。大きなサンショウウオとペチャパイ少女2人。少女は藤田嗣治の乳白色の肌。きれいだな。藤田嗣治は乳白色を出すために絵具にシッカロールを混ぜていたらしい。いろんな手法があるんだな。山本竜基「おお まい ぶっだ」。手塚治虫のブッダをボコボコにしようと取り囲む学生服の少年達は、全員、作者山本竜基の顔。何気に隣の子の足を踏んでたりする。 「ジパング展」かなり見応えあり。会場で聞いた話だけど、近々、どこかで会田誠の個展か何かが開催されるらしい。どこでやるんかな。関西でもあるといーのにな。
Posted at 2011.10.03 in ちょっとおでかけ
台風15号上陸。朝、大阪で暴風雨に遭ったから、琵琶湖はどうなるかと心配したけど、さすがユーミン。夜の大津は傘要らず。びわ湖ホールの空席もほとんどなし。
オープニングは、アルバム「ROAD SHOW」の一曲目「ひとつの恋が終わるとき」。さっきまで車で聴いてたよ。「少しだけ片想い」とか「静かなまぼろし」、「私のフランソワーズ」なんて懐かしい曲も歌ってくれた。フランソワーズ・アルディー、よく知らないのに涙が出た。あ、でも戸川純の「さよならを教えて」はよく聴いた。「今すぐレイチェル」は、「バイオハザード」を彷彿させるSF風のセットと衣装がカッコいい。3階席だからか、声が割れて聴こえて、かなり宇宙人みたいだ、ユーミン。で、そのまま「LOVE WARS」で大盛り上がり。「瞳はどしゃ降り」、コンサートではお馴染みの「DESTINY」を歌った後、ユーミンとコーラスの女子達は、赤いチンクエチェントで退場。アンコールは「コインの裏側」「カンナ8号線」「ダンスのように抱き寄せたい」。終演のアナウンスがあって、会場のライトが点いてからも止まないアンコールの拍手に、ユーミン、キーボードの人と出て来て、「やさしさに包まれたなら」を歌ってくれた。ありがとうユーミン。そして、カーテンコール後も続く、アンコールの拍手。さすがにもうユーミン登場せず。そりゃそうだ。関西人、あんまりしつこいと嫌われるよな。しかし、後から知ったが、18日の神戸公演では、更に「タワー・サイド・メモリー」(あ、神戸だからね)と「卒業写真」を歌ったそうだ。神戸人、恐るべし。どうやってユーミンをステージに呼び戻したんだ。
Posted at 2011.09.26 in ちょっとおでかけ
アメリカはニューオーリンズのギッター・イエレン財団所蔵の江戸絵画が一挙に里帰り。ギッターさんは眼科医で、60年代、九州の米軍で働いていた際には、畳とお風呂のある典型的な日本家屋で暮らしていたらしい。その後、日本美術の魅力に触れ、作者の名前よりも自らのインスピレーションで、優れた日本美術を蒐集。禅画、文人画、円山四条派、琳派、浮世絵など、多彩な一大コレクションを築き上げた。
ちらしにもなっている若冲の「達磨図」は、確かにすごいインパクト。なんだ、このおっぱいみたいな目は。達磨図は白隠や応挙のもあって、白隠のは、ギッター・コレクションの始まりとなったものといわれていて、ちゃんと厳しい顔してる。一方、応挙の達磨は、表情がちょい悪オヤジ風でエロい。白隠の七福神図も面白い。福禄寿の長い頭で、布袋さんの一部が隠れてしまうのを避けたのか、位置を途中でずらしたらしく、下書きの線がそのまま見えている。気にしていないところが素敵だ。他にも、芦雪や曾我蕭白、俵屋宗達、池大雅に与謝蕪村、呉春など、すごいぞギッター・コレクション。

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Posted at 2011.09.09 in ちょっとおでかけ
京都国立博物館の特別展覧「百獣の楽園」。猫やトラ、犬、うさぎ、キツネ、たぬき、カエル、鳥や虫、魚など、いろんな動物をモチーフにした作品を集めた展覧会。古くは縄文時代の馬の埴輪から、昭和に制作されたシャープなシルエットの銀製の豹まで、制作次期も様々。しかも応挙に芦雪、若冲、宗達、光琳など、江戸時代のスター絵師の作品もたっぷり。鹿の絵なんて、応挙のと芦雪のが向かい合って展示されてるし、芦雪といったら、変に長いアサガオのつる、それを見てるカエル、明け方のおぼろげな月を、余白を凝らして描いた「朝顔に蛙図襖」や、蚤を詳細に観察した扇、更にカッコ可愛いトラの絵もある。若冲はお馴染みの群鶏と、コロコロの子犬が折り重なるように描かれた「百犬図」。光琳の拗ねたトラもいるし、最後の展示室の応挙の「雲龍図屏風」なんて、もう「ははーっ。ありがとうございます」だ。この雲龍図は個人蔵。いったいどんな人が所有してるんだろ。江戸絵画以外にも、まだまだ。家康の所有だったと伝えられる陣羽織は、よく見ると、トラに蛇、サソリ、ムカデ、ヤモリ、ヒキガエルが織り込まれてる不気味な文様。毒を制する意味を込めて、五月五日の端午の節句に身につけるものらしい。ひえー。一方、どんな女性が着たのだろう、百羽の鳥を鮮やかな友禅で染め上げた、ド派手な内掛なんてのもある。どっちもすごいが、どっちも着たくない。
Posted at 2011.08.29 in ちょっとおでかけ
文化パルク城陽プラムホールにて。子供の頃に憧れたピンク・レディーは、今、観ても凄かった。オープニングのピンクの衣装なんて、まんまお人形さん。可愛いし、カッコいいし、もう「ミーちゃーん、ケイちゃーん。キャーッ!」だ。阿久悠と都倉俊一コンビの楽曲も、改めて素敵だと思う。始まる前に場内アナウンスがあったように、ピンク・レディーのコンサートは、観客も歌って踊るコンサート。超ヒットした「ペッパー警部」とか「ウォンテッド」とか「UFO」「サウスポー」あたりは特に凄くて、もう、みんなが踊ってる。さすがのピンク・レディーも、踊りっぱなしは疲れるのか、中盤、ピンク・レディー不在のステージに「夜のヒットスタジオ」の映像を流し、バンドの生演奏で観客に「モンスター」を歌って踊らせるなんてセコ技が出た。もちろん、あまり盛り上がらなかった。
70年代の終わり、ピンク・レディーは他の歌手を寄せつけない正真正銘のスーパースターで、小学生の私達は、誰もがピンク・レディーの振り付けを真似た。教室の後ろに横一列に並び、縄跳びをマイクにして歌って踊った。喉自慢大会やコンテストには、小さなピンク・レディー達がこぞって出場した。私はおーちゃんという友達と、藤井大丸で開催された、とあるコンテストに出場した。体操服にラメのマーカーで、それぞれ「M」「K」と描き、下はテニススコートというお粗末な衣装で「渚のシンドバッド」を歌った。箸にも棒にも掛からなかった。その時の審査員は、当時「漫才界のピンク・レディー」といわれていた春やすこ・けいこだった。
Posted at 2011.06.14 in ちょっとおでかけ
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ゴールデンウイークも後半に突入。人、人、人で、かなり歩きにくい四条通りを歩き、ようやく辿り着いたのは、何必舘・京都現代美術館、マヤマックスの動物園。「小心なマウンテンゴリラ」や「寒がりなシベリアンハスキー」「困ってるジャガー」「混乱するアオアシカツオドリの親子」「不安な小熊」など、人間の心情を投影した、カラフルな動物の絵がこれでもか、これでもか、と登場。ガッチリ心をつかまれる。3月11日の東日本大震災の後に描かれた六曲一双の「雲外蒼天図」と「光彩豊饒図」は、金地に、黒雲の嵐の中を進む大きな黒い船、そして、丘に乗り上げた船とそれにかかる虹、動物たち。黒い船にはやがて、希望を象徴する、オリーブをくわえた白い鳩が訪れる。マヤマックスのアトリエは比叡山中にあるらしい。これからの季節はきっと気持ちがいいだろな。
動物園といえば、京都市動物園。明治36年、日本で二番目に開園した歴史ある動物園だ。私はここの「おとぎの国」で、ヤギの目が怖いことを知った。また、地味なルックスながら結構可愛いヤブイヌは、1月に赤ちゃんが生まれていて、最近、「だいもん」君と「まろ」君、「はんな」ちゃんという愛称が決まった。いい愛称かもしれないが、この子達の前に生まれた「ヤス」君と「ドスエ」ちゃんのインパクトには敵わない。ドスエって。
Posted at 2011.05.11 in ちょっとおでかけ
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三連休の初日は、冬衣装じゃ汗ばむくらいのお出掛け日和。国道もしっかり混んでいて、いつもより倍の時間をかけて建仁寺へ。「綴プロジェクト」は文化財保存活動のひとつで、屏風や襖絵などの文化財の劣化を防ぐために、複製品を制作。オリジナル作品は次代へ伝えるために美術館や博物館で保存し、複製品を広く一般に公開しようというもの。複製品はキャノンと京都の伝統工芸の担い手がタッグを組んで制作。最新のデジタル技術と伝統の技が、本物に限りなく近い複製品を作りだすんだそうだ。建仁寺といえば俵屋宗達の国宝「風神雷神図屏風」。これはこのプロジェクト以前にすでに複製品で、オリジナルは確か京都国立博物館にある。だから今、建仁寺にはふたつの風神雷神の複製品がある。宗達の風神雷神は、その昔、尾形光琳によって模写されているし、その光琳のを更に模写した酒井抱一の風神雷神もある。良き作品はリスペクトされ、模写される。昨今の和柄ブームで、えらく雑に模写された風神雷神が、ジーンズやデニムジャケットに使われ、ヤンキーや小金持ちカジュアル親父に支持されているが、これはまた別の話。
で、今回の建仁寺。風神雷神をはじめ、若冲の「樹花鳥獣図屏風」、長谷川等伯の「山水図襖」、尾形光琳の「八橋図屏風」、狩野内膳の「南蛮屏風」など、名作の複製品がズラリ。複製品だから撮影可。作品にぐぐーっと寄ったマクロ撮影も出来て楽しい。特に若冲。動物一匹一匹、それぞれに愛嬌があって可愛い。
Posted at 2011.03.24 in ちょっとおでかけ
トルストイ没後100周年記念。ロシアの児童文学を研究する「カスチョールの会」主催の「偉大なるバカ」フェスティバル。フェスティバルと言ってもお祭りじゃなくて講演会。ペテルブルグ直送のロシアのチョコレートと、塩味のケーキ(ケーク・サレ)のおもてなし付き。トルストイが書いた「イワンの馬鹿」や、それより50年も前に書かれたエルショーフの「せむしの子馬」(日本ではこの翌年、龍馬が生まれたそうだ)に登場する主人公イワンを題材に、シンプルで正直でパワフルで愛され者の「バカ」の魅力に迫る。エルショーフが書く前から、ロシアには、いろんな「バカなイワン」の登場する昔話があって、中には動き回るたくさんの羊たちをどうにかしろと命じられ、全部の羊の目玉をくり抜いたという、猟奇的なイワンもいるらしい。1947年に作られたアニメ作品「せむしのこうま」。手塚治虫は、これに登場する、金色の粉を撒き散らす火の鳥にインスピレーションを得て「火の鳥」を描いたそうだ。手塚治虫といえば、宝塚にある「手塚治虫記念館」。そのすぐ近くの「宝塚チボリカラカラテルメ」は、スーパー銭湯が今ほど普及していなかった昔、そこは心躍るオアシスであり、電車を乗り継ぎ、何回も行った。またそのうち行こうと思っていたら、去年の6月に閉館していた。後悔先に立たず。もう、あの雑魚寝の仮眠室で寝ることは出来ないんだ。
Posted at 2010.06.21 in ちょっとおでかけ
今日は20℃超えの快晴。将軍塚の桜を観に行って来た。将軍塚へ向かう途中、鴨川沿いも岡崎もインクラインも、満開の桜、桜、桜。なんて贅沢なドライブコース。東山ドライブウェイを走ると、いつも思い出す「アクアパーク東山」。ここにレジャー施設があったことを覚えている人は、同世代でも結構少ない。どうしてだろ。山頂の駐車場は、ほぼ満車。駐車場から北へ少し歩くと、青蓮院門跡の飛地境内、将軍塚大日堂がある。石の大日如来にお参りしたら、桜満開の庭を散策。ソメイヨシノや濃いピンクの枝垂れ桜、そして、何とも可愛い、白やピンクの枝垂れ桃。一本の木に白とピンクの花が咲く「源平咲き」は、よく見ると、白にピンク色がさしたマーブル模様の花まで咲いている。土で作った武士像が埋まっているという将軍塚。その隣に西展望台。眼下に広がる京都の町。こうして見ると御所ってすごく広いんだな。今、御所北の相国寺承天閣美術館でやってる「柴田是真の漆×絵」。これ、かなり面白そう。
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Posted at 2010.04.08 in ちょっとおでかけ
華道歴25周年、假屋崎省吾の京都初個展は、百周年を迎えた長楽舘にて。長楽舘は、明治時代、日本のタバコ王と呼ばれた実業家、村井吉兵衛氏が私財を投じて建てた迎賓館で、ロココやアールヌーボーなどヨーロッパの装飾様式を取り入れた優雅な佇まいが、非日常的な気分を楽しませてくれる。そんな長楽舘を、カーリーの華やかでユニークな作品が彩る。花を観た後は、1階のカフェにてカーリーオリジナルのブレンドティーで休憩。甘いキャラメルと薔薇の香り、おいしい。トークショーを終えたカーリーが出てきて、サイン会開催。たくさんの関係者が見守る中、一番大きな声を出して、サイン会を仕切っていたのが、カーリー。主役なんだから、もっとこう、ふんぞり返っていても良さそうなのに、「こちらにいらしてくださーい。はーい、サインしますよー」と、駆け出しのイベント営業マンよろしく頑張るカーリー。ちょっと時間が空くと、さっと会場を飛び出し、通行人のおばちゃんに「素敵な展覧会をしているの。ぜひ観て行ってー」と、呼び込みをするカーリー。そして、またすぐにサイン会場に戻る、忙しいカーリー。ロケでもないのに、ずっとテレビと同じテンション。すごい。私はイベント関係者の心境で、カーリーに感動していた。頭の中には「情熱大陸」のテーマが流れ、妄想の中の私は、カーリーの見習いアシスタント。あまりの出来の悪さに「あなた、もう帰りなさいよ!」と何度も突き放され、その後もメチャクチャにしごかれながら、出来ないなりにがんばって、最後の打ち上げで「あなたもがんばったわね」と声をかけられる。ああ、妄想だけど、感動。ところでカーリーは、サインにもかなりアレンジを効かせている。なんて書いてあるのか、全く判読できず。
Posted at 2010.03.23 in ちょっとおでかけ
天保山はちょっと遠かったけど、来て良かったー。武蔵幼年期(千原せいじに若干似てる)の小さなカットから始まり、二刀流のずっしりでっかい武蔵像、そして、マンガ展オリジナルのストーリーに入っていく。通路の壁に落書きみたいに描かれた胤栄と石州斎、二人のじいさん。相変わらずにょろにょろしながら、次の会場へと案内してくれる。この絵、展覧会が終わったら消されるのかな。もったいないな。クライマックスの母子像の部屋、そして、小次郎が待つ砂浜。あー。もう何とも言えない。オフィシャルショップも大賑わい。図録も高価なのにバンバン売れてた。そりゃ欲しくなるよ。ここに来るまで「バガボンド」知らなかった友達まで買ってたもん。1998年に連載がスタートした「バガボンド」、年内に完結するとかしないとか。楽しみではあるが、終わるとなるとちょっとさみしい。2003年の大河ドラマ「武蔵 MUSASHI」の主演は海老蔵(当時は新之助)だったな。あの目の演技に閉口したのが、もう7年も前なんだ。
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Posted at 2010.03.11 in ちょっとおでかけ
醍醐駅から、小さくて可愛い「醍醐コミュニティバス」で醍醐寺へ。寺宝を展示する「霊宝館」は、外観からして立派。庭に植わっている松も桜も立派。桜の開花時に来たら、相当きれいに違いない。館内は寺宝を守るための湿度調節が半端じゃなくて、一歩足を踏み入れるなり、ミサミサの眼鏡が一気に曇った。体育館というか、それ以上に広いスペースに、国宝・薬師三尊像をはじめ、千手観音立像、帝釈天騎象像、如意輪観音坐像といった仏像や、仏画、仏具をゆったり展示。このメインの展示室だけで十分に満足できるのだけど、意外なお楽しみが後半にあった。別室に展示された歴代の座主の肖像画。古いものから順に観ていくと、89代目から明らかに絵のタッチが変わる。顔写真を加工したのか、中途半端にリアルで面白い。これは笑っていいと思う。霊宝館と同じ敷地内にある「仏像棟」には、五重塔創建時に使われていた柱が。パッと見は普通の丸い柱だけれど、よく見ると、当時描かれた絵がうっすら残っている。「仏像棟」を出たら、庭を観に「三宝院」へ。「醍醐の花見」の際、秀吉が自ら基本設計をしたと言われているスケールの大きな庭。が、今はあいにく工事中で、池の水がすっかり抜かれてた。こんな荒涼な風情も珍しくていいか。
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Posted at 2010.02.02 in ちょっとおでかけ



朝鮮の虎の絵をはじめ、美術工芸品や郷土玩具、そして若冲や尾形光琳らによる江戸絵画の虎と、寅年のスタートを飾るにふさわしい虎づくしの展覧会。まだ日本に虎がいなかった江戸時代、絵師達は朝鮮の絵や剥製の敷物、猫などを参考にして虎を描いた。金閣寺にある若冲の「竹虎図」はまさにそれで、今回は若冲が参考にしたであろう伝 李公麟の「虎図」と並んで展示されている。うりふたつの二頭の虎。若冲の虎の方が若干おどけている。尾形光琳の虎は拗ねた子供のような顔。報恩寺の「鳴虎之図」は、中国は明の時代の絵。秀吉が気に入って聚楽第に持ち帰ったけれど、夜ごと虎が鳴くため、たまらなくなって返したという逸話が残る。立体感の出る工夫がされていて、眺める方向によって顔が大きくなったり、お尻が大きくなったりする。この虎、寅年の三が日だけしか公開されない。つまり十二年に一度しか見られないものが、ここにある。同じく明の時代の「子連虎図」。親虎にじゃれつく三頭の子虎。親虎の大きさに対して、この三頭、妙に小さく子虎というより猫のサイズ。そのくせ顔つきはしっかり大人で、成長後の姿が気になるところだ。
Posted at 2010.01.19 in ちょっとおでかけ
真っ赤な紅葉とピンクの桜のコラボレーション。洛西の紅葉の名所、大原野神社の向かい。赤い極楽橋を渡って正法寺の境内へ。この桜は、高地に育ち、晩秋に花を咲かせるヒマラヤ桜という品種。5年ほど前に植えられたばかりの若い木だけれど、もうたくさんの花を咲かせている。正法寺は、遠方に眺める東山連峰を借景にした、白砂の庭が面白い。庭に点在する石が、象やカエル、獅子、亀などの動物に例えてあって、そう思って見ると、確かにそんな風に見えてくる。動物といえば、襖絵の部屋の奥にちょっとした庭があり、ここに、どうしてだかある鶴のフィギュア。コレ、何だろう。正法寺の大黒天は、みんなに少しでも早く福を授けようと、走っておられる「走り大黒天」。ありがたいことである。
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Posted at 2009.12.08 in ちょっとおでかけ
のっけからインパクト大。アルチンボルトって人が描いた果物人間。神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の姿を、果物や野菜や花で表現したこの絵。なんだか馬鹿にしているようにも見えるけど、これはアルチンボルトの賛美の表現。芸術に精通していたルドルフ2世も、とても喜んだらしい。正面から見ると何が描かれているのか分からないエアハルト・シェーンの判じ絵。斜めから見ると、何と、しゃがんでうんこする男の姿が。ドメニコ・ピオラの大雑把に色を重ねたっぽい油絵は、中央に円筒形の鏡を置くことで、十字架にかけられたイエス・キリストが浮かび上がる。こういうのを描ける人って、どれだけ頭がいいんだろ。歌川国芳の寄せ絵や影絵も出てる。楽しみにしていた「みかけはこはゐがとんだいゝ人だ」は、今は「人をばかにした人だ」に展示替えされていた。裸の男達が体を寄せ合い、人間の顔になっている「みかけは…」は、国芳の寄せ絵の代表作。そして、この絵と言えば、石田靖の「探偵!ナイトスクープ」デビューロケ。石田探偵に届いた初依頼。それは、この絵を龍谷大学の学生達と一緒に、現実にして見せるというものだった。鼻役の石田は、鼻先の割れ目まで忠実に再現しようと、パンツを脱いでお尻の割れ目を出した。センセーショナルなデビューだった。兵庫県立美術館には、鳥のような人間のような、目隠しはしているが目は見えているといった、摩訶不思議なオリジナルキャラクターのイベチャンとントチャンがいる。「イベント」を分割したネーミングなのだろうか、ンで始まる名前のキャラクターなんて、たぶん日本全国探しても、ントチャンだけだろう。ミュージアムショップでTシャツが売っていた。迷ったあげく買わずに帰って来たが、今は買えばよかったと後悔している。
Posted at 2009.10.08 in ちょっとおでかけ
美術館「えき」KYOTOでやってる「四大浮世絵師展」を観に行った。写楽、歌麿、北斎、広重の作品が同会場で楽しめる。「しゃらくさい!」写楽は、生まれた年も本名も門歴も定かでない謎の絵師。面白顔の役者絵がたくさん。大童山というちびっこ力士の絵がなんとも可愛くて好きだ。大童山は当時、数えで七歳。で、すでに72kgもあったとか。北斎の「冨嶽三十六景」、赤富士があれば、珍しい青富士も。広重の「東海道五拾三次」は、昔、永谷園のお茶づけ海苔にカードが付いていた。調べてみると、広重だけでなく、写楽や歌麿、北斎のシリーズもあったらしい。そういえば若い頃、緒方拳主演の映画「北斎漫画」のエロティックなシーンにドキドキした。1981年の作品。今、これを観ても、当時と同じようにドキドキ出来るかな。
Posted at 2009.01.06 in ちょっとおでかけ




いちご電車に乗って、たま駅長のいる貴志駅へ。和歌山から30分程で終点貴志駅。ローカル線の駅とはいえ、思っていた以上に小さい。テレビって大きく映るんだな。たま駅長は助役のミーコと一緒に駅長室で昼寝中だったけど、売店にいた飼い主さんが外に出してくれた。ピンクの鼻がチョコレートみたい。たくさんの人に囲まれてもパニックにならないし、前足をひょいと出して握手もさせてくれる。で、何かを訴えたい時は小さく「にゃぁぁぁぁぁぁ」と鳴く。これがまたかわいい。ミーコは外の騒ぎをよそに駅長室で昼寝を続行。やっぱり茶トラは素敵だ。帰りは伊太祁曽(「いたぎそ」と読む)駅でおもちゃ電車に乗り換え。パッチワーク柄シートのカラフルな車内には、ガチャガチャにフィギュア、ベビーサークルまである。楽しいな、貴志川線。来年デビューするたま電車も楽しみ。
Posted at 2008.12.16 in ちょっとおでかけ
ずっと乗りたかった妖怪電車。四条大宮発。嵐電のロゴってこんな居酒屋風だったんだ。妖怪電車は夕刻から何本か出ていて、通常料金で普通に乗れる(妖怪の格好をしていると大人でも50円で乗れる)。青白くライティングされた車内、不気味な音響。白い手袋がぶら下がり、中吊り広告でいろんな妖怪を紹介している。最初に青い顔の妖怪が乗り込んで来て、キャーッと嬉しい歓声があがる。妖怪はサービス精神満点で、撮影にはカメラ目線で応えてくれる。「動かないで」と言えば、決めポーズのまま静止。車内をくまなく回り、たまたま乗り合わせたちょっと迷惑顔のおばちゃんにも、しっかり妖怪としての仕事をしていた。妖怪電車にはいろんな妖怪が乗ってくるんだけど、私は烏天狗に会いたかった。去年の世界妖怪会議で見た烏天狗は、群を抜いてカッコよかった。あのコスチュームは、ヒーローものに出られるような体型の人でないと決まらない。どんな人が扮しているのだろう。幼少の折、仮面の忍者赤影に恋心を抱いた。そんな懐かしい感情を思い出した。
Posted at 2008.08.26 in ちょっとおでかけ
この夏2度目。同じプログラムなのに、また行ってしまった。ラフォーレ琵琶湖のプラネタリウムには「星のお兄さん」という名物解説者がいて、軽妙なトークで笑わせてくれる。今日、一緒に行ったピトちゃんは、最初「ひろみちお兄さん」みたいな人だと思っていたらしいが違う。たまに桂小枝のような口調になる、大きな人だ。お兄さんはチケットもぎりから、本番、見送りまでを一人でやってのける。KBS京都のラジオで番組を持っているが、ラフォーレ琵琶湖の社員で、普段はスポーツジムの受付とか、プールの監視員とかもしている。ブルー攻撃や日本沈没など、独自の技で会場を沸かせるお兄さん。今は春と夏の星座を解説していて、私はおとめ座のネタが好きだ、イエーイ! このプラネタリウムはステージがあって、劇場みたいな席配置になっている。空が見やすいのは後方席。お兄さんも入り口でそう言ってくれる。プラネタリウムといえば、セガトイズが今秋、お風呂で見られるプラネタリウムを発売する。コレちょっと良さそう。
Posted at 2008.08.21 in ちょっとおでかけ




「ドカベン」の岩鬼が夏子はんと結婚したらしい。プロ野球編やスーパースターズ編は読んでいないのだけれど、子供時代の私は「ドカベン」はもとより、「一球さん」や「野球狂の詩」、「あぶさん」など、水島新司の野球漫画をたくさん持っていた。水原勇気に憧れて、夜にひとり、壁にボールを投げて守備の練習(何のため?)をしたこともある。「ドカベン」といえば、昔、実写版の映画(か、特番)があった。テレビで再放送していたのを2度程観たことがある。長島主将役が永島敏行で、山田太郎や岩鬼はあまり知らない人、そして殿馬が川谷拓三、夏子はんはマッハ文朱だった。柔道部時代の話がほとんどで、里中とか土井垣とか不知火とか、見た目が楽しみな登場人物はなし。地味な作品だった。
子供時代の漫画といえば「キャンディ・キャンディ」は外せない。キャンディといえばバラ。植物園のバラは今が満開。5月の植物園はやっぱりいいな。「宝石の塔」という別名を持つ、エキウム・ウィルドプレッティなんていう不思議な花も咲いている。今月いっぱいは6時半まで開園時間を延長。園長さんの「きまぐれ園だより」によると、5時から「たそがれバラ園そぞろ歩き」なんてイベントもやってる。「行きたい!」と思ったら、これは昨日まで。ノーッ!
Posted at 2008.05.27 in ちょっとおでかけ


牡丹の名所、乙訓寺へ行ってきた。山門に「境内のぼたん満開です」の札。もう、いきなり牡丹の香りに包まれる。薔薇に似た、強烈にいい香り。昭和9年の室戸台風。その被害により荒れていた境内を見た奈良の長谷寺の住職が2株の牡丹を寄進。それが始まりで、現在2000株あまり。牡丹をよく知らなかったから驚いたのだけれど、大きい花は本当に大きい。私の顔くらいある。なんか「大女優」といった感じで、貫禄がある。しかも、大女優よろしく白い傘を差した牡丹まで。聞けば、雨よけ、日よけなのだそう。なんだかカッコいいぞ、牡丹。ところでお正月に飾る葉牡丹は、牡丹とは全く別種とか。あれを水だけ欠かさずやっていると、ぐんぐん背が伸びる。そして菜の花みたいな花が咲く。そこまで放置する必要はないのだが、捨てるタイミングが分からない。よって、お正月に葉牡丹を飾った年の春には、ひょろひょろのなんとも貧乏臭い菜の花似の花が、我が家の玄関を飾るのだ。
Posted at 2008.05.01 in ちょっとおでかけ




和歌山県の南の端、串本の無量寺境内にある「串本応挙芦雪館」に、長沢芦雪の虎の絵を観に行ってきた。芦雪の「龍虎図」は重要文化財。特に虎は、豪快なんだけど、どこかぬぉ~んとしていて、可愛くて人気者。若冲コレクションで知られるプライスさんが一番好きといった江戸絵画でもある。虎の絵は鉄筋コンクリート造、二重扉の重々しい建物の中にある。湿気が入るといけないからだろうか、雨の日は入れてもらえない。で、この威圧系の建物なんだけど、一旦中に入れば、新築の木造住宅みたいな匂いがする気持ちいい空間。絵はガラス越しじゃなくて、間近で観られる。中に入ってすぐに虎の絵が見えたが、お楽しみは後からにして、まずはその裏側の絵から。芦雪の師であった円山応挙の「波上群仙図(波の上を仙人が歩いている。鯉に乗った仙人もいる)」の向かい側に、思いがけない猫の絵。この「薔薇図」には、野生の薔薇(串本では民家の庭にもう薔薇が咲いていた)と3匹の猫、水面に姿を現した魚、薔薇を挟んで左手には二羽のニワトリが描かれている。応挙のも芦雪のも、コロコロの仔犬(表情が猫村さんっぽい)の絵は見たことがあったけど、猫は期待してなかったから異様に嬉しい。画面中央に寝そべる白黒のブチ猫は、頭のブチの入り方がまるでまことちゃんの前髪。そんな前髪をしているくせに、分かったような顔をしているところが素敵だ。前髪猫の隣に佇む茶白猫は、顔の部分が剥げてしまっていて、どんな顔だったのか分からない。科学の進歩でいつか解明されるといいな。そこから少し離れて、魚を狙う茶白の子猫。実は、「龍虎図」の虎は、魚の視点から見たこの茶白の子猫なのではないかという説があると、案内の女性が教えてくれた。そう思って見ると虎がますます可愛く見えてくる。虎の向かいには龍の絵。「デスノート」のレムに似てる。他にも、困り顔のおっさんの絵の裏側にまわると、我、関せずな猿が描かれている猿回しの絵なんかもある。境内にはもうひとつ建物があり、こちらでは応挙や芦雪のほか、若冲の絵や、雨の日用の「龍虎図」のレプリカもある。過去に開催された展覧会の図録もあって、もう、たまらん楽しい。「応挙と芦雪展」の図録と、金地に松と孔雀というゴージャスな装丁の「円山応挙特別展」の図録を買ったが、これがめちゃくちゃ重い。私は最初から図録を買うつもりで、虎屋のトートバック(羊羹を持ち運ぶように作られているから丈夫)を持参していたが、旅行中にこの重さは辛い。宅急便で送ってもらうことにして、身軽に寺を後にした。
 で、串本観光。弘法大使と天邪鬼が橋架け勝負をしたという伝説が残っている橋杭岩に、本州最南端の潮岬灯台と潮岬観光タワー。観光タワーに上ったら本州最南端訪問証明書が貰える。旅の思い出。図録に挟んでしまっておこう。
Posted at 2008.04.25 in ちょっとおでかけ


日本3大桜のひとつ、岐阜県根尾谷の淡墨桜を見に行った。淡墨桜と書いて「うすずみざくら」と読む。何で「薄」じゃないんだろう。推定樹齢1500年って、平安建都どころか、聖徳太子だって生まれていない、すごい昔。で、淡墨桜、老木よろしく立ち入り禁止の柵の中で、たくさんのつっかえ棒に支えられてるんだけど、これが見事な満開。過去に枯死の危機もあったそうだけど、根つぎをしたり枝葉を消毒したりして、復活させた。人の技術もすごいし、桜の生命力もすごい。この桜、花びらが蕾の時はピンク、開花すると白、散るときは墨がかった色に変化するらしい。さすが名桜、散り際まで魅せる。
このあと群上八幡を散策。ここ、食品サンプル発祥の地で、今も全国の7割を生産してるらしい。野菜や果物といった定番から、鉢からこぼれたラーメンや、レンゲですくったチャーハンなんて技モノもある。一本1000円の実物大キュウリを買ったけど、ひと通り友達に自慢し終わったら、早くも邪魔である。そして、ここには飛び込みの名所がある。吉田川にかかった新橋がそう。橋の上から12メートル下の川に飛び込む夏の風物詩。前にテレビでやってた。この高さ、とてもじゃないけど無理。
Posted at 2008.04.15 in ちょっとおでかけ





念願だった水木しげるロードに行ってきた。
水木しげる大先生の出身地である鳥取県の境港。約800メートル続く道の両端に、鬼太郎やねずみ男をはじめ、いろんな妖怪のブロンズ像が並んでる。
メインは「水木しげる記念館」。お化け屋敷と博物館と美術館と図書館が一体になったような、てんこ盛りの水木ワールド。入ってすぐの「げげの間」での紹介によると、水木少年は4歳まで口を利かなかったらしい。やっと発した言葉が「ネンコンババ」(猫の糞)で、布団の上に粗相したのを猫のせいにするためだったらしい。すごい。で、水木少年は自分の名前を上手く発音出来ず「げげる」と言っていたらしい。それが「ゲゲゲの鬼太郎」の「ゲゲゲ」につながっている。
2階の企画展示室では、鬼太郎シリーズのキャラクターのあまり知られていない一面が紹介されている。ねずみ男は大卒(妖怪大学だけど)で、なんと結婚経験(詐欺だけど)もあり。鬼太郎にはメリー(南の島の酋長の娘)っていう妻や、雪姫っていう妹までいた。
水木しげる大先生は3月8日がお誕生日。もうすぐ86歳になられる。
Posted at 2008.03.06 in ちょっとおでかけ
「若冲はこんぴらさん!」という電車の中吊り広告に誘われて、こんぴらさんこと金刀比羅宮へ。文化ゾーンの完成記念イベントとして催された「金刀比羅宮 書院の美」では、普段は非公開の奥書院を公開。201の花が整然と並ぶ伊藤若冲の「花丸図」が間近に観られたり、愛媛県の定蓮寺から160年ぶりに里帰りしたツバメの絵の断片が初公開されたりと、若冲ファンには見逃せないチャンス。私も若冲が好きだが、今回の目玉は虎。円山応挙が描いた「遊虎図」の8匹の虎だ。表書院に入ってすぐ、あまり興味の湧かない鶴の間を足早に過ぎ、虎の間へ。いるわ、いる。三方の襖に虎がいる。広告に使われていた「水呑みの虎」から、松の木の下でのっそり佇む八方睨みの虎、そして、何故か豹柄の虎(たまらん可愛い、のん気な寝顔)とホワイトタイガー(何故?)…。とにかく素敵なのだ。はた目には大人しく鑑賞していた私だが、内心はかなり舞い上がっていた。これらの虎、普段はガラス越しでしか観られないそうである。しかも、この催しが終わると次は三重県へ、そしてフランスへ渡ってしまうので、当分は観ることが出来ない。なんて貴重な体験をしたんだ。売店では虎グッズを買い漁った。ポストカードからクリアファイル、一筆箋にTシャツ…そして、ホワイトタイガーが真正面から見据えるトートバックに手を伸ばした時、思い出してしまった。でかい虎の絵=オバハンTシャツによくある柄。まもなく四十路に突入する私は、虎が洒落ではなく、本気で似合ってしまう心配をしなくてはならない。虎は好きだが似合いたくはない。虎好きに勢いがついた今となっては、少々メランコリックな問題である。
Posted at 2008.02.07 in ちょっとおでかけ
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今夜はミサミサと植物園のクリスマス・イルミネーションを観に行った。夜の植物園は暗くて、明かりのないところなど、うっかり花壇につまずきそう。ポインセチアでいっぱいの観覧温室はじんわり暖かい。カメラのレンズが曇るな、と思っていたら、ミサミサの眼鏡も曇ってた。一番の見どころは北山門広場のトウカエデ。高さ20メートルの大木が、白色LEDだけを使ってシンプルにデコレーションされている。これが寒い夜空にキリッと映える。この木は樹齢85年。園長さん自らが手描きされている「きまぐれ園だより」にそう書いてある。「きまぐれ園だより」はA4のモノクロコピーで、見頃の植物がイラストとコメントで紹介されている。今回のでNo.165とあるから、いつから始まっているのだろう。毎回出てくる風船のキャラクター(のようなもの?)もご愛嬌。ここでは月に1度、「園長さんときまぐれ散歩」と称する園内ツアーがあるのだが、いつか参加したいと思いつつ、まだ実現していない。

イルミネーションといったらロームは外せない。今年は2回行った。毎年思うんだけど素晴らしい。大好き。
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Posted at 2007.12.27 in ちょっとおでかけ
今日は善峰寺に行ってきた。シュウメイギクが見頃らしい。シュウメイギクは、キクとはいいながらアネモネの仲間なんだそうだ。ピンクの濃淡や白など数種類あって、コスモスのようでもあり、キクのようでもある。善峰寺は京都の西の山の上。かなり高い場所にあるから、見晴らしがとてもいい。阪神大震災で阪神高速の高架が落ちた時、ギリギリのところで墜落を逃れた運転手さんが、ここのお守りを持っていたことから、ここのお守りを持っていると受験に落ちないといわれている。本堂にちょこんと置いてある三匹の子犬の像は、お守りを納めるところ。正面の子犬が伊東四朗っぽい。善峰寺の境内はかなり広いし、見どころもたくさんある。たまに高い参拝料を払って「これだけ?」と思うようなお寺もあるけれど、ここに支払う500円は納得。遥々やって来る価値があると思う。
Posted at 2007.10.10 in ちょっとおでかけ
楽しみにしてた「世界妖怪会議」。水木しげる、荒俣宏、京極夏彦、多田克己と、妖怪のエキスパートが映画村に集合。映画村で「世界」て何やねん、と突っ込みたいが、水木しげる大先生(「だいせんせい」ではなく「おおせんせい」と呼ぶのがいいらしい)のスケールに合わせたら、やっぱり「世界」か。迫力満点の85才。大先生曰く、近代化によって妖怪が見えにくくなっているとのこと。電気の光は良くなくて、行灯が最高らしい。先生は困った時、妖怪に助けてもらえるんだそうだ。いいな。そして、ヒゲ面ぽっちゃり系の男がお好きらしい。

テレビの「ゲゲゲの鬼太郎」、今、やってるのは第5シリーズ。60年代の終わりに始まった第1シリーズの初代鬼太郎はモノクロ。私は70年代の第2シリーズの世代。この時の猫娘はヘルメットみたいなおかっぱ頭で服も一張羅だけど、やっぱりこの猫娘の方が断然いい。なんで変えちゃうんだろう。

帰りに鬼太郎のルーツ「墓場鬼太郎」の復刻版を買った。実写版作るとしたら次長課長の河本か、ハゲタカ大森南朋でお願いしたい。
Posted at 2007.08.28 in ちょっとおでかけ
今日は平安神宮の神苑が無料公開の日。天気予報は雨なんだけど晴れ間もあった。
神苑は平日とは思えないくらいの人、人、人。

紫と白の花菖蒲は今が見頃で本当にタイミングが良かった。
お昼は老舗洋食店の「グリル小宝」へ。11時半からの開店だから、ちょっと前に行って一番乗りをしようと向かったら、すでに行列。何人くらい入れるんだろーと思いつつ、待つことしばし、「何名様ですか?」と、お店の人が人数をカウントしだした。

いよいよ私たちの番になり「二人です」と言い終わらないうち、「ここまでです。ここから先は30分以上は動きません」と言われてしまった。ついてない。
「30分も待てへん」というミサミサを説得し、「もしかしたら入れるかもしれませんやん」と待つことに。

11時半。いよいよ開店。私たちは店内の待合椅子に腰かけて待つ。先にメニューを見せてもらってオムライスを注文。

しかし…駄目だ。

年配のお客さんが多数。ボリュームたっぷりの洋食が、すぐに食べられるわけがない。私たちは長期戦を覚悟した。

しかし、である。10分もしないうちに席を立つお客が。
なんという早食い。男前な食べっぷりである。私たちはすぐにテーブルに案内され、オムライスもまるでファーストフードのような早さで出てきた。
おいしい。デミグラスソースがなんとも。そして、私たちは男前(実際の顔はそうではなかったが)に受けた恩義を、今度は外で待っている人たちに還さなければと思った。
私たちの席は窓際で、そこからは修学旅行生を先頭に、新たにできた行列が見える。

「待ってろよ、修学旅行生…」。

私たちは会話もそぞろに無心に食べた。
食後にコーヒーを注文したいところだが、この場面においてそれは非常識である。
トイレだって我慢だ。すぐに席を空けてやるぜ。

が、そのとき、ひとり、またひとり、と席を立つ面々が。

「あそこは当分、無理だな」と思っていたおばあちゃんまで、しっかり完食して席を立っている。
おそらく平均滞在時間15分。私たちは素晴らしいマナー集団である(見ず知らずだが)。

鯉
で、店を出たものの、やっぱりコーヒーが飲みたくて、近くにある生チョコレートのカフェへ。
古い日本家屋がそのまま使われていて、ちょっと懐かしい感じがする。
なんという種類なのか知らないが、でっかい洋犬がいて、腹が据わっているのか、温厚なのか、誰が通ろうが我関せずで、ずっと寝ている。
ミサミサは私の猫師匠であるが、大型犬も好きである。カフェに来るまでの道で、どつかれまくったようないかつい顔の大型犬を見かけたが、それに対しても「かわいいな、いい色や」と不思議な意見を述べていた。しかし、小型犬に対しては、目が覚めるような辛辣な意見を放つ。だから、このカフェの犬がチワワやマルチーズでなくて良かった。

松ちゃんの「大日本人」に猫が出てくる。コロンと太ってて、よく動いて、すごく可愛かった。DVDが出たら買おうと思う。
平安神宮の神苑
Posted at 2007.06.14 in ちょっとおでかけ
いよいよ明日で若冲展が終わる。五月の半ばからやってたけれど、そのうち、そのうちと、結局ギリギリになってしまった。江戸時代の画家、伊藤若冲は錦の八百屋の生まれ。商売はあんまり好きじゃなく、酒や女にも興味なし。理解のあった弟に家業を譲って絵に没頭、84歳まで生きた。84歳って、江戸時代にしては相当なご長寿。今回は皇室に献納された絵が120年ぶりに帰ってくるとかで、なにやらすごいらしい。で、相国寺に着いたものの、なんと180分待ち。3時間である。日傘が欲しいくらいの日差しの下、何もしないで3時間は辛い。待って入ったとしてもすぐに閉館。諦めた。のんびりランチしてからやってきた私は自業自得だけど、遠方からはるばるやって来てたり、タクシーで乗りつけた人は気の毒だな。後から若冲の作品を調べてみると、カエルや蛸や子犬の絵なんか、とてもユーモラスでかわいい。やっぱり見たかったな。図録もう手に入らないかな。便利堂にポストカード売っていないか見に行こう。

バラの季節だけ営業される嵯峨野の喫茶店「ラ・ビ・アン・ローズ」。こちらも今シーズンは6月3日まで。
Posted at 2007.06.07 in ちょっとおでかけ
祗王寺
新緑もそろそろ見納めと、ミサミサと嵯峨野へ行ってきた。
嵐電嵯峨駅からすぐ、銭湯を改装したカフェ「SAGANO‐YU」で腹ごしらえをして、祗王寺へ向かう。
なんとなく歩いていけば着くような気がして、地図も見ずに適当な方向に歩いていたが、ラッキーにも辿り着くことができた。
門をくぐり、拝観料を払ったところで、そこが祗王寺ではなく、違う寺であることに気が付いた。せっかくなので拝観する。間違えた。

宝物館での体験は当分頭から離れないだろう。
「忘れよう」と、そそくさと外へ出ると、門前に私たちと同じ間違いをしそうな女の子が立っていた。
私はとっさにこの子を守らなくてはと思い、「ここは祗王寺と違ったなぁー」と猿芝居をした。彼女はその寺へ入らなかった。「救えた」と思った。

新緑のもみじ
竹の子
さて、祗王寺である。
苔の庭に新緑のもみじがうっすらと陰を落とし、なんともいえない静かな空気に包まれている。竹林には余裕で二メートルを越える長身の竹の子(もう竹というべきか)が生えていたりして面白い。すごい勢いで育ったんだろうな。竹の子って一日に一メートル伸びることもあるそうだ。今年、大枝塚原の竹の子をメチャメチャ食べた。
背が伸びるといいな。

伸びないか。
Posted at 2007.05.29 in ちょっとおでかけ
霧島つつじ

霧島つつじ
ゴールデンウイークが見頃という長岡天満宮の霧島つつじ。写真では見たことがあったけど、実際に見たらやっぱりすごかった。
でっかい八条池を渡る参道の橋。その両サイドにドーンと霧島つつじの生垣が続く。私の身長より高くて、とにかく真っ赤。葉っぱの立ち入る隙間を与えない、花、花、花。巨大な、真っ赤なかたまり。ちょっと離れて見たら「きれい」というよりグロテスク。化け物みたいで素敵である。
このつつじ、樹齢100年を越えているらしい。つつじを漢字に変換すると「躑躅」なんておどろおどろしい字がでてきた。髑髏と似ている。このつつじを見て「だいじょうぶマイ・フレンド」のゴンジー・トロイメライを思い出した。もしゴンジーがこのつつじを見たら、トマトと間違えて失神するに違いない。ピーター・フォンダ扮するゴンジーは、クリプトン星からやってきたスーパーマンみたいな男なんだけど、トマトが苦手。ゴンジーを狙うドアーズという組織は、トマトを大量に用意してゴンジーを弱らせようとする。ゴンジーにはトマトの声が聞こえる。「お前なんか嫌いだ、お前なんか嫌いだ」。村上龍の原作・監督作品。私はこの映画が好きだ。広田玲央名がかわいいし、根津甚八や渡辺裕之が若い。岸辺一徳や小松政夫、タモリ、研ナオコも出ている。バカバカしくて笑ってしまう、懐かしい80年代の空気。
サントラがまたいいんだけど、今は手元にテープしか残っていない。レンタルレコード全盛期の時代だった。懐かしいな。再発売してくれないかな。
Posted at 2007.05.08 in ちょっとおでかけ
松尾大社

境内の黄色い山吹は満開
4月23日

今日は松尾大社に山吹を見に行った。
パッとしない曇り空だったけれど、境内の黄色い山吹は満開。
神苑の奥には白い山吹も咲いているとのこと。4月になってから寒い日が何日もあったけど、いよいよ、いい季節になってきたと思う。 昨日は神幸祭。雨の中の神輿担ぎ。神幸祭と還幸祭には、七条の御旅所に夜店が出る。子供の頃、この夜店が大好きだった。
今でもひよこ釣りとか、型ぬきとか、あるんだろうか。ひよこって、確か、うどんで釣っていたと思う。友達がニワトリになるまで育ててた。
型ぬきは、ひょうたん、飛行機、傘。傘は柄の部分が細くなっていて難しい。ちゃんと出来た覚えがないから、景品で何が貰えたかも知らない。「あてもん」で欲しかった景品は、ピンクレディーの「ウォンテッド」の衣装。当時、ピンクレディーは全国の小学生の憧れだったと思う。なわとびをマイクにして教室で踊った。藤井大丸でピンクレディーの物真似コンテストがあった。体操着にキラキラマーカーで「M」「K」と描き、テニススコートをはいて出場した。「渚のシンドバッド」を歌った。審査員は「漫才界のピンクレディー」(と紹介されていた)春やすこ・けいこだった。
Posted at 2007.04.26 in ちょっとおでかけ
4月5日

今日は佐野藤右衛門さんの桜を観に行ってきた。佐野藤右衛門さんは全国を飛び回り活躍されている桜守。「桜守」とは桜の面倒を見る人。桜の木を植えたり、病気を治したり、枯れてしまった名桜を甦らせたりする。この季節は自宅のお庭を開放されていて、誰でも名桜守の桜が観賞できる。背の高い、大きなしだれ桜が、今、満開。幹に寄り添って見上げると、花びらがしんしんと降ってきそう。佐野藤右衛門さんらしき方がお出掛けになるところに遭遇。80近いお年だというのに、シャキーンとしておられる。格好いい。
佐野藤右衛門さんの桜
すぐ近くに広沢池。池のほとりの桜が満開。広沢池には昔ながらの風情を残すスポットが多く、時代劇の撮影でよく使われる。広沢池は鯉の養殖地で、今は水面がキラキラしているこの池も、師走の「鯉あげ」の頃には水が抜かれ、ほとんど水のない状態になる。水抜きは一カ月ほどかけて行われるそうだが、その水はいったいどこへ行くのだろう。鯉以外の生き物も。不思議である。
広沢池の桜
Posted at 2007.04.13 in ちょっとおでかけ
3月9日

ベンチで猫が日向ぼっこ
今日は寒いけどお天気は良し。私の猫師匠であるミサミサと御所を散歩した。ベンチで猫が日向ぼっこ。仕草ひとつひとつが平和で素敵だ。磨れて白くなった玉砂利みたいな肉球がカッコいい。猫扱いに長けているミサミサは臆せずベンチに座る。猫も自然にゴロリと横になる。私は野良猫には威嚇されるか逃げられてばっかりなので、この状況の素晴らしさに浮かれた。しかし、浮かれ私が手を出すと、猫はおもむろにイラついて見せ、猫&ミサミサVS私、みたいな状況になってしまった。


それはさておき、やっぱり御所は気持ちいい。空の青と松の緑と玉砂利の白。3色のコントラストがすっきり鮮やか。御所の西側エリアでは、梅、桃、桜が順番に開花する。南から歩くと、まず梅林。甘い香りがほのかに漂うけれど、ほとんどの木がもう散りはじめ。これからは桃が見頃。つぼみが丸く膨らんで、明日にも開きそう。梅や桜の名所はよく聞くけれど、桃の名所ってあまりないから、ここは貴重。そういえば、桃の香りってどんなのかよく知らない。ちなみに「ももの花」ハンドクリームは、50年の歴史を持つロングセラー商品。私は「アトリックス」派なのだけれど、一度買ってみようか。さて、まだつぼみも硬そうな桜エリアを抜けて、河原町今出川の「李青」へ韓国のお茶を飲みに行く。この店の裏にある「ドミニコ幼稚園」は私の母校。今、どんな風になっているのだろうか。見てみたいけど、勝手に入ったら駄目なんだろうな。だからって電話でアポとるのも大層だし、こんな場合、どうすればいいのだろうか。
御所の桃
Posted at 2007.03.13 in ちょっとおでかけ