即興詩人。京都市左京区出身。A型。動物占いはライオン、星座は水瓶座。趣味として映画鑑賞と読書を少々。猫、特に茶トラの野良猫をこよなく愛する四十路間際の女。
結婚20周年記念の夫婦旅行で遭難し、夫とともに無人島に流れ着いた43才の主婦、清子(木村多江)。その後、島に16人のフリーターが流れ着き、役立たずの夫は崖から落ちて死亡。男16人、女1人の、清子の女王様的無人島生活が始まる。清子が2番目の夫にした暴君的なカスガベは、トキも知らないバカな奴。このカスガベも何者かによって殺されてしまう。やがて6人の中国人密航者が流れ着き、フリーター達には到底及ばないサバイバル能力を発揮。一方、清子は3番目の夫、GMと暮らし始めるが…。「おまえみたいな年増の娼婦」と、清子に唯一、敵意をむき出しにする変人、ワタナベに窪塚洋介。窪塚、すっごく楽しそう。いくら豚肉をむさぼっても、木村多江はきれいでエルメスのスカーフが似合うし、フリーター達も、カスガベ以外は妙にあっさり草食系。性欲も飢餓の苦しみも危機感も悲愴感も不思議なくらい感じられない。平成って、こうなのか。もし、昭和にこの映画を作ったら、もっとドロドロ、エロエロして、死人もたくさん出たと思う。清子役には五月みどりや烏丸せつこを推したい。中国人のリーダー、ヤンは長身の金髪の男だが、この金髪がいつまでもきれいな金髪で、10年後もそのままってどういうことだ。中国人はそんな優れた染髪料まで開発したのか。そのくせ服はボロボロ。髪に気を使うなら、服もなんとかするべきだ。
寺島しのぶがベルリン国際映画祭で銀熊賞最優秀女優賞を獲った話題作。あの熊のトロフィー、可愛いい。「キャタピラー」って芋虫のこと。寺島しのぶ演じるシゲ子は、戦場から帰って来た夫、久蔵の姿を見て愕然とする。四肢を失い、顔に火傷を負い、口も上手くきけない久蔵は、芋虫のようだった。勲章を貰い、新聞にも取り上げられ、村人から「生ける軍神」と称えられる久蔵であるが、食欲と性欲がものすごくて、シゲ子はうんざり。ある意味、自由を奪われた「軍神の妻」の複雑な心境の変化を、すっぴんの寺島しのぶが、いろんな表情で見せてくれる。「龍馬伝」の乙女姉やんもいいけれど、こんな、理不尽な運命に翻弄されながらも、時にコケティッシュで、時に割りきった昭和の女、シゲ子もいいな。久蔵の困った人間性は、戦場での過酷な体験が作り上げたものかと思っていたら、どうやら出兵する前から、結構嫌な奴だったみたい。戦争が終わって、シゲ子が解放されて本当に良かった。
四条河原町阪急が今月22日に閉店する。売りつくしセールのスペシャル企画で「ハレノヒ」の凹カステラを買ったりして浮かれてはいるものの、あと数日でなくなると思うと、やっぱりさみしい。私がよく阪急に行っていたのは、もう20年以上も前のことで、当時は、あの外が見えるエレベーターに乗るだけでウキウキした。その頃はDCブランドの最盛期。阪急には欲しいものがいっぱいあって、バーゲンに並んだりもした。学生の私は、8階の「まほろば」という喫茶店でアルバイトをしていた。7・8階のグルメフロアを今は「モザイクダイニング」というが、当時は「セブンエイト食堂街」といい、「セーブン、セブンエイ~ト、食堂街~♪」という音楽は、今でも耳に残っている。セブンエイト食堂街には、京風ラーメン(コシがほとんどない細い縮れ麺)の「あかさたな」(今は名古屋のセントラルパークってところに入っているらしい)や、甘味処「文の助茶屋」、「桃園亭」、「しゃぶ伊達」なんかが入っていて、どこともに結構流行っていたと思う。「まほろば」は、妖しいラウンジのような佇まいの店だった。黒と紫を基調にした店内は昼間でも薄暗く、更に壁の大半の面積が鏡張りで、いろんなことが鏡越しにチェック出来たし、されもした。DCブランドの店員さん達は、よく休憩時間にこの店を利用していたので、私はファッショナブルなお兄さん、お姉さんを観察しては、心ときめかせていた。また、この店はキャッチセールスの勝負場所でもあった。キャッチのお兄さん達は、阪急前で二人組の女の子をキャッチしては、この店に連れて来て、着物や布団を売っていた。お兄さん達は紫や山吹、玉虫といった派手な色のダブルのスーツを着て、システム手帳を持っていた。看護婦さんや先生なんかがターゲットだった。私は、うさん臭いお兄さん達を、時に鏡越しに睨んだりしていたが、お兄さん達はそんなこと構わずフレンドリーに接してくるので、妙な気持ちになったものだ。当時、携帯電話などない時代、お兄さん達は、どうやって仲間と連絡を取り合っていたのだろう。あの、助っ人が登場する絶妙なタイミングは、敵(ではないか)ながら見事なものだった。
イギリスの児童文学「床下の小人たち」をベースにしたジブリ最新作。アリエッティは、古いお屋敷の床下で暮らしている小人の少女。お屋敷に忍び込んでは、必要なものを借りてくる「借りぐらし」の生活で、「借り」とはいいながら、返す意思はなさそうだ。アリエッティは父ポッドと母ホミリーとの3人暮らし。もし人間に見つかったら、引っ越さなければならないという掟があるんだけれど、ある日、病気療養のためにお屋敷にやってきた少年、翔に見つかってしまう。翔も、お屋敷の主である貞子おばさんも、実は小人に好意的なんだけど、アリエッティ一家にはそれが伝わらない。そんな中、お手伝いのハルさんが、ホミリーを見つけて捕まえてしまう。更にハルさん、「他にもいるはず」と、ネズミ駆除業者を呼ぶ始末。このハルさん、とことん悪い人ではないはずなのに、この不快感は何だろうと思っていたら、ポニョを思い出した。この妙なはしゃぎっぷりと、トラブルメイカーぶりは、ポニョやメイと同じ。おばさんでありながら、末っ子的キャラクター。そりゃ最強だ。ラスト、翔との別れのシーン。翔の指先の大きさに対して、アリエッティが小さ過ぎないか? 猫のニーヤがいい奴だった。
前作から7年。青島は係長に昇進してワニっぽくなった。話は湾岸署の引っ越しに始まり、金庫破りやバスジャック、青島やすみれの拳銃盗難、その拳銃を使った殺人事件、新湾岸署占拠事件へと発展していく。スリーアミーゴスはいつも通りの平和な感じ。この3人といえば、アフラックのCM。所長が歌う「ララララ~♪」に「ニャーニャー」と、合いの手を入れる三匹の猫の可愛いこと。よく見たら「にゃらん」こと、みー太郎がいる。偉いな、賢いな、可愛いな。今回、青島との絡みが少なかった室井だけれど、がんもどき顔は健在。ラストは「へっちゃまげな」と謎の東北弁を残して去った。犯人グループの主犯格ノライヌは、テレビドラマ(1997年スタート)の第1話に登場した男の子で、また、別のドラマ「お金がない!」では、織田裕二の弟役だった。ブタの貯金箱を大切に持ってた、あの小さい男の子が、いつの間にか23才。後半はキョンキョン、キョンキョン、キョンキョンで、新しい映画を観た気がしない。警視正の一倉(小木茂光)がやたら短気だ。